Le Père	父 公演情報 Le Père 父」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-8件 / 8件中
  • 30カ国以上で上演された仏戯曲「Le Pere 父」の日本初演。約1時間50分。超面白かった!老いる父とその周囲の人々の我欲、善意、愛情、妄想が演劇的虚構でさらに不確かに。それを新鮮で真実味のある工夫を凝らした演技でみせるから観客は撹乱される。私は笑い、涙した。橋爪功さん含む出演者6人全員スリリングで魅力的。大げさ過ぎず閉じてもいないのが素敵!具象と抽象のバランスが美的な美術もおしゃれな衣装も雄弁。自分を信じられない恐怖を想像できた。初演を演出したラディラス・ショラーさんの日本での初演出。詳しい目の感想:http://shinobutakano.com/2019/02/06/14688/

  • 満足度★★★★★

    記録

  • 満足度★★★★

    橋爪功さんの演技が凄すぎて圧倒されてしまった。超高齢化社会、誰もが認知症の家族を持つ可能性。感情移入しすぎて、疲労感がいっぱい

  • 満足度★★★★

    認知症になった父と娘の物語だが、父役の橋爪功、娘役の若村麻由美、主演のふたりが非常に良かった。認知症の父から見た世界で、「あなたの娘です」というのが全然別の俳優だったり、時間が前後したり、主人公の経験が、夢なのか現実なのかが曖昧なままだったり、技巧的に面白かった。自分の部屋と思っているのに、壁や家具の配置が物語が進むにつれてどんどん変わっていくのも効果的だった。
    父は「自分は呆けてなどいない」と頑固で、周囲を振り回しつつも、どこかに自分自身の変化を感じ取っていて、不安と寂しさを覚えている。橋爪はその心情の振幅、心底の孤独感をよく垣間見せてくれた。高齢者はわがままを言いつつも、結局は弱い存在なのである。そのことを本人も十分わかっている。橋爪功がさらに10年後に、87歳で再演した舞台もぜひ見てみたい。

  • 満足度★★★★

    良く出来た喜劇である。流石フランス随一のヒットメーカーの戯曲だ。それに役者がハマった。この芝居はこの二点に尽きる。
    老人ボケをテーマにした芝居は、高齢者社会を反映して今や若者小劇場ですらよく扱われるテーマになった。社会問題でもあり、家族問題でもある。芝居にはいい素材で日本で行けば「三婆」と言う事になるが、この芝居はドライに乾いている。役を客観的に見ていて、べとつかない。ストーリーとしては、夫の都合でイギリス暮らしをしなければならなくなった娘(若村麻由美)が呆けていても一人暮らしをするとがんばる老父(橋爪功)を、若いヘルパー(太田緑ロランス)の手を借りながら老人ホームに送り込むまで、というだけなのだがその間に、現代の親子の亀裂、娘やヘルパーの職業的環境、同居する娘夫婦の問題、などを矢継ぎ早に取り込んで笑いと共に登場人物を追いこんでいく。テンポがいい。技術的には、ときにシーンが客観から、主人公の主観になったりする。そういうことが可能な設定になっているところが面白い。
    役者がいい。橋爪はお手の物だが、やり過ぎになるところをうまく抑えている。いいのは若村麻由美・現代のクールな職業人が問題に直面するときの空気がよく出ている。太田緑ロランスも暗くならないで芝居のアクセントになっている。長い公演だが、客も楽しんでいる。

    ネタバレBOX

    ただ、この喜劇のキーはだれも逆らえない「老い」である。いつかはわが身にも襲いかかる内容だけに薄氷の上の笑いで、娯楽としての喜劇を大団円で救うには(あまり救う気もなさそうなところもフランス戯曲らしいと言えるのだが)随分あっさりした幕切れた。
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2019/02/05 (火)

    東京芸術劇場シアターイーストにて『Le Père 父』を観劇。
    これまで世界30ヵ国以上で上演されてきた“老い”をテーマとした悲喜劇。今回が待望の日本初上演ということで、昨年10月の時点で観劇することを即決。とても興味深く楽しみにしていた作品でしたが、その期待をはるかに上回る実に見応えのある素晴らしい作品でした。
    80歳の父親が一人で暮らすアパルトマンに娘が駆け付けるシーンから物語はスタート。この後3月下旬までロングランで上演される作品なのでネタバレ防止も兼ねて内容の詳細は割愛しますが、現実の話なのか妄想の話なのか、更には現在の話なのか過去の話なのか、とにかく目まぐるしく場面が変わる複雑な構成に吸い込まれ、頭をフル回転させながらじっくりと楽しませて頂きました。遅かれ早かれ人間誰もが経験することであろう“老い”の問題。当然自分自身が当事者となる“老い”もあるし、身内或いは他人の“老い”もあると思います。そのリアルでデリケートな問題をユーモアを交えながら描いている今回の作品はとても興味深く、場面場面によって様々な感情を抱きました。実際にこの問題に直面したとき、果たしてどのような行動を取ってしまうのか、想像すると恐ろしくもあり未知な部分もあり、、。毎日変わらず普通の生活を送れていることがどんなに幸せなことなのか、改めて実感させられたような気もします。ただ、実際に老い問題に遭遇しても決して悲観するだけではいけないと思いますし、きちんと呼吸して生きている以上は一人の人間として命を大事にして生きなければいけないという気持ちにもなりました。結局は何が正解で何が不正解なのかすら分からない。実に根深く難しい問題であるように感じます。。 父親役を演じる橋爪功さんを始めとするキャストの皆さん一人一人の好演が、物語をよりミステリアスな方向に仕上げていたと感じました。また、場面場面の点と点が終盤にかけて結び付いたときは鳥肌モノでした。もう一度観てみたいです。

  • 満足度★★★★

    CoRichの説明「記憶や時間が混迷していく父の視点で観客が物語を体験していく、という斬新な手法で描かれた哀しい喜劇」の通りの体験ができた。

    それ以外は老人問題最先端の日本に生きる我々には何も得るところはない。別に何か解決策を示唆しているわけでもないし。
    (追記:問題解決には役に立たないということで、演劇としては普通に楽しめました。)

    それよりも若村麻由美様の美しさを穴のあくほど見つめることができたことと橋爪功さんの老練な演技に間近で接することができたことが嬉しい。

  • 満足度★★★★

    父親の視点で物語を体験するためアルツハイマーの当事者の世界はこんなにも混迷していて不安定な恐怖に満ちた世界なのだと感じることができた。自分の見る世界を全否定されたら誰しも不安に感じるし恐怖するだろう。ある意味妄想を共有しながら各々が自分らしさを失わずに抑圧されることもなくに生きる世界を目指したいです。

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