The Light of Darkness 公演情報 The Light of Darkness」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    神経が集中する
    暗闇演劇は2度目であるが、何回観ても面白いと思わせる。前回は、長時間(2時間)暗闇が続くので、暗所恐怖症の方などはご遠慮下さいという注書が気になったが、今回は公演に集中できた。
    観えないことが当たり前なので、台詞や時々薄明かりになった時に観える演技が研ぎ澄まされた感じ。もちろん、描かれる内容も鋭く観応え十分である。
    前回も書いたが、これをDVD化しても面白味は伝わらない。実際劇場で体験するしかないのが残念であるが...。

    ネタバレBOX

    新潟県にあるリゾートマンションが舞台。舞台セットはむき出しの鉄パイプのような造作物。突然暗闇になって...。以降、セットは殆ど目にすることはない。
    3つの話がしだいに収斂し、最後には心温まるような大輪を咲かせるような物語。

     第1話。バブル期のマンションは売れ残り、住居者も疎ら。ゴーストタウンのようなマンションにいる売れない芸人の不安と焦燥。一方、その物件部屋を安く買い叩き、いずれ高額で売ろうとする強かさも垣間見える。2人の体外形に蛍光テープが貼られ、動きがコミカルに見える(ガイコツのよう?)。
     第2話。学校でイジメられ、屋上から自殺しようとしている学生と担任教師。校長は、学校はもちろん担任教師にも問題はなかったと(管理)責任回避。そして回り回って教師も自殺を図ろうとする。この2人の体の中心が光っており立ち位置(屋上と校庭か)が確認できる。
     第3話。既婚男性の妻と愛人との間で心が揺れ動く、というよりは優柔不断な態度が招く悲劇。愛人が癌になり妻が身を引くことにしたが、実は妻も末期癌で他界...その心情を知った男の号泣。この男が所持しているのが妻と出会った(スキー場)救命ロープが電飾に光る。

    光の位置が時間軸として描かれるようだ。この3話は過去、現在、未来という異なった時間軸にあるようだ。そして、これらの話は交錯し一つの話を紡いでいく。
    途中に男全裸の電光映像が紗幕(暗くてわかりにくいが)に映し出されるなど、大川興業らしい笑いも挿入されるが、全体的に深みのある内容で…。

    次回公演も楽しみにしております。

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