満足度★★★★
民俗学的な…
「九州の、とある山奥にひっそりと在る陸続きの孤島・美女都村」が舞台。昔から住んでいる村人と新しく移住してきた人の、その土地に伝わる因習をめぐるお話である。その因習というか風習はよく仄聞した内容だが、改めて芝居として見ると、あぁそうなんだと納得する局面もある。それだけ脚本が魅力的であり、それを上手く演出している。また、キャストはワンツーワークスの2人の女優はもちろん、各キャストが魅力ある人物を演じていた。その性格付け、役割が明確でわかり易い公演であった。しかし、その描いている内容はある種の問題提起をしており、見応え十分であった。
満足度★★★★★
”おこもり”と”へこおや”の因習
脚本が興味深く、舞台セットも十分な雰囲気醸し出していました。
役者も皆さすがと思わせる芝居でした。
まだ、どこかで表に出ない因習が残っていそうなそんな気持ちになりました。
ラスト前の揚場(あげば、関谷)、九(いちじく 、山下)、美女都出身でない妊娠中の沙織(さおり。松岡)の3者による沙織の夫の次郎の”へこおや”が受け入れられない気持ちのまま、最後に堕胎を口にしようとした時、長男の嫁でありながら子供ができない揚場が言った言葉と一滴の涙が零れるシーンは感動しました。(凄い!)
この場面だけでも観に来て良かったと思いました。
素晴らしかった。
満足度★★★★★
ならわし
チラシのデザイン、あのかたちっぽいなあと思ってたら、やっぱりそうだった。最後に並んだ女3人がエロチックかつ「厳粛」(←惚れ直しました)。現代日本ではこういうならわしは絶滅したと思いますが、同時に大切な何かも失われてしまったような気がします。
満足度★★★★★
まさかの題材
奇妙な村の掟を精巧に描写し、時には禍々しく表現する。
おどろおどろしい舞台美術、奇妙な風習をまじめに悩み苦しむ様を演じきる役者陣にすっかり引き込まれました。
満足度★★★
異世界のような日本の民俗
どこか柳田國男氏の学説を読んだような錯覚。
劇中、太鼓の祭囃子が懐かしくもあり、場面的には追い立てられているような気にもなり。
その場に居合わせた男。その出身の女、これからの夫婦。苦悩と葛藤と摩擦熱、もう少し話を詰めてくれれば良かった。女優さんたちが良かった。
約2時間。
満足度★★★★
なるほどのタイトル
「オコモリ」って何だ?それが部外者の疑問を解く形で、次第に観客に明らかになっていく。このとんでもない因習をめぐっての、登場人物の一人一人の距離感の違いが面白い。全否定するするわけにもいかないから、ああいう結末は説得力がある。
ワンツーワークスの舞台らしい演出と熊本弁がなじんでいた。難を言えば女優陣と男優陣に力量の差が見えたところだろうか。