満足度★★★★
行ってよかった!
実は青年団を観るのが初めてで、どんな雰囲気の作品なのかもなんの前情報も入れずに行ったのですが、大満足。
奥行きがあって明るい爽やかな舞台美術にも満足だし、役者さん・物語には言わずもがな大満足。
歌っちゃったりして一見にぎやかながらも底には暗い空気が漂っていて、どこかみんなギクシャクしていて、それでも必死に笑顔で終わる。作り笑いが似合う、そんな作品でした。
満足度★★★★★
アンビヴァレントな、、、オリザ
青年海外協力隊は善か偽善か。
政府の海外支援は、本当に援助なのか、企業ぐるみの第三世界支配(金儲け)の一環なのか、、、などに揺れる物語。
作品とその作者を重ねて見る観方はよくないと言われるが、
この作品においては、そのように観てしまった。
ここで揺れている主体は、青年海外協力隊であり、この戯曲を初演時に書いた桜美林大学の学生(つまり、現代の若者)であり、そして何より平田オリザ氏自身のように思えた。
アジア問題をはじめ社会批評的な作品を作りながら、
教育について言及・実践を重ね、政府系の権威的な役職にも付き、
一時は民主党政権で内閣官房参与を務めるなど、
政治的に賛否の別れる立場で振る舞い続けている平田オリザ氏。
ここで描かれているのは、彼の葛藤なのではないか。
それは、権力批判や資本主義批判をした瞬間に、その批判される対象に自分も重ならざるを得ない私たち観客自身の姿とも重なる。
(もっとも分り易い例で言えば、日本に住んでいるだけで、世界レベルの構造の中では、好む好まざるにかかわらず、不可避的に搾取する側になってしまっているということなどが挙げられる。)
また、近未来に日本が財政破綻することや、(TPP交渉などによって)農業が壊滅することなど、10年前に書かれた脚本なれど、初演当時より、今の方が物語の現実味を帯びてきている感じもする。そういう批評性も素晴らしい。
ただし、芝居としては、かつて見た青年団の作品と比べると、それほど刺激的とは思えなかった。
そのため、芝居の満足度は☆4ですが、やはりそこに平田氏自身の葛藤を感じるので☆5。
満足度★★★★★
勇気づけられる
青年団の芝居でこんなに笑ったの初めてかも、って位アットホームな観客席。笑いが多く、わかりやすく、でもとても深い。作中の登場人物達と同世代だからか、自分の事のように一人一人に共感してしまう。この国で生きる事のやるせなさ。日本が滅んでいく可能性。人が人を救う利他性への懐疑的な視点と希望を与えるような物語構成。一つの作品に出会う事が、多くの人の生き方を変える力を持つなぁと、力をもらうような傑作でした。
満足度★★★★★
若い力の演技を見せた120分
もともとは、平田オリザさんが、演劇コースのために書きおろした作品ですが、青年団の若手メンバーと、脇役のベテラン(志賀さんや、山内さんほか)の演技の融合がよかったし、何のために援助活動が停止するのか、人々の心理が若手メンバーのから、ベテラン俳優へのひとつのメッセージかも知れない、120分でした。