て 公演情報 」の観きた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 実演鑑賞

    令和7年2月2日14時公演

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    この後どうなるか全部わかってるのにどうしてこんなにも心が震え、乱されるのか。
    風景としては描かれてない時間、例えばお兄ちゃんが幼い頃おばあちゃんと過ごした時間とかそういう時が心身に傾れ込んでくる様で拭っても拭っても涙が止まらなかった。家族はなんて煩わしいのだろう。

    大倉孝二さん演じる兄が背負う渇ききった諦観、だけどその端にひとさじのさびしさがあって、それがちょっとした仕草、何気ない言葉から溢れ落ちるようで目が離せなかった。瞬きひとつの瞬間に時をまたいでいく川上友里さん、その母性の滲む眼差しに涙腺が決壊。あと、なんといっても岡本昌也さん。どこ切り取っても居心地の悪さや戸惑いや焦りを繊細に表現されていて、身体や瞳、振る舞いの雄弁さを痛感。アウトサイダーとしてある家族の軋轢のど真ん中に立ち会わざるをえなくなった状況が伝播してくるようで、彼と同じ地平から家族を見つめていました。
    ずっと忘れられない、さいごの『て』。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    再演を繰り返した作品らしいですが、自分は初見。
    アフタートークや直近にあったmaars inc.版の『夫婦』の帰りの会(岩井秀人さんゲスト回)でのお話を総合すると、再演を繰り返されることで、表現的にはマイルド(当時者から客観視へ)になっていったのかなって印象ですが。
    それでも個人的にはかなりしんどい観劇になりました。
    確かな演者陣と、演劇的な面白さで、相当に揺さぶられる観劇でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/12/21 (土) 19:00

    拝見できてよかった。

    重めの内容かと思ったら、いや重めではあるんだけどそれを軽やかにある種テクニカルにそして細やかに描いていて引き込まれた。笑うどころではない切実な話のはずなのに、本当に面白かった。以前の演出がどんなだったか観てみたくなった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2024/12/23 (月) 14:00

    座席1階

    ハイバイ20周年で、人気戯曲の再演。長男役の大倉孝二をはじめ、役者たちはそうそうたるメンバーだ。主宰の岩井秀人が自らの家族を描いた作品という。

    兄妹ら4兄弟が、祖母が認知症になったのをきっかけに実家に集まった。父親が結構暴力的だったといい、それぞれ家を出て実家には寄り付かなかったようだが、長女が家族の絆の再結成を目指して全員集合を企てた。はたして兄弟たちは集まったが、父親の過去の暴力について次男が強硬に迫り、父親は暴力などなかったかのように子どもたちの成長を喜ぶ発言を繰り返すなど、まったくかみ合わない会話劇が展開する。基本的にはバトルだ。実際にはこうだったのかもしれないが、もう少し兄弟たちそれぞれの個性が表れた会話劇があってもよかったと思う。このバトルを聞いていて、自分は恐ろしくてとても笑えなかった。
    面白かったのは、火葬場を描いたラストシーンである。本当にこういうことがあったとは思えないけれど、苛烈な家族の会話劇を最後に中和する役割を果たしているのではないか。

    演出はいたってシンプル。小劇場でならこれでいいのだろうが、本多劇場の舞台は比較的大きい。もう少し舞台美術を整えて、客席に実家の状況を感じさせるような演出でもよかったような気がする。

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