実演鑑賞
満足度★★★★★
ゲーム開発メーカーを舞台に、AIやVRなど現代の最先端の話題を存分に盛り込み、まるで新作である。心理学の分析やら、2・5次元病やら情報量が凄い。それを早口にまくしたて、次々に話題が変わっていく。そこにもう一つ、「ゴドーを待ちながら」がオマージュされて織り込まれる。このゴドーシーンは、二人が遊ぶ小道具が面白い。ドッジボールでボールがどんどん大きくなって行ったり、フラフープも巨大化し、ダーツ投げは客席にまで。これならゴドーもばかばかしいコメディとして笑える。
ダジャレも見事だし、コントの連続のような作り、一瞬すべてが精神病院の治療劇のようにどんでん返しするのは「日本人のへそ」のよう。また流行歌を織り込んだり、セリフを早口にまくしたてるのは、つかこうへいに似ているところもある。若さと才能の輝きを失わず、長いキャリアでさらに磨かれた、見事な処女作の再生だった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
オープニングから鳥肌。
言葉が見当たらず、とにかく舞台から溢れ出るエネルギーを浴びたと言う他ない。
次から次へと繰り出される時事ネタのスピード感に圧倒されるもラストの精神世界観に胸を締め付けられる。
実演鑑賞
おもちゃ会社「立花トーイ」の社員の世界、『ゴドーを待ちながら』の世界、そして哲学的な「私」をめぐる世界が次々に移り変わり、演じ分けられる。俳優の早いセリフと大きな動きと軽薄なやりとりで、文脈はつねにずらされ、遅延させられる。物語の核心にはいつまでたってもたどり着けない。あるいは、はじめからすでにたどり着いている? 新商品・メタライフは完成するのか、ゴドーはやってくるのか、そして私は、誰なのか?
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/14 (水) 19:00
80年代学生演劇と前世紀の小劇場演劇の熱量を令和のこの時代に全身で浴びれる芝居。動ける役者陣が圧倒的な台詞量を以て全力でふざけ、演じきっている。122分。