実演鑑賞
満足度★★★★★
これを逃せば機会は無いかな、と衝動的に(仕事のシフトが変わった事もあり)チケットを買って観に行った。
マーク役の日本人俳優に特に注目していた訳でもなく、舞台に貢献してくれてさえいれば、とメインは歌でドラマを感じたく序盤のステージを観た。20数年前の日本版は日本人俳優による日本語訳での上演の一部が動画にも上がっていたが、やや興ざめ・・というのは日本語を当てた楽曲は「別物」に聞こえる。耳に入る語感の響き方は勿論違うのだがそこではなく、「歌い方」に影響を及ぼす。歌がドラマを伝えるのに役の心情のニュアンスが「歌詞を体現した楽曲」だけに歌詞が「変わる」と心情にも影響が。
全編英語での上演は、字幕を追う作業で視覚的な集中に制約があったのは事実だが、やはりオリジナルのニュアンスは代えがたかった。
私は散々DVDで観ていたつもりだが、微妙に初耳なメロディーが聞こえたりもした。だが大筋流れは分かっているから観劇に支障はなく、むしろ展開を先取りして涙腺が緩んでしまって困った。
音楽のアレンジは若干DVD版と違っていたり、あとは役者の個性が幾分異なり、私としてはモーリーンのワンマンステージをどう演じるかが、中でも俳優の個性で随分違いそうだが、今回のキャストは(DVDの俳優と比べて申し訳ないが)モーリーンのチャーミングさとこの場面の意味がよく分かり、ドラマの成立を円滑にした。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/08/24 (土) 17:30
「no day but today」を聴いて、とても心に響いた。
舞台美術も雰囲気があり、良かった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
座席1階
感動的なのは、山本耕史の抜群の英語力だ。クリスタル・ケイはお父さんが米国人だからネイティブと言ってよいが、このミュージカルのために1年前から英語の準備を妻(堀北真希)と重ねてきたというから役者魂、ここまですごいのかという感じだ。その努力の甲斐あって、見事な舞台に仕上がっている。
ニューヨークで暮らす若者たち。rent(家賃)が払えず追い出されそうになっているところからこの表題がある。ウエストサイドストーリーの現代版というと少し趣は違うのだが、エイズに罹患しているが精一杯生きるカップル、貧乏だが映画監督の夢を追求してフィルムを回し続ける青年など、けして暗くはない、希望がその先に見えている若者たちの群像劇だ。
日本国内でもこれまで日本語版が上演されてきた名作だ。今回は主人公のマーク役を山本が務め、日米合作とうたっているが、ブロードウエイの役者たちに山本が飛び込んだというイメージさえある。
天井の高い東急シアターオーブの舞台をうまく使って、イーストビレッジの古びたアパートをうまく作ってある。全編ほとんどが楽曲で占めているという舞台だから、字幕を読まなくても十分に楽しめる。
歌唱力に定評のあるクリスタル・ケイもきっちり主役級を果たしていた。また、歌唱や身のこなしも山本ならではの切れの良さがある。お値段は高いけど、一見の価値はあろう。