妖話会 公演情報 妖話会」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-6件 / 6件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    確かな演技力、効果的な演出、見事な舞台でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    随分久々に訪れたプロトシアターだが、遊戯空間も暫く振りになる。三名によるリーディングにチェロ演奏が加わるが、チェロ奏者が開始、休憩、終了の挨拶をしていた。話者の読みは鬼気迫る風で、会場は禁忌な快楽を味わう秘密の会合めいている。
    遊戯空間では「サド侯爵夫人」(見逃した)から僅か一月後の上演だったが、この「妖話会」は加藤翠の企画で2019年から開催しているもので今回が三度目という。
    「妖」の名の通り、選ばれた三島由紀夫の両作品(30~40分程)とも妖な世界観を持つが、やはり遊戯空間らしく演出が光る。近代能楽集の演目「班女」は、狂女の花子(加藤翠)を紗幕の後ろ、調度品に囲まれた中央に置き、花子を家に住まわせる画家・実子(中村ひろみ)が上手、花子が思い続けている男性・吉雄(篠本賢一)が下手に台本を手に立つ三角形。休憩を挟んで「サーカス」は紗幕は除かれ、奥に篠本(サーカスの団長役及び他の男役の台詞)、「読み」の加藤・中村が手前の上下という三角形。
    住宅街の一角のひっそりと存在する空間での会合。「読み」にこだわる篠本氏ならではの構築力が今回も冴えていた。

    ネタバレBOX

    「班女」・・男を思って折々に駅に立つ花子の事をゴシップ記事に載せた新聞を手に、ほとんど呪いの形相で苛立つ実子の語りが冒頭。彼女は花子をモデルに描いた絵を世に出さない位に執心していて、花子の「想い人」が新聞を読んで訪ねて来はしまいかと恐れている。一計を案じ、実子は花子を旅行に誘うが断られ、ついに吉雄の訪問を受けてしまうのだが、、花子は訪ねて来た男の事を知らないと言い、男は肩を落として帰って行く。以前の日常が戻るが、狂気の女花子が胸にしまい続け、観念の領域に及んでしまった「恋」の虚しさと、ただその「美」に執着し花子を囲い込む実子の「勝利」の虚しさが谺する。

    「サーカス」・・こちらは戯曲ではなく地の文に時折、台詞が入る。開始早々始まるのは倒錯した団長の「趣味」の説明である。即ち彼は最も劇的な瞬間としての団員の出演中の「死」に焦がれている。観客の注視の中、出し物のクライマックスで、綱渡りの者が足を滑らせて落下し無惨な死を遂げる、といった・・。ある時団長が寝起きする天幕に何者かが忍び込んでいるのを見つけ、部下のP公に掴まえさせる。少年と少女の二人を見て団長は罰を与えるが、その目に何かを感じ、サーカスに雇い入れる事にする。少年に馬上曲芸、少女に綱渡りを仕込む。やがて団長が「その時」が近づいたと感じた頃、二人は逃亡を図る。だがこの度もP公に連れ戻され、そして「その時」を迎える事になる。もっとも事故を誘引する「仕込み」は蓋を開けるまで効を奏するか判らないのだが。。
    団長の心向きが二人の運命を決する残酷な現実と、その中に子ら(あるいは作者)が見出そうとする自由意思の余地との非対称性に目眩を起こすが、「死」に沸き立ち大いなる悲劇に涙する観衆たちを眺める団長の満足気な眼差しに、いつしか観客も同期させられているような、不思議な感覚に痺れた。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    タイトル通りの妖しい話。三島由紀夫の世界観、実にうなされますね。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    会場に響き渡る声…大迫力で、チェロの生演奏とともに、三島由紀夫の世界に引き込まれました。演劇を観ているかのような臨場感で、素晴らしかったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     流石は遊戯空間の作品、ベシミル!

    ネタバレBOX

     何れも三島由紀夫の作品で前者は近代能楽集のうちの一篇であり、後者は1945年2月10日、三島が入隊検査で肺浸潤を誤診され自宅に戻って直ぐ書かれた。この初校にあった‟キスシーン“が検閲に触れるおそれがあって『文藝』に持ち込まれた原稿は不採用となったという作品だが、敗戦後大蔵官僚となる頃改稿し発表された、と当パンの説明にある。
     何れにせよ、戦後の一時期、日本の文芸のみならず文化状況というものは、コマーシャリズムの頸城を逃れて作者の主張をラディカルに表現する熱気を持った。そのような時代の作品である。何れの作品も今回は朗読という上演形態を採っている。
     尚、実際の上演は「斑女」「サーカス」の順であり、何れも生のチェロ演奏が入るのは、流石に遊戯空間の品格を表す作品である。無論、演者のレベルは非常に高い。そもそも、朗読という表現法は演者各々に作品を読み込む力(作品の時代背景、登場人物各々の位置、その相互関係と価値観が各要素に絡まり合い生々流転する様、その時、登場人物に起こる心理的変化等の総てを演者自らの総ての神経と想像力の所産として声、呼吸、間、抑揚、更に身体感覚にまで落とし込んで為される表現であろう)本当に難しい表現形式なのだが、各演者各々がこれらの難題に果敢にチャレンジして果実を実らせている。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    実は三島由紀夫作品も読んだことなく伺ってしまいましたが、冒頭から迫力のある語り口、とても引き込まれました。情景が浮かぶ朗読で、役者さんの力量の確かさを感じました。とても良かったです。チェロの演奏も良かったです

この公演に関するtwitter

初日1週間前から「団体名」と「公演タイトル」を含むツイートを自動表示します。
(ツイート取得対象にするテキストは公演情報編集ページで設定できます。)

  1. 【三島リーディング 12月3,4日 有鄰館】 遊戯空間 妖話会 Stage03 三島由紀夫『班女』『サーカス』 たくさんのご来場、ありがとうございました。 スタッフのみなさん、関係者のみなさんに感謝🙇‍♀️ 篠本賢一さん、加… https://t.co/fUk0vcq9m7

    2年弱前

  2. 続き→ 話題の公演 5.0(2) 遊戯空間/妖話会~11/20まで 4.7(4) FREE(S)/プラネタジャッジR~11/20まで 4.6(11) SPIRAL MOON/触れただけ~11/20まで 4.5(2) ニ兎社/歌わせたい男たち~12/11まで

    2年弱前

このページのQRコードです。

拡大