満足度★★★★★
鈴木杏アニー/高畑充希ヘレンの呼ぶ『奇跡』!フレッシュさがストレートな感動を生む。
わずか3週間で起きた奇跡!
冒頭、回り舞台のセットを手さぐりで歩くヘレンに、
観ているほうもヘレンと同じ心境を味わう。
背景が真っ暗で、パイプやドアしかないセットは、
そのまま、手さぐりで物にぶつかるヘレンを表している。
何といっても主演の2人の若さ、フレッシュさ、
ストレートな体当たりの演技がよかった。
最近精力的に舞台出演を続ける鈴木杏さんは、
確実にステップアップしています。
今回もアニーを見事に演じています。
(ただアニーのイメージはもう少し細身かな^^;)
高畑充希さんの三重苦の様子、その中での感情表現も
よくやっていたと思います。
特に前述の冒頭のシーンが印象的でした。
最初のほうの、アニーが施設を旅立つときの子供たちとの
分かれのシーンは、短時間ながらいきなり泣ける名シーン。
施設の先生との強烈な皮肉めいたせりふのやりとりによって、
逆に親密さと愛情が本当に伝わってくる。
そして訪問した一家。
本来なら、厳格で厳しい雰囲気や、南部と北部の違いを
強調するべきなのかもしれませんが
B作さんをはじめ、家族はみな温かい普通の家族。
佐藤B作さんは、いくら厳しいことを言っていても
個性からくる優しさがにじみ出てくる。
七瀬なつみさんは、アニーとは時に信頼、時に友情、
しかし、ヘレンとの親密さへの嫉妬が入り混じっている。
他に、私がよくお見かけするのが、武藤晃子さん。
実に器用で明るくてさばけているけれど真面目な
一面が毎回感じられる素敵な女優さんです。
今回は子供役で盛りたててました。今後もチェックします!
そして、忘れてはいけないのが、ベルを演じたすみれ。
ラブラドールレトリバー=犬ですが、子供たちと
最初に舞台を綱なしで走って横切ったのにはびっくり。
よく調教されてるんですね。
後のほうの、おとなしくしゃがんでるシーンでは
2,3回起き上がって歩いて行きそうになって
杏ちゃんに押さえつけられてましたが。
さて、2列目右端の席だったので、井戸の真ん前でした。
井戸の下は格子になっていて、普通に水を出すときは
はねないようにできていますが、例のシーンでは
ウォーターが跳ねてきそうで迫力満点でした!
「ファイティング」の担当スタッフがいて、
殺陣のように指導している。
確かに暴れるヘレンを抑えるアニーの戦いには
必要かもしれない。
アクロバティックなアクションは、側転がうまかったり、
ときにコミカルだったりして笑いを誘いますが、
ちょっとあざといかも?
でも子供には受けていたからいいかな。
どこまでシリアスにするか、どこまで丸く収めるか、
障害者の表現にも気を使うだろうし、
気を遣いすぎてもいけないだろうし、
変にシニカルに作るわけにもいかない。
子供も観ることも考えないわけにはいかないでしょうし、
結局今回のように、いろいろ作り込みすぎずに、
ストレートに表現したのが正しかったと思いました。
満足度★★★★
前と比較すると。。
前回、田畑智子+石原さとみ版で観ましたが、
それと比較すると、作品全般にわたり
サリヴァン役(今回鈴木杏)に比重が大きく傾いてましたね。
ヘレンが脇役と思えなくもないくらいに。
演出上、構成上のこともあるので何とも言えませんが。
鈴木杏の存在感が突出していたのもあるでしょうけれど。
ヘレン役ですが、前回とと比べると、今回は迫力に欠けてた様な印象が
どうしても残ってしまっています。
まぁ、鈴木杏との力量差とも考えられなくもないですが・・・
あと、ヘレンの両親役ですが、
もう少し"南部"の雰囲気を作ってもらっていても良かったのでは?
ちょっと肩透かし食らった感が。。
で、時間構成ですが、長過ぎ。
休憩1回にしてトータル2.5時間になれば
バランスとれたと思うんですがね。
休憩2回、3.5時間は長い。
満足度★★★★★
犬まで名演技でした
今まで何回となく上演されたのに、何故か今回が初見。
名舞台だと聞いていたのに、行かなかったのは、きっと役者さんの演技が想定できたからかなと自己分析。
今回は、予想できない新鮮な配役だったから、観たい衝動が湧いて、行ってみました。
あんなに長時間の芝居とは思っていなかったから、ちょっと意外でしたが、その割には全然長さを感じさせられなかったし、最後の場面は百も承知にも関わらず、やっぱり、目がウルウル!
他を観ていないから、比較できないけれど、もしかしたら、この二人、ベストキャストなのでは?
健気なワンちゃんの名演にも、感涙でした。
最初のヘレンの発病場面やサリバンの盲学校の場面等は、なくてもよいのではと思いましたが、とにかく若い二人の体当たり演技が清々しくて、これからも、ずっと上演し続けてほしい作品だなと、強く思いました。
満足度★★★★
役者の力を感じました
気になる点がいろいろあったものの、ラストシーンの役者の演技がそれらを吹き飛ばしてくれました。
「感動させにくる」とわかっているのに感動させられる。
あれは完全に演出とかよりも役者の力だと思います。