満足度★
演劇表現を否定あるいは放棄する行為
本当にストレートでわかりやすく、ド真ん中の直球どころか「棒球」か「バッティングピッチャーの球」くらいにひねりも何もなく、味気ないほど。
なので映画レベルの予算と技術をそそぎ込んだというボクシングシーンに一縷の望みをかけていたら、最初と終盤の各2ラウンドのみ舞台上のライブアクションで、途中は新木場1st RING で撮影した映像。それは確かに「映画レベルの予算」が必要でしょう。(苦笑)
そしてその費用はチケット代に上乗せなワケで。(タメイキ)
6月の『帰って来た蛍』での映像は確かに意義があったが、今回のような映像使用は演劇表現の可能性を自ら否定あるいは放棄する行為…と言うか自ら技量の無さを晒す愚行。舞台表現で持て余すのなら映画でやればイイ。(怒)
ストーリー面でも試合を終えた直後にボクサーが意識を失ったのにドクターを呼ぼうとしないなど非常識にも程がある。仮に真っ白に燃え尽きた矢吹丈を真似したかったのだとしたら、動かない主人公を見せてスッパリ切るべきで、引退のテンカウントを婚約者に打たせる場面は蛇足…どころかナンセンスの極み。(タイトルがタイトルだけに切れないのだろうが)
星は出合正幸の鍛え上げられた肉体のみに捧げる。(本当はその分を考慮してもマイナスくらいなのだが…)