満足度★★★★
鑑賞日2018/12/23 (日) 14:00
座席1階A列12番
『ジョルジュ』
いかにもアメリカ的なショービシネス感漂う『アメリカン・ラプソディ』に比して、こちらはロマン溢れる19世紀のフランスを中心にした話。背景には、ロシアのポーランド支配や、フランスの2月革命が描かれますし、手紙に出てくる人名も、ドラクロア、リスト、バルザックと豪華。
ショパンとサンドの恋愛模様を、格調高く描きます。
ショパン国際ピアノコンクールで4位入賞の関本昌平氏は、まさにセリフのないショパン役。さすがに技巧的で難度の高いショパンの曲を、まあ呆れるほど華麗に演奏します。
(ネタバレ)
鍵盤側に座っている千葉哲也氏は演奏中に、彼の名演に見惚れていますし、反対で聞き惚れる竹下景子氏は、その視線が時として恋人に、時として母親に変化します。
ショパンって、意識して聞いたことはないのですが、聞いてみるとタイトルを知らなかっただけで、どの曲も聞き覚えのある曲ばかりで、知らないうちに多くの洗礼を浴びていることに少なからず驚きました。
ちなみに、サンドの手紙の中では「ショパン」と「ショペーン」(おそらく、フランス読みとポーランド読みなのだろうけれど)を併用していたのはなぜかしら?
満足度★★★★
鑑賞日2018/12/21 (金) 14:00
座席1階A列16番
ガーシュインもショパンも共に39歳で亡くなった。それが、この連作のきっかけなのかしらん。
『アメリカン・ラプソディ』『ジョルジュ』共に、往復書簡を読み上げて、それぞれの音楽家の生涯を作曲した音楽順で演奏する音楽劇。ただ、タイトルでは、前者がまさにガーシュイン自身を象徴しているのに対して、後者はショパンの創作意欲を最大に引き出したジョルジュ・サンドがタイトルになっている。
また、前者では語り手である土居裕子氏と福井晶一氏が、共に声楽家であることから、素晴らしい歌声を聞かせてくれます。後者では、生粋の役者2人が、その舞台衣装を含め、舞台の登壇、降壇を含め細かい演出含みで、情感豊かな演技を見せてくれます。
『アメリカン・ラプソディ』
女性作曲家ケイ・スウィフトと、
ヴァイオリニストのヤッシャ・ハイフェッツが語りを入れます。
必ずしも当時、常に名声と共にあったわけではなかったガーシュインの苦悩を含め、
2人の語りが彼の創作の源泉を浮かび上がらせます。
「巴里のアメリカ人」や「ボギーとベス」が、現在の評価に反し、かなり酷評されたとは意外でした。元の題名「アメリカン・ラプソディ」が、「ラプソディ・イン・ブルー」に変わった経緯も納得しました。
「アメリカン・ラプソディ」とは、ガーシュイン自身の形用がふさわしいです。
「サマータイム」を聞いた時には、目頭が熱くなってしまいました。
満足度★★★★
ピアノの演奏もあるので楽しみに行ってきました。演奏ももちろんですが、往復書簡というかたちでの朗読は素晴らしかったです。そして、とても久しぶりに千葉哲也の舞台でしたが、ああ〜私はこの役者が好きなのだなあとしみじみ感じました。