観客を完璧に無視しているという点において、ひとつの極北。青年団出身の劇団は数多くあれ、まるで観客たる「私」がここに存在していないかのような感覚を味わえるのは平田オリザ演出のみではないか。叫びが舞台にまったく向かってこないあの感じ。演劇がはじまるときにある種の恥ずかしさを僕は普段感じるタチなのだが、青年団にはその恥ずかしさがないのは、この「無視」が関わっているように思う。
満足度★★★★
蠱惑的な劇空間になっていた。もう一度観たいと思ったが一週間前には完売。青年団(関係の公演)としては早い方ではないだろうか。
青年団の舞台にありがちな幾つかの特徴がない。例えば最後に伴奏無しで歌をうたったり、つまらない駄洒落を言ったり(いやこれはあったか)。
時代設定は「既に政治運動の時代ではない」とだけは判るが、実際に革命を目指す「運動」がまだ残っている、となると1980年代かせいぜい90年代か、と思うがそのあたりは架空設定であっても良いように思う。
舞台装置が良い。いつもとステージを逆にしたのも良いが、アパートの四畳半の部屋でなく、カモフラージュなのか瀟洒なマンションの一室といった風も良い。一番はこの場に流れている空気、思想が絶妙な具合に「有り」と思われるように作られていること。「革命」の大義を「利用」したり、逆に言葉に絡め取られている様もみられるが、中心的な論争になるテーマが「運動」の問題を突いていて、抗議する側の正当さに対してやり込めようとする側の欺瞞がみえても一方的に悪として描いていないこと。
・・登場人物全ての問題が解消していくウェルメイドではないが、登場人物全てによって「一つの正解に集約されない」ことが結果的に示されている事、それがこの舞台の成果であり魅力。もう一度観たいと思わせた青年団久々のヒット?(再演だけど)
満足度★★★★
鑑賞日2017/04/26 (水) 19:30
現代口語本家というイメージで観に行ってみました。以外とデフォルメされてるんだなというのが印象でした。何故かな?どこかな?と振り返ってみると、今、働き方改革とかダイバーシティとかプライベート重視求人とか、意外と組織の縛りが緩くなって来ているせいか、組織から派生する記号的なコミュニケーションが減ってきているんだと気づきました。
そのせいか、かつての世代では「いるいる」的なキャラクターもレトロな感じに見えてしまったのかもしれません。
ただ逆に個のぶつかり合いみたいな部分は十分な説得力を持っていて、なかなか見応えがありました。
もうちょっと役割的なデフォルメを緩めて、個と個のぶつかり合いや起きていることを真摯に掘り下げた部分が増えてくると、もっと印象が変わっていたと思います。
いずれにせよ組織と個人の関係においての現実社会と作劇、組織が個を必要とするのかそれともその逆か、などなどとても豊かな気づきの時間になりました。
満足度★★★★
純粋に明快に面白いお芝居だった
普段観ている小劇場系の作品よりマクロな視点で人生における感情といった物が軸にある気がした
それにしても組織であることを一般人から隠そうとする所とか、ちょっとひねるとシチュエーションコメディの良いネタになりそうだ
満足度★★★
鑑賞日2018/04/21 (土) 14:00
価格2,500円
一軒家のリビングルームをモチーフした部屋が舞台。どのように革命を起こすかの一部始終をゆるめだが、後半は、過酷な会話もある構成で、夫婦、活動家、訪問する客など若い演劇人のゆるゆるや過酷な表現がよかった、90分でした。
満足度★★★
鑑賞日2018/04/17 (火) 19:30
時代に合わない芝居だった。2012年に初演だったというが、そのときには時代に合っていたのだろうか。世界同時革命を目指す過激派が、平凡な市民と偽って暮らす家に、テロの相談に集まるが、さまざまな人間関係や、隣人が邪魔になって話が全く進まない様子を描く。パンフレットでの平田オリザの発言を読むと、革命の話というより組織(の腐敗)の話を描いたという。そこは確かに描けているが、あまりにリアリティがないのは惜しい。唯一、坊薗初菜が各名論の演説をする部分は、古いタイプの活動家らしい印象が出ていた。
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青年団・こまばアゴラ演劇学校"無隣館" 『革命日記』 AB両チーム全21ステージ、無事終了しました。すごいスピードで毎日が過ぎていきました、ありがとうございました。無隣館での2年目がはじまります https://t.co/LfSrbHZW9d
6年以上前
無隣館『革命日記』全ステージ終演しました。連日の大入り、ありがとうございました。「演劇と生活する」ということ、「面白い演劇をする」ということ、どちらもできてよかったです。いつもは終わった後の虚無感があるのですが、今回は満腹感がありました。満足ではなく、満腹。
6年以上前
トーマス・オスターマイアー演出『民衆の敵』 先週、青年団・無隣館『革命日記』で現代の日本で革命を起こそうとする活動家達を観て、今日イプセンが1882年に書いた『民衆の敵』で「革命では何も変えられない」との台詞を聞く。2008年に改… https://t.co/72XlxjjogK
6年以上前
青年団+無隣館『革命日記』観ました。非常にミニマム。なのに、いや、だからこそ、数え切れない問題がある。固い集団と脆い個人の、ポロポロ欠け落ちていく感じがとっても良かったです。それでも離れることのない家族の存在が、輝かしくも、恐ろしくも感じました。面白かったです。
6年以上前
無隣館『革命日記』千秋楽です。洗濯して、掃除して、朝ごはん食べて、臨みます。
6年以上前
下北沢で古着屋回って、オシャレなカフェ入って、世田谷区歩いて、駒場いってからの、青年団! 今日行った友達は、演劇初で、高校演劇とか関係ない大学からの友達だったから、面白いって言ってくれてよかった さすが青年団、革命日記すごい面白か… https://t.co/e4Em6SkQuQ
6年以上前
東京観劇巡り 2本目 青年団/革命日記 昼の2時からの観劇でしたが、うーん、時間が.......ちょいと眠くなりました。 怒号など、大きな声を出す演技は大概、何言ってるか分からなくなるのですが、出演していたキャストは大きな声で… https://t.co/x74vRYeAYt
6年以上前
青年団『革命日記』@アゴラ。俳優は巧みな人が多くて感心。ただ女優たちの発話する反封建主義的なセリフが、超マッチョな男性に洗脳されて言わされてる感に満ちてたりもして、とにかく女性の描き方が私にはしんどかった。そういう洗脳が革命集団には必須だから、演出意図かもしれないけど。でもなぁ。
6年以上前
Aチーム千秋楽。今日もたくさんのご来場ありがとうございました。まとめを更新しました。「青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”『革命日記』感想まとめ」 https://t.co/hJaAYcTMrS
6年以上前
昨日は無隣館『革命日記』を拝見。この作品は初見だなぁ。オモロイなぁ。ダブルキャストってわしは余りやったことないなぁ。 で、今日は愛ちゃんに会うの忘れました。なんてこったぃ。
6年以上前
青年団無隣館『革命日記』Bチーム拝見しました!めっちゃ面白かった…こわかった…!!恐怖が興味になってもう少し知りたくなった。日常、にちじょう、この人たちの日常は?と帰り道すれ違う人たちをみた。西荻の居酒屋寄って店員さんがベトナム出… https://t.co/rzZ5JrDas1
6年以上前
無隣館「革命日記」、わたし、静かに涙が流れてきてて、 あと、なんでだか、ふと、こないだ出会ったこの言葉、朝日新聞の、折々の言葉の、この言葉を、思った。 「露店が並ぶ中、真っ先に眼についたのは、朝日を浴びて光っているフライパン。大事… https://t.co/cWiVeHNQQ1
6年以上前
青年団「革命日記」観てきた。 吉田庸さんがめちゃくちゃ上手くて、わースゲーなとずっと観ていた。 そして、知り合いの外桂士朗氏がスゲー上手くなってて観ながら震えた。 行けて良かった。
6年以上前
青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”『革命日記』。かなり前に同名の公演を観ている。青年団の俳優らしくない、口角泡を飛ばした直情的な演技。地下アジト的な閉塞感のある舞台空間。これらが、左派集団の異常性を強く印象付けた。今回の公演で受けた印象はそれとは逆。
6年以上前
青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”『革命日記』Aチーム 以下の回につきまして、オンライン・お電話での劇場支援会員の予約受付を終了いたしました。 4月29日(日)14:00 A https://t.co/wXoaV3H8LI
6年以上前
無隣館『革命日記』Bチーム、昔見たことがあって、その時は(先生に怒られてる時間がずっと続くようだ…)と思っていたが、今見ると人物間のパワーバランスの推移などが見えて、楽しみ方が分かってきた感じがした。後半中心になる人物の性別が女になっていて、それが展開の意味を変化させていた。
6年以上前
無隣館「革命日記」駒場アゴラ劇場 ほんっとに見てよかった。 もうちょっとがんばろうかなと思えた。 この感覚が久しぶりで嬉しい。 作品を全然語れないけれど、とにかく、自由で、楽しんでいる役者さんたちを観て、演劇の楽しさを思い出した。
6年以上前
青年団「革命日記」をアゴラ劇場にて観劇。面白かったです。町内会の雑用、恋愛に関するやっかみ、無意味なマウントの取り合いに終始する、言う事だけは大きい革命家たちの飲み会。革命を目指すプロ市民と、夢を語る自称プロな小劇場劇団員達の姿が… https://t.co/UpNzARmrb6
6年以上前
無隣館『革命日記』のAチームとBチーム、無隣館の公演は2015年に『南へ』から見てて、翌年『カガクするココロ』と『北限の猿』を観て、『南へ』も2チームだったけど当時は会員ではなくてどちらかだけで、去年の『南島俘虜記』は3チームだけ… https://t.co/tZh0R6L0tG
6年以上前
青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館” 『革命日記』 超満員、超面白かった。 笑いと涙が同時に出ました、なんだこれは。
6年以上前
無隣館『革命日記』ついに、残りの回が全て予約完売となりました! アゴラ支援会員はもう少しだけ枠があるそうです。 当日券は今のところ毎ステージ発券するようです。 観たかった方、諦めずに当日券を狙っていただけると嬉しいです! https://t.co/woFCXK5HUG
6年以上前
まとめを更新しました。当日券情報は青年団のアカウントで当日ごとにお知らせします。「青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”『革命日記』感想まとめ」 https://t.co/hJaAYdbnQs
6年以上前
青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”『革命日記』Bチーム 以下の回につきまして、オンラインでの劇場支援会員の予約受付を終了いたしました。 4月27日(金)19:30 B お電話のみ若干枚数承っております。 どうぞお早めにお申… https://t.co/hB2HNrDleA
6年以上前
昨日は無隣館『革命日記』Aチームを観た。 ただ残念な事に、隣の席のおじさんが本番中に飴を袋から取り出し、音を立てながら食べるという事を何度も繰り返したため、あまり集中して観られなかった… ただ、面白そうな俳優がたくさんいたので、こ… https://t.co/cDtuZJhto4
6年以上前
無隣館『革命日記』を観た
6年以上前
無隣館「革命日記」A、冒頭寝そべっている方はどこかで観たと思ったら、どらま館で一人芝居をやっていた方だった。革命の時代が描かれていた暗愚小伝とか大杉栄と違って、現代のブルジョワのマンションの一室という装置は革命から革命を引き算して残された個人と個人間の関係性だけが残る。
6年以上前
無隣館『革命日記』を観た。闘争か生活か。革命に燃える思想家たちもどんなに威勢の良い言葉を並べたところで、一枚皮を剥げば陳腐な男女の痴情のもつれがあり、頭の痛いご近所付き合いがある。その落差が、人間のおかしみを炙り出した。子を捨ててでも母がしがみついた理想とは何だったのだろうか。
6年以上前
昨日は無隣館、革命日記を観劇してきました!題材が社会変革、少しお堅いお話かな?と思っていたのですが、スッとストーリーにのれて見入りました!性格が濃い来訪者面白かったです!革命者たちの日々をストンと切り取ったお話。なんだかゾクリとくるものがありました。
6年以上前
青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”『革命日記』Bチームまとめ2 以下の回につきまして、オンラインでの劇場支援会員の予約受付を終了いたしました。 4月 29日(日)18:00 お電話のみ若干枚数承っております。 どうぞお早めにお… https://t.co/FDP1ljhsW4
6年以上前
青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”『革命日記』Bチームまとめ1 以下の回につきまして、オンライン、お電話共に劇場支援会員の予約受付を終了いたしました。 4月 26日(木)14:00 28日(土)18:00 30日(月・祝)14… https://t.co/8tE7GXBXiZ
6年以上前
青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”『革命日記』Aチーム 以下の回につきまして、オンラインでの劇場支援会員の予約受付を終了いたしました。 4月 26日(木)19:30 28日(土)14:00 29日(日)14:00 お電話のみ若… https://t.co/FFe4JPLVuP
6年以上前
青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”『革命日記』 https://t.co/Y5eLlCprKG Bチーム観劇〜!飯田一期さんと和田華子さん。同じ役者がAB違う役柄を演じる試み。役者が変わると全体の雰囲気がまったく異なり、違う… https://t.co/tS4yrVbgEa
6年以上前
青年団・無隣館「革命日記」AチームBチーム両方見て個人的にはAチームの方が一つの劇としてまとまりがあって好きでした。Bチームは個人芸に走ってるように見えたのはAを先に観たからかな。個人的なポテンシャルにすぐれた俳優さんはどらにもい… https://t.co/wYEpHndTRb
6年以上前
無隣館『革命日記』観劇。時代を現代に設定することで革命組織がもはや成立しないことを見せてるように感じたが、なんだか紛然とした印象。町内会の役割には躊躇し、革命の大義には絵空事でも命賭ける…そのアンバランスさに、オリザさんは皮肉って… https://t.co/6Bi6dtuQUM
6年以上前
青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”『革命日記』 以下の回につきまして、オンラインの劇場支援会員の予約受付を終了いたしました。 4/24(火)19:30 A 4/26(木)14:00 B 4/29(日)18:00 B お電話のみ… https://t.co/nPjyGii7Tj
6年以上前
色々もやもやと考える事がありますがまもなく開場、開演です。無隣館「革命日記」今日で6ステージ目。折り返しです。
6年以上前
【観劇三昧下北沢店】 涼しくて過ごしやすい下北沢♬ 本日は、劇団おおたけ産業が千穐楽!! そして、J-Theaterが初日を迎えます! こまばアゴラ劇場では、青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”「革命日記」が上演中☆ 店内のレイ… https://t.co/oSNV5urYGH
6年以上前
駒場東大前で、青年団・こまばアゴラ演劇学校“無隣館”「革命日記」(Aチーム)。過去に観た本公演とは印象が異なるなぁ。隣人やシンパの人達は、あんな漫画みたいなキャラだったっけ?千葉を中心としたバトルに痺れる。
6年以上前
青年団・無隣館『革命日記』Bチーム。そういう点で平田戯曲の中では精度が高くない作品なのかもしれない。しかしそれを補って余りある魅力があるし、10年間で3回目の上演なのだから一般的な人気もあるのだろう。またいつか違う座組で見てみたい。
6年以上前
青年団・無隣館『革命日記』Bチーム。そしてこれは携帯が無い時代の話なのかと思いきや、終盤にiPhoneが出てくる。だったら一般人が帰ったらすぐ各人の携帯に電話して「戻って来ていいぞ」とか言うだろう。どうもこの辺の設定が粗雑だ。
6年以上前