満足度★★★★
祭りの前後の昂揚と寂寥感を取り入れて
「関東のとある漁師町」(当日パンフまま)での夏祭りの夕方から夜にかけて船大工工場の土間で繰り広げられる人間模様。祭りを前にして昂揚した雰囲気から祭りの後の寂寥感までが物語の進行にうまく取り入れられていて、また、いかにも「関東近郊の田舎の家族・親戚とその周辺の人たち」という感じの会話がリアルで引き込まれる。
満足度★★★
線香花火のような芝居
観終わったあと、ほっこりとやさしい気分になれた。それぞれの俳優が描いた人物達が、ふんわりと胸に残る感じ。
家族だったり、大人同士だったり、お互い照れて口に出せないような思いや言葉。そうした大人の情感を、とても丁寧に描いた脚本、演出だった。
また、ベテランから、中堅、若手としっかりと世代を意識したキャスティングはとても素晴らしく、すんなり世界観の中に入り込む事が出来た。
母親を演じていた劇団民藝の別府康子さんを観ながら、田舎にいる年老いた自分の母を、思い浮かべてみたり…。
打ち上げ花火のような派手さはないけど、線香花火を静かに家族で楽しむような、しっとりとした大人の芝居だったと思う。
さて恒例の気になった俳優シリーズだが、まずは今村有希。主人公の妹で、要所要所でストーリー展開のキーマンとなっている役どころを丁寧に演じていた。
台本上の設定は分からないのだが、彼女の年齢そのままの役っぽくて、新鮮な感じだった。
彼女のお姉さんの主人公を演じていた、ふるたこうこさんとのバランスもとても良くて、安心してみられた感じ(笑)。
彼女の演技の幅が、また一つ広がったなと思う。
そしてもうひとかたは、モダンスイマーズの古山憲太郎さん。とてもカッコ良かった。なんというか重ねた年齢をきちんと演技に載せられている感じ。大人が抱えるめんどくさい複雑な感情を、うまく殺しながらも、その感情をちゃんと観ている人が感じられるような芝居をされていた。
今後の活動をチェックしていきたいと思った。
そしてもう一人、笹峯あいさん。彼女が演じた独特のキャラクターはとても魅力的で、大笑いさせられた。
彼女の今後の活動もチェックさせて頂こうと思った。
私の劇団も作家がいない劇団。この「熱帯倶楽部」の芝居の作り方には、かなり興味が湧いた。
特に今回のキャスティング。役どころとして年齢的にかなり幅があるキャスティングを、説得力のある俳優さんでまとめている事に、とても感心させられた。当たり前といえば当たり前の事だが、様々な条件の中で、様々な年齢のキャストをキャスティングするのは、実はかなり大変な事。
このユニットの、今後の活動に注目したいと思う。
満足度★★★
しんみり家族愛
熱帯倶楽部さんは前回「デンキ島」に続いて二度目の観劇。
上手に書けないけど、
家族や家族的な関係に対する表面的な感情と根底にある愛情、
それでも避けられない現実を、いろんな形で交差させたお話。
2時間、静かなお芝居が続きますが、演出と役者さんチカラ、
不思議と退屈することなく、自然と彼らの気持ちを追うように
観ることができました。じんわりしんみり。
デンキにも通じる「親子愛」、このあたりの戯曲を選ぶのは
熱帯さんが得意とする分野なんでしょうね。さすがです。