満足度★★★
音楽で言えば Dub-Mix
音楽に重点を置いたために台詞が聞き取りにくい部分があるなんざ序の口、現代の男女の別れ話が時折挟まれていたり、1つのシークエンスを同時多発的に4組くらいで演じ、しかもそれは群読のように揃っているのではなく意図的にタイミングをズラすことでエコーのような効果を生み出す「言葉のフーガ」あるいは「言葉のカノン」とでも呼ぶべき手法で演じられたり、新旧様々な実験的手法を盛り込んだ、音楽で言えば Dub-Mix、造語で言えば「コラージュ演劇」(?)な一方、原典に忠実で衣装が現代風でもちゃんと作品の世界観を表現しているし(文語調の台詞によることもあるか?)、天守夫人・豊姫を男性が演じていても歌舞伎的感覚で違和感がないし、など比較的ベーシックな演出もあり、事前に原作戯曲を読んだ身にとっては面白い。
決して初心者には薦められないが、コアな演劇ファンが原典を予習した上で観るには面白いのでは?
満足度★★★
生・万華鏡
言葉と声がきれいな模様を描いて散らばっておりました。
生・万華鏡。
万華鏡であるがゆえに、いつまでも続いてくれていいし、
いつ終わってくれてもよい。
舞台上にごろ寝しながら観たかったかも。
Aメロ ⇒ Bメロ ⇒ サビというありきたりな展開ではなく、
テクノ的な発想で創られているのが興味深かった。
声に特徴がある俳優が多く、さらりと喋るだけで
鮮やかにステージが彩色される。そこも素敵だった。
値段相応のクオリティーを誇っていたが、
脚本なり演出なり役者なり美術なり、圧倒的なもの
は特になかった。
舞台上に散らす万華鏡なら、維新派のほうが上手だ。