ある犯罪者の遺言 公演情報 ある犯罪者の遺言」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/04/06 (木) 14:00

    価格1,800円

    某有名作品の女性版的でその作品と対を成すとも言える中心部分とタイトルの意味が判明しメッセージが示されるラストが上出来で、「それを芝居で演りますか!?」な仕掛けが芝居本編に対しては両刃の剣で微妙(賛否両論かも?)ながら芝居構造という部分に考えを巡らせるとメチャ面白い。

    ※初日初回の実測上演時間は72分余

    ネタバレBOX

    想起したのは「ウインズ・オブ・ゴッド」。両編ともに現代の若者2人が戦時体験をするのが中心だが、あちらは特攻隊員、こちらは「銃後」の一般女性であるので「対を成す」と。

    映画やドラマを見ていた人物がその世界に入り込むのは「現実では起こり得ないこと」なのに対して本編は上演中の芝居に入り込むワケで、これは(櫂スタジオなどの小さな会場では特に)「やろうと思えばできてしまう」ことなのが微妙。
    で、そうして客席にいた2人が入り込んだのは趣旨的には(劇中劇の元となった)過去なのだろうが、「劇中劇に入り込んだ」という誤解・曲解もできてしまうのでその微妙さに輪をかけることに。

    なので、芝居の趣旨との関係で言えばどちらかと言えば減点要素なのだが、芝居構造について考えてみると実に面白く、本編を観ながら同時にそのことにも考えを巡らすことに……(爆)
    思うに一般的なメタフィクションが劇中現実と劇中劇の二層構造であるのに対して本作はさらに一層(=劇中劇の元となった過去の事実)加わった三層構造で、劇中劇(中間層)を超えて一気に過去に跳ぶのが独特なのではないか?
    (そう言えばかつて観た劇団SEINの「孤哀子」も三層構造で層を進んで行くのは一層ずつ順だったのがラストで中間層を飛び越して一気に劇中現実に戻るのでインパクトがあったな、などと思い出したりも)

    ということで、評価に迷ってしまったりもするのだが、少なくとも個人的には大いに楽しめた。←おい

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