幕末純情伝 公演情報 幕末純情伝」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.8
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★

    つかワールド満載!
    戯曲のベースは残しつつ、出演する俳優や時代によって、台詞や物語が変化していくのは、つかさんの芝居の魅力の一つ。

    政治や社会が弱いものに対し、圧迫を強いる構造がまかり通るこの時代に、あえて「幕末純情伝」をつかさんが自ら演出する事の意味を勘ぐってしまう。

    石原さとみさん、真琴つばささんを主演に据えた、今回の公演がどうなるのか、本当に楽しみに劇場に足を運んだ。

    幕が上がる直前まで、ワクワクして、血がかゆくなるような感触。

    いざ幕が上がった瞬間、私はあっという間につかワールドへと引き込まれた。

    歌有り、ダンス有り、殺陣有りと、俳優達を徹底的に魅せようという演出は、私にとってはとても心地よかった。

    石原さとみさんのエロいシーンばかり、マスコミで取り上げられているが、そうしたシーンは確かに良かったのだが(笑)、それ以外にも彼女がよい演技をしているシーンは結構あった。

    そしてこの芝居には、つかさんのメッセージが至る所にあふれていた。幕末という時代から、明治維新、そして現代と、俳優達の台詞は次から次へと時間軸を飛び越えている。

    単なる幕末モノだと思って、ゆらり劇場に足を運んだら大変な事になる(笑)。

    しかし、そこに一本の線として描かれているメッセージは明確だと思った。

    そのメッセージとは…

    ネタバレBOX

    今回上演された「幕末純情伝」は、良くも悪くも、つかさんらしい作品だった。なんだか80年代の小劇場な感じ(笑)。



    つかさんの芝居は、過激で過剰な人情劇だと思う。ひどく攻撃的な台詞を機関銃のように浴びせられる事を、必ずしも良しとしない人は多いのかも知れない。

    今回の公演では、様々な演劇レビューのサイトで、批判的な意見が多く投稿されている。

    だけど私は、この芝居がとても温かく、優しく、心に響いてきた。

    もちろん一部の俳優の滑舌の悪さだとか、ダンスのつたなさとか、私だって「うーん、どうだろう」と思う点はままあった。

    だけど分からないなら、それでいいのだと思う。この芝居の良さを感じられたのが、万が一私一人であったとしても(笑)、それはそれで良いと思った。

    私にとってこの作「幕末純情伝」は珠玉のエンターテイメントな作品だった。

    ラスト近く、なぜ子どもが欲しいかと、真琴つばささん演じる坂本龍馬に問われて、石原さとみさん演じる沖田が答えるシーンがある。

    私はそのシーンがたまらなく好きだ。

    お年寄りが信号渡るまで手を引いてあげられる子どもに育てたいと思ったんだよ。立派な人間にならなくていいんだよ。ただそういうことが出来る子どもがいなきゃ日本がだめになると思ったんだよ。
    (戯曲&小説「幕末純情伝」つかこうへい/著 販売:トレンドシェアより)

    私は間違いなくこの芝居を観て、勇気や元気を貰った。

    さて最後に、この私が感じた「幕末純情伝」で、一本の線として描かれているメッセージとは…。

    それは、男と女の愛情のすばらしさだ。
  • 満足度★★★

    色香と刀
    色んなバージョンの幕末純情伝を観てきましたが、今迄のと同じタイトルのものだと思わなければよしという感じでした。
    今迄で一番重い(=メッセージ度が高い)幕末〜だったかと。

    しかし坂本龍馬の出番があんまりないのがちょっともったいない・・。
    あと劇場のカラーなのか(毎日新聞からもらった? 有料の引換券を持った老夫婦がちらほら)、客層が「あれ?」という感じだったので客の集中がいまいちで気を揉んでしまった・・・。男同士でちちくりあっているシーンやその他諸々のアレなシーンを、この老夫婦達がどんな気持ちで観ていたのか・・。

    つかさんの言いたい事はいい意味でかわってないし、不幸な人生の表現がものすごいところも(私にとっては)一周して面白いです。
    沖田総司の殺陣を色っぽくするところなどもスキです。

    が、なんかいつもの「耳つぶれるよ!!」っていうくらいうるさい効果音(殴り音)がちょっとひかえめで物足らなかったかな・・。
    あと、女優さん二人は華やかなはずなのに・・・いつもの脇キャラのチンピラ人口が少ない気がして寂しい・・。
    土方歳三がああいうキャラなのも新鮮だったけど、やっぱりチンピラに近いほうがいいなあ。

    ラストのダンスでやっと期待していたものが観れたような気もします。つかさんの、役者を魅せる演出も大好きなので。

    ネタバレBOX

    女の坂本龍馬、それはそれでありですよね。
    真琴つばささんも、そのまま男役でもいいんじゃないかとも思ったし。
    女同士とわかる総司とのシーンがなんか好きでした。

    でも、真琴つばささんが一番今回の幕末〜の中でカッコよかったとは思いますが、それでもやっぱり坂本龍馬は男じゃなきゃヤダなあというのが本当の本音ではあります・・・。
    あのカラっと明るい、頼りがいのある筧利夫版の龍馬とか最高でしたしね。。

    あとなんか、たまたまでしょうが私の観に行くつかさんの作品、ちょうど喉こわしてる役者が出てる事が多い;
    これはがんばらせすぎなのか、真面目で緊張しいの人が多いのかわかりませんが、これはよくないですよね〜。
    まあ大丈夫な人は大丈夫なので、そういう役者さんには「ああこの人はコンディションに責任がもてる役者さんなんだ」みたいな余計なお世話的な好感度もあがるんですが。

    そういう意味で総合得点はちょっと低めですが、今迄の幕末の中で一番ラストシーンが良かったとも思います。
    あれくらい派手にドーンとシンボリックなら、混沌とした時代の描写もまとまって見えるというか。
  • 満足度★★

    大好きな劇場なのよ・・・
    私は、新橋演舞場が大好きなので、
    演舞場でやる舞台は、演舞場であることにきちんと敬意を払ってもらいたい。
    花道は、確かに出入りに使うものなんだけど、役者の見せ場でもある。
    無駄遣いしないでもらいたい。

    他の劇場でやることを考えて、花道演出をしないなら、演舞場を使わなくても良いんじゃないの??

    で、石原さとみちゃん、頑張りは伝わります。
    沖田総司が、頑張ってる女の子という設定なら、ぴったり。
    でも、そうじゃないなら、頑張りが立ち過ぎだと思いました。
    早口で喋るとき、セリフがちゃんとお客さんに聞こえるように喋りましょう。
    芝居は、観客に見せるものです。コレは、演出家の責任でもあるのでしょうか?
    あ、でもなんとなく「どんくさい」イメージがあったさとみちゃんの身体のキレが以外と良かったのには拍手!
    ダンスで真琴さんと並んだときは、ちょっとかわいそうでしたが・・・。

    真琴つばささんは、立ち姿や身のこなしが、さすが!です。
    惚れ惚れします。
    格好良すぎる感じがするほどでした。

    純情は、誰の何に対するものだったんでしょう?
    全ての登場人物、全ての生きとし生けるもの、と考え出すことはできますし、ふっと引き込まれる瞬間も何度かありましたが、全体的には「?」でした。
    見ているうちに、分からなくなってしまいました。

  • 満足度★★★

    微妙・・・
    つか作品は初見なのでこれが本領発揮の作品なのか
    分かりませんが、
    う~ん、、消化不良だな。。

    新橋演舞場でやるような作品には思えません。
    せいぜいグローブ座かな。

    何が言いたかったのか?となると
    メッセージ性は感じられます。
    が、そこにこの幕末という背景や坂本竜馬などの人物が
    必要だったのか、というと微妙ですね。
    あと、演劇単体として見てもパワー不足の感が否めません。
    あぁ、何かやってるな程度で、役者が楽しんでやっている、打ちこんでいるという感触が得られませんでした。

    演技、演出が浅いというか。。


    時間:80分、25分休憩、80分

    ネタバレBOX

    最後、垂れ幕が降りて来て、そこにはフランス革命の絵が。
    でなぜか長淵剛の「乾杯」が流れ
    最後の最後に菅野よう子の「Tank!」をミュージックにダンスです。

    何が魅せたかったのかな?
  • 満足度★★★

    つかさんのスタイルをそのまま今に。
    '80年代のつか芝居を形を変えずにまんま演舞場に持ってきたよう。ストーリーはさすがに枠だけ同じで中身はほぼ新作という感じ。180分。

    ネタバレBOX

    つかさんが演出をしているからか、昨今の時事ネタをいれつつも自身の思想や思い入れが台詞に入り込みすぎてるようで、その点がちょっと気になったり。セットをほとんど組まず、荒唐無稽な話を台詞量で圧倒するスタイルは、今となっては古くさく、引き込まれると言うよりは一時代を築いた過去のものとして一歩引いて見てしまう感じだった。

    また、会場も演舞場は合わなかったのか、舞台の幅も花道も活かしきれてなかった気がして。

    役者は主役に抜擢された石原さとみはタッパもなく、思ったよりちんちくりん(失礼)な印象。ダンスを踊らせると上半身は頑張ってても足は上がってないし。声の張りもまわりと比べると弱いし。エロい表現が、という報道が先行しているが実際は衣装も台詞もそれほどでも。

    真琴つばさを起用し、坂本龍馬を女に設定したことで、終盤の龍馬が墜ちてゆく場面の展開や雰囲気も全然違い、重みを感じなかったのが残念。ラストもそれで落ちたの?と思うような終わりだったし。

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