満足度★★★★★
うんざりするほど平凡な風景に、混じり始める不協和音。過去の連続殺人事件。残虐な連続殺人鬼はどういう人物だったのか。そして殺人犯の家族であるということはどういうことか。
急速に緊張感が高まり、観る側も身じろぎすらできなくなっていった。
いくつもの重い課題を抱えつつ迎えたラストシーンでの殺人犯の弟と、知らずに結婚したその妻の会話が鮮やかだった。
怒っても迷っても投げ出すのではなく、やるせない現実に眼を背けず、逃げ出しもせず、現状を見つめ考えようとする。平凡な人間の中の強さが描かれて、観る者の胸にある種の安堵感を与えた。
中盤の展開からは予想外の後味のよさがうれしく、同時に重い課題も忘れることなく抱えたまま、劇場をあとにした。
満足度★★★★★
夫婦ののんきな会話から始まって、一部屋のセットが時間と場所を変えながら3組の夫婦の部屋に入れ替わり、一人二役でちよっと戸惑うものの、終盤へ向かっていつの間にか深刻でブラックな展開へ突き進んでいくという、脚本の素晴らしさと、俳優さんたちの的確な演技が組み合わさった傑作でした。。
満足度★★★★★
鑑賞日2017/03/05 (日) 14:00
九十九ジャンクションはすべて見させてもらってます。今回も社会派の見応えのある内容でした。
確かに、近くにいたら。。。。と思うけど、本当に難しい問題ですよね。
一般の人は別れに繋がるんでしょうね。
でも、最後の一生懸命考える、別れることなく、妻や子供が決める、考える。それに少し救われたように思いました。答えはわからないけど。。。
次回も期待しています
満足度★★★★
鑑賞日2017/03/03 (金)
楽し気なフライヤーからは想像がつかないストーリーでした。昔より増えている意味のない犯罪、それに関わる人について考えさせられました(考えても答えが出ない気がしました)。役者さん達の演技力が高く、怖さがじわじわ来て、どんどん惹き込まれました。好みは分かれるかな・・と思いましたが、何とも言えない重さを感じる舞台で、見応えありました。
満足度★★★★
チラシの印象とは真逆。もちろん共感できない部分はたくさんありますが、犯罪加害者の家族や周りの方の気持ちは痛いほど伝わりました。観劇後の感慨深さは他ではあまり味わうことができないものでした。「いい意味で」です(笑)続編のようですが、この1本でも面白かったと思います。
満足度★★★★
「そして、飯島くんしかいなくなった」の続編という位置づけの本作。
よく出来ていましたが、当日パンフに“『2』映画は1作目を超えられない、というのが定説ですが・・・。”と作者の記述があるように、“ストーリー”、“インパクト”共に「そして、飯島くんしか・・・」を超えられなかった印象が・・・。
ですが、とても惹きつけられた作品でした。
満足度★★★★
まず、小動物虐待の話が出てくるので苦手な人にはつらいかも・・・
最初まったりクスクスと、中盤はあれっ?どうゆうこと??となり
終盤には眉間に皺が出来るほど集中していた。
見終わった帰り道、自分が当事者ならどうする、どうしたいだろうかと思い巡らせた。
満足度★★
このプロジェクトは「本間さんはころばない」を観てとても好きになった。
筆者にとって演劇という物は、何かしらを世の中に提示し、大まかにいえばそれを教訓として対処しよう、そこまで至らなくても心に留めようという表現法である。
本作の扱う題材には困惑し消沈するばかりであった。
「考えよう!」…何を???って感じだった。
ちょっとした救いの小エピソードは語られていたものの、そんな物は限りなく虚ろだ。
満足度★★★★★
見事なまでの不穏・嫌悪という負の感情を抱かせる怪作。それは単にヘイト・クライム(憎悪犯罪)でないところに真の怖さを覚える。当日パンフには、3組の家族が紹介されているが、その表記は夫1.2.3、妻1.2.3などという数字であるが、劇中ではしっかり姓・名で呼んでいる。この長いタイトルの種明かしになるため、敢えて形而上の表記にしているところに作者(土屋理敬氏)または演出家(後藤彩乃女史)のしたたかさを感じる。
(上演時間1時間35分)