十二夜~Shakespeare garden Live 公演情報 十二夜~Shakespeare garden Live」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    初見の団体・ユニット(J-Theater)によるシェイクスピアの「十二夜」(邦題)は、その戯曲の面白さを十分引き出していた。これは喜劇の類になると思うが、悲劇(例えば、ハムレットの To be,or not to be,that is the question のあれか、これかの選択)の世界とは違って「あれでもあり、これでもある」という矛盾した世界をしっかり観せている。女は(男装して)男になり、いけないことをして楽しむ。
    本公演でも、その表現は人が取り違えられる喜劇として見ることが出来る。
    魅力的なヒロイン・ヴァイオラが海難に遭って男装することで真実の愛を見つける。一方、オリヴィア伯爵家の執事・マルヴォーリオの愛に悶える苦悩も見える。

    (上演時間2時間30分 途中休憩10分)

    ネタバレBOX

    舞台は、ほぼ素舞台。上手・下手側に当時を思わせる置物があるだけ。この劇場は真ん中に柱があり、それを挟んで二面から観ることになる。その柱面に鉢植えのアクセント。

    梗概…舞台はイリリア(本公演では架空の国として描く)。イリリアの公爵・オルシーノーは、伯爵家の女主人・オリヴィアに恋し、仕えているシザーリオを通じて求婚するが、オリヴィアは亡き兄の喪に服するため、オルシーノーからの求婚を拒絶し続けている。そのシザーリオは男ではなく、双子の兄・セバスチャンとの航海中に船が難破し、生き延びた妹・ヴァイオラである。ヴァイオラはオルシーノーに恋をするが、自分は家来(しかも男)・シザーリオ。その思いをオルシーノーに伝えることができず苦悩する。またオリヴィアは、シザーリオに恋をしてしまい、オリヴィアから告白されたシザーリオ(ヴァイオラ)は混乱する。一方、ヴァイオラの双子の兄・セバスチャンも助かっていた。彼を助けたアントーニオと共にイリリアに滞在するが事件が起こる。
    オルシーノー、ヴァイオラ、オリヴィアの三角関係、瓜(うり)二つの双子・ヴァイオラとセバスチャンが引き起こす混乱、それぞれの恋の行方は…。

    矛盾・混乱、それらが混在する雑多な世界。それが喜劇の面白さと言わんばかりの戯曲。人間は矛盾し訳が分からない行為をするところが面白く、人間臭いところ。機械と違って理屈や論理通りに行かないのが人間であり、恋に落ちることなど反理性的のようであるが、その「おめでたい」ところが喜劇の祝祭性である。人は己の愚かしさを自覚しなければならない。だからシェークスピアの喜劇には道化(フール=愚者)が登場し、登場人物の愚かしさを指摘する。もちろん本公演では、フェステ(伯爵家の道化)がいる。フェステは色々冗談を言いながら駄賃をせしめる。
    道化フェステのみ事実をしっかり見ている。

    本公演の魅力は、戯曲の面白さをそのまま引き出すのではなく、劇中で歌(7曲)を歌い、そのうち4曲は戯曲の台詞に曲を附して楽しませる。

    少し残念なのは、役者の演技が硬く、観客(自分)が感情移入し難いこと。
    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2016/12/29 (木)

    シェイクスピアの戯曲って面白いんだなぁと思いました。原作の面白さに加え、日本語としての台詞に言葉遊び(?)があるので、台詞を聞き逃すと勿体ないと思いました。全体的に、役者さんの演技は少し硬いと思いましたが、一生懸命さが伝わり好印象でした。道化役の役者さんの綺麗な歌声も素敵でした。良い時間を過ごせたなぁと感じる舞台でした。

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