「ヴルルの島 」 公演情報 「ヴルルの島 」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
21-39件 / 39件中
  • 満足度★★★

    これでは泣けない
    過去公演を3本以上観ていて、今回進化しているものを期待して足を運んだ向きには残念な作り。
    この手の演出は食傷気味でぐったりしてしまう。
    こんなのを新作って呼んじゃいかんよ~!高い金を取ってるんだから。
    新規も大事だけど、ずっと支え続けたファンを飽きさせぬ演出で満足させてなんぼ。
    やはり「ビョードロ」がピークだったのか-
    その後いいものを観ていない。
    以前はポケットティッシュ2個必要だったけど、本作でも全く泣けなかった。

  • 満足度★★★

    新鮮味が。
    もう三年前以上になるんですね、ぼくが初めておぼんろを体験したのは、芸術劇場の展示会でのイベントで、そのときはすごく面白くて可能性を感じて。
    その直後の公演は二回リピートして拝見したのです。そして今回が三度目のおぼんろ体験だったのですが。なんというか、あんまり進歩を感じなくて。正直がっかりしたのであります。世界に入り込めないというか。
    いまのままでも熱烈なファンはいらっしゃるようだから、なんというか、いまのままでもいいのかもしれないですけどね。万人に受け入れられるってことはないでしょうから。ぼくみたいへそ曲がりもいますから。
    舞台が広すぎる。欲張りすぎなのかもよ。

    ネタバレBOX

    前説(?)なんかも、新鮮味がなくて。「、、、をイメージしてください」と言われても。そんなことわざわざ説明しなくたって、自然にイメージできる世界を舞台で展開してくれればいいだけなのでは。
    そこが船の上なのか、倉庫のなかなのか、丘の上なのか、寝床みたいなとこなのか、わかるけれども、どうしてわかるのかっていうとセリフで説明してくれるからであって、感じることはできなかったかも。
    演技が予定調和な感じで、新鮮味はなかったです。大事なことが抜け落ちてる感じがする。
    ぼくの提案は、演出を誰か違うひとに頼む、みたいなことをするとどうかなあと。
    そうすればまた違う世界が広がるかも。
    ものすごく辛口になってしまってゴメンナサイ。
  • 満足度★★★★★

    舞台美術が……
    兎に角素晴らしかった。ルドベルから三作目なのだけど、今回も「ゴミ」と呼ばれるモノが「ゴミ」ではなく、「アート」でした。あの世界は本当にクセになります。
    物語りはアゲタガリに感情移入をし過ぎて、号泣し泣き疲れました……本当にオススメの劇団です。

  • 満足度★★★★★

    美しい物語でした
    ずっと観たくてやっと観れた初めてのおぼんろ。
    中に入ってアトラクションのようなセットにびっくり。役者がその辺ふらふらしてお客さんに挨拶したりしててびっくり。
    内容は誰もが共感できるテーマで、最後のホシガリとアゲタガリのシーン、そして一番最後のアゲタガリの演技に、言葉通り号泣してしまいました。
    ゴミの島で紡がれる美しい物語に、何故か自分が許されたようでした。
    今後注目したい劇団です。

  • 満足度★★★★★

    ヴルルの島3回目
    初めておぼんろの舞台を見に行った時は驚きました。開演前の役者(おぼんろでは語り部と言ってますね)は、楽屋あたりで演技のために集中しているものと思っていたものですから。それがおぼんろでは語り部たちが観客の案内をしているのです。席に案内したりおしゃべりしたり。今回は語り部さんの一人の素敵なお話を聞くことができて良かったです。前説のアイテム(?)も無理がなく、そして本編は結末を知っているので途中から泣けてしまいました。

  • 満足度★★★★

    作品内容が固定化したかなぁと
    以前よりも洗練されてきた感があり
    固定ファンも付いて順調に目標に近づいてるんだなぁと感涙(^^;)

    話というか
    ”朧”のテイストはティム・バートンさんの映画に似てると言えば
    理解が し易いでしょうかと

    わかり易くエンターティナー感でてきたと思えた約2時間でした

    ネタバレBOX

    デート・ウィズ・ドリュー (2004)
    原題:MY DATE WITH DREW という映画がありまして
    強く願えば思いは叶うんだ=というコトが言いたいので
    人との縁を大切に前進してくださいっとエールを贈ります♪

    さて作品内容は
    繁栄した国が繁栄の影の副産物=ゴミを捨てるための島を侵略し
    原住民を滅ぼして20年・・・・
    その島にゴミを運んでる船を略奪しようとして失敗し
    殺されそうになって島に逃げた盗賊=ホシガリが
    唯一の島の原住民の生き残りと廃棄されたらしいロボ=怪物と出会い
    船の船長とその部下(?)である白い少女らと繰り広げる
    切なく悲しい物語です

    ネタばれ~

    盗人は国のためと島に侵攻し原住民を倒した隊の指揮者の息子で
    戦争後に自分のした命を奪う行為に苛まれ
    人に施しをし続ける狂人となり
    雨乞いに自分の息子=後の盗人を崖に落としたのです
    ロボは国の殺戮兵器であり
    これまた隊長に感化され物をあげることに喜びを感じる
    ようになったのでした
    そして島の霊(でいいのかな?)ヴルルは白い少女に乗り移り
    最後の生き残りに隊長の息子=盗人を
    死んでいった島人の魂の慰めに生贄に捧げようとしますが失敗し
    もうひとつの願いである
    静かに眠りたいと島を沈める事には成功し
    最後の島人に「外の世界を見ろ」といいつけ
    ヴルルの島にゴミを運んできた船に見送られつつ
    船を出す為に島に残ったロボと共に沈んでゆくのでした・・

    雰囲気が”シザーハンズ”に似てましたね
    まぁロボなんで島に残されても海底で活動し続けるかもしれませんが
    作中では沈みかけた島で佇むロボひとり・・で幕でした

    ロボット好きの自分的には
    ロボが無事に脱出できるように船にある牽引ロープでも
    身体に巻きつけて無事船に引き上げられて・・というオチとかの方がいいなぁ
    2Verエンディングとかいってやってみて
    千秋楽で人気のラストやったりとか面白いかも・・・・

    個人的な意見ですが
    今後の鑑賞される方は入り口すぐ近くの席が
    割とお勧めかなぁと述べます

    360度どこでも鑑賞可な席でとは言われてますが
    やはり1方向的には絞れるかなぁと・・
    タイトル書いた大きな白い幕は定番になってるようですが
    全周囲という触れ込みなら
    舞台中央で振り回せる旗(月面に置いてきたように横棒付きで)にした方が
    とか思ったデス

    ロボさんは認識番号での呼称あったけど
    某R・田中一郎くんみたいに
    ロボットじゃありませんアンドロイドですとか訂正させるギャグかましても~
    とか思った=当然 お前なんかロボだブリキ野郎だと返すんですね(^^)

    弁士さん出して
    客の間を探索で動いてと
    定番行動が出てきたですね(^ー^)
    これが見たくて・・・というファンは裏切れないし
    さりとて進歩が無いと言われれば
    まさにそのとおり・・・悩み処が・・・という感でましたな
    何かしら打開策は考えること薦めますねぇ

    で やはり主宰さんの男前もあるのでしょう(と持ち上げて)
    女性客が多いようですので
    話の中で弱かった心情描写に時間差いても~と感じました
    ハナッから盗人を生贄にして殺すつもりでいた島人・・
    共に数週間過ごしてるうちの心の通うシーンがあまし無かったですね
    BLっぽく何かシーン作ると
    女性客には受けるかも~と邪推します(^_^;)

    船長さんと白い少女の関係も
    も少し詳しく述べてくれたら~とも感じましたわ
  • 満足度★★★★

    主観ですが
    気になったことから・・
    受付に長い列ができていたのでそのまま後ろに並んでいたら、皆すでに受付後で整理券を持っていたという・・・係りの人の案内が無いので分からなかった。
    ファンの方が多いようだが、開演前と終演後その方達とずっと話していて、割引券欲しかったのにもらえなかった。
    演技もストーリーも良くこれからが楽しみな劇団だけに残念。固定客だけではなく他の客にも目配りしてほしいと思う。

  • 満足度★★★★

    おぼんろ らしさ
    寓話は記憶に残りやすい。神話や諺が長年人の心に残るのは、教訓的な要素が人々の経験・体験を通じて共感できるからではないだろうか。しかしそれは後知恵で追加されてくるもの。寓話はその神秘性も含め、律しきれない”もの”を植えつけるから時代を超えて残るという。

    おぼんろは、大人のための寓話を物語り続けている。本公演には色々な寓話...教訓的要素がちりばめられているが、すべてを救い上げることは難しい。この公演も例外ではなく、観念的要素が...それでも観客に訴えてくる力は見事。

    さて観劇したのは公演2日目であるが、語り部・末原拓馬氏が場内を見渡し、参加者(観客)が少ないのに驚いていた。自分も意外な気がしたが...。

    ネタバレBOX

    舞台セットは、昔々か若しくは遠い未来か、今現在か定かではない。もちろん場所も特定できない、一種の仮想世界である。その不可思議な情景をしっかり観せる。中央に花道、四方八方に小スペース。参加者の後方で演技をすることもあり、それによって物語は不可思議であり変幻自在に紡がれる。

    孤独な盗人は港に泊まっていた船に乗り込み、積み荷ごと船を奪おうとした。しかし、その船はゴミの島ヴルルへ向かう。島で盗人は、誰かに何かを贈りたいと願う怪物...壊れかけた軍用ロボットに出会う。そして、島にまつわる悲しく残酷な過去が...。盗人はこのロボットを”アゲタガリ”と呼び出した。
    この盗人が、この島に来るのは宿命であった。親との邂逅するような、しかしその真実は悲しい。

    おぼんろ の公演は、語り部の独特にして繊細な言葉(台詞)が瞬時のきらめきで表現される。その物語(セットも含め)は、観えるものだけではなく、底に幾つもの豊饒な層があり、その内にある力が参加者(観客)の心へ訴えてくる。夢・現実の区別なく儚い世界に漂う、その心地よさが魅力であろう。

    語り部は、毎公演とも熱演である。場内をところ狭しと駆け回り、時に参加者の後ろへ回り情景を紡ぐ。この走る動作は、当然息が上がるが、その結果”語る”が自然と離れ、(声なき)身体表現へ移行していく。そのダイナミックさが、今度は物語に意志を持たせて自走するようだ。

    次回公演も楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    観てきました!
    今回は川崎の綺麗な劇場

    私は前回の会場では空調が暑くて
    ひとがぎょうぎゅうでグロッキーになったのですが
    今回は椅子に座れて体調的には有難かったです。

    膝がいたいひとは椅子の方が助かります。


    ロボロボとちょっと重なる部分もかんじましたが、世界観が好きなので満足できました。重なるは悪い意味でなくそのシーンが好きなのです

  • 満足度★★★★★

    ロボットに笑いロボットに泣く
    大変完成度の高い作品。ビジュアルと音楽の美しさ、陰影のあるキャラ、
    ドラマチックなストーリー展開と、全てがそろった素晴らしいエンターテイメント。
    ポンコツロボット「アゲタガリ」のキャラはとしもりさんの新たな当たり役だと思う。
    無表情と少ない台詞でボロ泣きさせる、“ズルい”キャラだ。
    別サイドからもう一度観たいと思わせる空間の使い方も秀逸。

    ネタバレBOX

    中央には小高いスペース、そこから四方に伸びる通路、
    通路の先にもまた高さのあるアクティングスペースが設けられている。
    いつもより少し広めのスペースで客席もゆったりしている。
    役者が駆け抜ける風を感じながらの観劇が心地よい。

    美しい世界にゴミは相応しくないと、人々はゴミ捨て場を探し
    見つけた場所がヴルルの島だった。
    原住民を殺戮して島を征服、そこにあらゆるゴミを船で運んで棄てるようになった。
    その船に、追われる盗人ホシガリ(末原拓馬)が逃げ込む。
    船はそのままヴルルの島へ到着、ホシガリはそこで奇妙な仲間たちと出会うことになる。
    しかし彼らもまた哀しい歴史を背負い、復讐の炎は消えていなかった。
    彼らの本心は、そしてホシガリの意外な出自が明らかになる…。

    現実の世界を映すような“美しい世界とゴミの島”という設定がまず説得力ありまくり。
    見たくない物は見えなくすればいい、欲しい物は奪ってやる、という現代人のエゴと
    力で制圧され、幸せを奪われる弱者の心が見事なコントラストを見せる。
    ホシガリの、奪っても奪っても「これは俺の欲しい物じゃない」という虚しさがあり、
    生き残った原住民ジャジャの、復讐に燃えながらも
    島の外の世界を見たいという素朴な欲求があって
    みな矛盾と葛藤の中で生きていることをうかがわせる。

    島の怪物“壊れかけの軍用ロボット”のキャラが素晴らしい。
    藤井としもりさん演じるこのロボットは、「コレアゲル」とゴミのようなものをあげたがる。
    スターウォーズに出てくるロボットみたいだが、寡黙で大事なことしか言わない。
    素のとしもりさんを想像させて、どこか愛らしく、不器用な鼻歌は絶品。
    彼の最期が、ターミネーターのシュワちゃんばりに自己犠牲を厭わず、
    淡々と島に残る選択をするところにボロ泣きさせられた。
    機械であるはずのアゲタガリが、完全にヒトと化している。
    あれでラスト、もう一度あの鼻歌が流れたりしたら
    泣いちゃって立ち上がれなかったと思う。
    無表情なロボットのブレないキャラが、実はこの物語の中心だった気がする。

    さひがしジュンペイさん演じる、元はヴルルの島を攻略した軍人で、
    今はゴミを運ぶ船の船長が渋くて疲労感あり、でとても良かった。
    初めて大切なものを失う恐怖に駆られるところ、ダークな顔でありながら
    実はピュアな心を隠しているというキャラがぴったりでとても良かった。
    メンバー5人が並んだ写真のビジュアルが素敵で、
    この人の今後の役どころに期待が高まる。

    わかばやしめぐみさんは、精霊(?)に憑りつかれる女と、憑りつく側の精霊の二役、
    メリハリある台詞で演じ分けが見事。
    全身真っ白な衣装も美しく、この点は予算が増えて楽しくなったなあ。
    「トナカイ」と「仲居」には爆笑したが、こういうところにもめぐみさんのすごさが現れる。

    高橋倫平さん演じる原住民のジャジャ、今回もまた普通の話し方が出来ない役で(笑)
    大変だったとは思うけれど、衣装も可愛くて大好き。
    相変わらず身体能力の高さをちらりと見せて、謎めいた存在の効果絶大。
    復讐を貫くことが出来ない代わりに、仲間を得て新しい世界へ踏み出す、
    でもその前にストレートに号泣するジャジャには感情移入せずにいられない。

    末原拓馬さん演じる盗人「ホシガリ」は、稼業のわりに育ちの良さが出ていて
    素の拓馬さんを彷彿とさせるキャラが面白い。
    今回の作品には、身勝手な現代人の価値観に対する痛烈な批判と同時に
    奪う側と奪われる側、双方の矛盾と葛藤が描かれている。
    ファンタジーに人間の本質を潜ませる、この素晴らしいスタイルを、
    これからもあっと驚く設定で見せて欲しいし、魅せてくれるものと期待している。

    4人が島を脱出して無事帰れるといいなあ。
    そして「アゲタガリ」がいつかどこかに流れ着いて、ガチャリと動き出さないかなあ、
    とずっと思っている。




  • 満足度★★

    ちょっと納得いかなかった、2時間
    前回公演から1カ月、多目的ホールでこんな芝居が打てるかどうかがと心配しましたが、アトラクション風な参加型演劇とドラマチックなファンタジーなドラマも両立が納得いかなかったね。もうすこし公演と公演の間をあけて(1年ぐらい)次回に期待。

  • 満足度★★★★★

    たいへん良い作品です!
    今回は、初めて舞台にかぶりつく感じで観劇した。いつものメンバーのチームワーク良く美しい新感覚な演劇をやっていた。やや、話がややこしい。でも、最後は感動的!良かったと思う。

  • 満足度★★★★★

    ヴルルの島2回目
    見る場所によってこんなに世界が変わるのね!!普通に向こうに舞台があって、こちらが客席という作りの劇場でも座る場所によってだいぶ印象が変わったりしますが、おぼんろの舞台は劇場の全て。語り部が縦横無尽に駆け回り、お客さんの前後左右はもちろん上下にも出没します(今回は下はありませんが、思いがけないところから登場!)。そしてお話に引き込まれていくのです。

  • 満足度★★★★★

    その心意気がいいね
    おぼんろの公演を観に行っていつも思うことだけど、何とか少しでも参加者を楽しませてあげたい、という思いがそこにある。今回も、またそんな舞台。演技はもちろん、ユニークなアイデアで存分に楽しませてもらった。笑いと涙、その両方が楽しめるおぼんろの舞台は、何度行っても飽きない。

  • 満足度★★★★★

    心を温めてくれるロボット
    広い会場でゆっくりと楽しめるのはやっぱりいい。そして今回、何より印象に残ったのはあのニヒルな役が多かったとしもり氏のロボット。いやはや、こんな役も難なくこなす、というより元からこの役がはまり役だったのかと思うほど。軽い笑いをあちこちに散りばめてくれ、ほんとに心が温まる。それだけ観に行ってもいいくらいだ。ユニークな演技のりんぺい氏と合わせて、きっと観に行くたびに違う笑いを楽しませてくれるのだろう。また絶対観に行こう。

  • 満足度★★★★

    斬新な
    劇場内に入ってからどこに座れば良いか迷ったけど基本どこに座っても楽しめます。斬新なアイディアだけど良かった。また、舞台設置、衣装からして小劇団にしては気合いが入っているなあと思ったけど役者達の思いも熱い。
    若干、気合いの入りすぎとも感じてしまったけど若さゆえ、これぐらいで印象は残るし、良いと思う。ただ、あまりハードルを上げてプレッシャーになりすぎたら、いけないかなとも思ったけど。
    衣装、演技、舞台は良かったです。まだ発展途上だけど期待出来る劇団だと思いました。

  • 満足度★★★★★

    ヴルルの島
    前説の一部ではないけれど「どこに座ったらいいんでしょ!?」と言うのも楽しいおぼんろのステージ。寓意に満ちた切ない物語。次はどのあたりに座ろうかな。

  • 満足度★★★★★

    期待を大幅に飛び越えていった。
    約1年半ぶりのおぼんろ。
    おぼんろなら面白いものを見せてくれるだろうと
    期待はしていたが、予想のラインを大幅に飛び越えて行ってくれた。
    川崎プラザソルには以前いったことがあるが、
    なんの特徴もないただの箱だった。
    しかし、おぼんろの手にかかれば、ここがテーマパークになってしまうのだ。美術の竹邊奈津子のセンスは逸脱している。
    開場すれば、役者達が客を迎えるスタイルも変わらず、会場中に暖かい空気が生まれる。
    開演前の役者達と触れ合う機会があるゆえに
    おぼんろの 役者=語り部 が 「演じる」ではなく「物語る」 という事にリンクするのだろう。 
    語り部たちの衣装はパダラマジュグラマの時に衣装を担当していた永田光枝。より物語の世界観を高めている。
    主宰の末原拓馬の父である末原康志が作った劇中曲も素晴らしい存在感で物語を牽引する。
    そして、そのすべてにも負けずに存在する語り部達。

    演劇を好きであるならば、
    時間を見つけこの物語に参加した方がいい。
    あなたが見てきた演劇の常識をぶち壊すモノを見ることができるから。

    ネタバレBOX

    前半戦では小気味良いテンポで笑いをちりばめながら進むのだが、
    終盤のどんでん返しに、思わず目と耳を疑う。
    悲しい過去を持つ島で出会った、悲しい過去を持つ人間達と機械人形。
    涙なしには見られない。
  • 満足度★★★★★

    朧 大人になる
      初日が明けたばかりなので詳細は明かさない。然し、この所、朧の作品は何処を切っても同じ金太郎飴だと評していた向きには、今作の評価は当てはまらない。

    ネタバレBOX

    ファンタジーはファンタジーである。だが、いつもの形式を用いて中身は大幅に大人の童話になっている。因縁はあるし、宿命の歪を通した屈折もあれば、復讐という昏い情熱もある。最後の最後にどうなるかは観てのお楽しみだが、大人の苦みを持った作品に仕上がっている。物語自体の展開にも無理が無く、語り部たちのスタンスも良い。また、基本的な物語を語る型はいつも通り観客の想像力と一体化する手法を採っている為、大人の苦みが取り込まれても観客が自然に向き合える。

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