出張診療所 公演情報 出張診療所」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★★

    これぞ芝居
    こちらの口コミ評価が高く、急遽観劇。医療だけでなく、地域再生、世代交代等々、それぞれが抱える様々な問題が非常に分かりやすく伝わってきた。無駄がない演技、生きてる舞台というのはこういうことかと。久々にいい作品に出会いました。

  • 満足度★★★★★

    芝居の王道
    時代劇「水戸黄門」は、印籠を見せて一見落着という定番でありながら、長寿番組になっていた。劇団芝居屋は、「現代の世話物」の創造を目指し「覗かれる人生芝居」というコンセプトの下に役者中心の表現を模索している。

    本公演「出張診療所」は、僻地医療に焦点を当ているが、その物語はもう少し広範囲な問題提起をしており飽きさせない。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、場面によって転換するが、中心は診療所待合室と外道のような所。診療所は診察室もあるが紗幕で遮られており、もっぱら待合室での展開である。

    梗概は、町医者である父が病に倒れ、大学病院に勤務している娘・柴田光江(増田恵美サン)が、父の代理として僻地の出張診療所に務めることにした。 大学病院に帰りたいと願い、三ヶ月の期限を切る光江であったが、僻地医療の実態を目の前にして、その心境に変化が見られる。

    公演では過疎化・高齢化に伴う世代交代、地域の活性化(資源開発)などの社会的な問題と、嫁姑、父と息子という人の関係とを描く。その「社会」と「個人」という問題を僻地医療という問題にうまく織り交ぜて内容を豊かにしている。
    過疎化・高齢化は、その地域に医療施設が在るか否かは重要な問題。そのポイントをしっかり中心に据えている、その視点が人情話としても観せる。

    この娘が医者を志したのは、映画「赤ひげ」(黒澤明 監督)の影響だという。江戸時代の貧しき人々の医療に当たった小石川養生所が舞台になっている。そこは市井の人々、そしてこの公演では僻地の人々という繋がりも見える。娘にとっての赤ひげは”父”であったという。

    物語の演出は、娘自身の気持ちはボイスレコーダーを利用し吐露する、何ら芝居で説明することなく、素直な気持を語らせる。一方、人間関係の表現は伏線を巡らせじっくり観させるという違い見せる。そして3カ月期限、その更新という時(季節)の移り変わりは衣装や妊婦の姿として自然に分からせる。実に見事な演出。さらに人の生死を長老・磐田源蔵(増田再起サン)の病死と息子嫁・磐田美由紀(神崎あやかサン)の(孫)出産シーンをシンクロさせるという印象付けも良かった。

    細かい演出だが、海まつり(地域情景)に出かける浴衣姿、柱時計の時刻音、花火の音など心に残る。この物語に登場する人々は、日本のどこかにいるであろう人の姿...その情感がしっかり伝わるような「覗かれる人生芝居」、その真骨頂を観た。全ての役者名を記していないが、とても素晴らしい演技でバランスも良かった。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    楽しめました
    僻地医療の問題点をわかりやすく描きながら、人情群像劇としてもうならせるエンターテイメントに仕上がっています。実にキッチリと手堅い芝居です。

  • 満足度★★★★

    心温まりました
    ストーリー自体は、先が読めてしまうのですが、それでも面白かったです。僻地医療の問題・人間の繋がり・生と死・・色々な事が感じられる良い作品でした。役者さん達も、それぞれのキャラクターを好演していました。舞台となっている地域は、都会に比べ不便さはあるものの、幸せ度の高さを感じ、心温まりました。とても良い作品でした!

  • 満足度★★★★

    良い芝居なのだが…
    劇団芝居屋の舞台は『ラバウル食堂』から観ている。特別な事件が起こるわけではなく、日常を丁寧に描く芝居、私の好きな部類に入る舞台である。今回の話は、大学病院に勤めている主人公の女医が、病気の父の代わりに僻地医療をする中で、医者の仕事の意味を再認識し成長していく姿を描いている。確かに良い話ではあるのだが、若干、先が読めてしまう点がもったいない。俳優も上手く、安心して観ていられるのだが、もう1つ何かを期待するのは欲張りすぎなのかなあ。

  • 満足度★★★★

    自問自答!
    主人公の女医柴田光江は大学病院勤務時は総合内科に属していたが、どちらかというと明らかな病人を”機械的にいかに直すか”という意識であった。病気の父の代わりに出張医療で月日を重ねていくうちに”本当の治療は患者の話に聞くというところから始まる血の通ったところにある”ということを再認識する。
    主人公の”なぜ医者になったのか”その答えを出していく心の変化を日記のようにレコーダーに録音しつつ時系列で描いていく演出は解りやすく印象度が強くなる。
    芝居屋の役者たちの演技はいつも自然で”肌で感じる”ものがある。
    柴田光江役の増田恵美の細かくキレにある演技、永井利枝の味わい深い演技は唸らせる。個人的には役場の職員の田中宏明演じる横川靖のキャラが観ててとても心地が良い。

  • 満足度★★★★

    「僻地医療」
    今回で4作目の観劇になる“劇団芝居屋”ですが、
    毎回感じるのは、観ていて“気になってしまう”ところがなく、
    物語に集中できるのがこの劇団の特徴であり魅力であると思っています。

    本作は、これまで拝見させていただいた作品と比べると“笑い”を抑えた感のある舞台ですが、その分役者さん達の芝居をじっくりと拝見でき、いつもとは違う楽しみ方をできた作品でした。

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