墓場、女子高生 公演情報 墓場、女子高生」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    脚本の素晴らしさ!
    この作品の脚本の素晴らしさを再び感じることができた。
    昨年の東京芸術劇場での公演を観て衝撃を受けたが、その作品を再び観ることができてよかった。どうしても昨年の公演と比べてしまうので、初めて乃木坂の本公演を観たらどう感じていただろうかと思う。昨年の公演も再演だけれども。
    会場が比較的静かだったが、この作品に含まれる笑いを誘う場面は、もっと笑いが起きてもよいはず。何故かあまり会場が温まっていなかったのが残念。
    高校の文化祭のような、乃木坂のみずみずしい新鮮な演技に好感が持てた。コーラスのハモりが上手だった。

    ネタバレBOX

    原作である脚本も何度か読んだが、今回の乃木坂版では冒頭と終わりに脚本にない追加要素があるほかは、原作通りだったと思う。冒頭の追加部分はよかったが、後半の卒業式シーンは必須ではなかったと思う。
    全体を通してこの演出はおかしいというものはなかったが、この作品は中心となる日野の存在感が重要であることを再認識した。よく通る声が必要だと思うし、ひたすら明るく楽しい人柄が伝わる必要がある。それがあってこそ、日野の二度目の自死が、この作品を観る者に衝撃をもたらし、その意味を考えさせるのだから。
    全体的には、少しセリフが聞き取りにくかったかも知れない。十字を切るところは動きが早すぎて伝わらない。伝わらないと言えば、前述のセリフが少し聞き取りにくいことから、笑わせるセリフが会場に伝わりきっていなかった部分もあるかも知れない。ある意味では後味の悪い物語とも言えるが、日野の二度目の死は、一瞬とは言えぶら下がる死体全体を見せる必要はないと思う。余計にグロテスクになってしまう。脚本でも昨年の再演でも足の先が少し見えるだけであるが、実際それが見せられる限界だと思う。舞台美術で桜の木が中央に大きくそびえているが、この作品においては死の象徴とも言えるので、存在感があり過ぎではないか。
    ダンスの振り付けとその際に流れる音楽が物足りない。あくまで昨年の再演との比較においてという意味だけど。

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