魔女と賢者と永久の薬師 公演情報 魔女と賢者と永久の薬師」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★★★

    物語として楽しむ
    脚本の面白さを超える演技という印象であった。物語はプロローグ、エピローグへ繋げ、その間を劇中劇(回想)というオーソドックスな展開にしている。物語はダークファンタジーという謳い文句の通り人間の業(ごう)に起因した悲劇を壮大なロマン風に仕上げている。その観せ方、芝居という見世物としては面白かった。
    (上演時間2時間)

    ネタバレBOX

    舞台セットは、中央にやや広い階段、上部は出入り口に引き幕。上手側・下手側にそれぞれ形の異なる屏風(衝立)のような仕切りがある。その壁面、上手側は剣・矛、盾が飾られ、下手側には書物(「ペン」のイメージ)が置かれている。ペンは剣より強し...という言葉を思い出す。正面左右の壁には大小のギアが飾られている。それが時計とは逆回転し回想シーンへ。

    梗概...海洋暦692年 カルタグラは正体不明の疫病に苛まれていた。 勇者メディスの叛乱により、先代国王を失ったカルタグラを侵略しようとする周辺諸国。国王の娘・アンダリテが戦場で指揮を執るがカルタグラは敗走を続けている。人々は国の災いは、全て魔女の仕業とし、魔女と噂される者を処刑し心の安堵を保っていた。 今日は罪もない薬師の少女・サクリが処刑される、はずであったが彼女の前に紅蓮の魔女が現れる 魔女は少女に告げる 「この手を取りなさい」と...。

    「魔女」という存在は、人間の業によって形成され、その魔女によって戦争(侵略)が起きているという皮肉。魔女狩りと称して国の不安定を人の人格に転化する。それも理由なき理不尽によるもので、その結果人々の怨念・怨嗟などの恨みの連鎖が生まれる。登場人物は次々に死んでいく、滅びの美学のような気もする。人間自身が招いた自業自得であるが、本公演ではそれも予定調和の内のようであった。

    「魔女」が忌み嫌われていく過程、そこには人間の悪意がはたらき罪なき人が「魔女」に仕立て上げられる。もちろん公演はフィクションであるが、それは荒唐滑稽なことではなく、やがて来るかもしれない。架空の物語、それゆえ卑小なリアリティよりも壮大なフィクションとして楽しんで観た。ただ悪が渦巻く中、薬師だけが純真さを持ち続けるという出来すぎが白けてしまいそう。

    役者は熱演...特にネスリム(井家久美子サン  「城に仕える錬金術師」)は憎々しげであり圧倒的な存在感・迫力があった。また殺陣というかアクション、それに顔面に施した妖しげなアートなどの印象付を意識したような演出は好かった。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★

    一つ一つは良いけれど…
    ダークファンタジーの汎用型的な判りやすい舞台。
    好みは人それぞれであるが、この手の作品はマニア的な楽しみには物足りず、一般客にはちょっとむずがゆく感じる。原作ベースである程度の認知度があるとハードルは低いのだろう。オリジナルで挑むと世界観の説明からついて行くのがちょっぴり大変かもしれない。
    しかしながら、導入の一人語り、善悪のカラー、対立軸などなど世界観を押しつけるだけでなく包み込もうとする努力を感じられた。
    また、スキルの高い役者陣がそろい、一層魅力的な舞台になったと思う。
    とくに動きの激しい女優陣(シュカ、アンダリテ、トート)が、狭い舞台を縦横無尽に動く姿はの見せ場があってより素敵だった。

    ネタバレBOX

    細かいことを見れば、設定がかなりご都合主義。
    メインテーマに持っていくために結構無茶な展開もありあり。
    シーンそれぞれの見せ場の盛り上げは上手く、
    殺陣もそれなりに良かった。ポケットのステージくらいあると、シュカとアンダリテの立ち回りがより一層カッコ良かったかもしれない。
    トートのキャラと動きも良かった。
    テーマ性など難しいことは置いとけば、エンターテインメントとして楽しめる作品でした。
  • 満足度★★★

    好きか嫌いか分かれる作品
    流星パラディーゾがとても良かったので、劇団さんの次回作も楽しみにしてチケットを予約しました。そのためチラシもろくろく読んでなく、内容がダークファンタジーだとまったく認知しないまま劇場に足を運んだ自分に反省しています。役者様方の熱量は感じましたが、物語が私には合わないものだったので、途中で何度か帰りたくなりました。今後はとりあえずチラシはよく読んでから予約するようにしようと思います。勉強になりました。ありがとうございます。

  • 満足度★★

    蛇足の多い印象
    公演終了したため、感想を解禁させていただきます。
    今回、初めて観させていただいたんですが、観劇後の印象は「観客に持って欲しいビジョンが掴めない」でした。
    設定や世界観を豊富にすることは、その分、観客に想像力を掻き立たせる力にはなりますが、これが蛇足になってしまってるというか、初めて観にきた方にはこの設定の豊富さが邪魔をして、脚本・演出家の方が伝えたいことが、観客に伝わりにくい、難しい作品であったと思います。
    また、その設定の豊富さもプロローグで一旦あらすじを詰めてしまうので、観客からしたら頭にそのごちゃごちゃした設定をパンパンに詰め込みながら観ていき、消化する前に色々積み重なって最終的にいくら良いこと言ったって印象に残らないなぁ、なんて思ってしまったりしました。
    多分ですが、設定の割に舞台の内容がその設定に対して掘り下げるべきところでも、世界観になぞらえた出来事を淡々とやりのけてる印象があり、そのせいで内容面スッカスカだなって印象を受けたのもあるかもしれません。
    CoRichの配役表も後になって知って読みましたが、そんな設定あった?と思うキャラも多く、良い言い方をすれば、二度三度観て楽しめる作品になるんでしょうが、ぶっちゃけ一度で良いかな?って思える時点で、裏設定の豊富さは表のセリフや役者さんの意識でもっと出して欲しかったなと感じました。また、逆をいえば、一度しか観に行かない方への配慮が微妙だと思わざるをえない時点で、観やすい舞台とは?という結論に至りました。
    ただ、これは私が、役者の皆さんの2次元感を出すわざとらしい演技が、さらに自分と舞台に対する線引きをされてる気がしてしまって、物語に最後までのめり込むことが出来なかったのも一因ですので、脚本や演出・役者だけのせいではなく、好みの問題であったのかなと思うところもあります。自分の中では、人間と人間でないものを出すために、自然体でいて良い役とそうでない役、というところを分けたら、もっと観やすかったかなと思いました。
    また場面展開もテンポが微妙に悪くて、観てる側からしたらキャラも含めて段取りが機械的だな、と思うことが多かった舞台でした。
    盛りすぎた設定に対しての出来事を補完するために進めてしまったストーリー、ダークを出すために出したキャラの多さ、それゆえに薄れてしまった主人公の影の薄さを最後の最後で挽回しようにも難しかったんじゃないかと私は思いました。
    惜しいと思うことが多い作品でした。

    ネタバレBOX

    一応、ネタバレです。台本を買わなかったので、その時のメモを基に話します。その点ご了承ください。
    多分、今回のキャラの一致点として「守りたいもの」の存在をネスリム以外、全員に当てていたかと思います。
    その誰かを守るための感情を、ネスリムに翻弄され、人々は憎しみの輪廻を繰り返す中で、サリクの言葉が影響して、その輪廻を断つって物語なら普通に王道ファンタジーでしょうが、多分、ダークにするためにも現実はそうは上手くいかない、という演出をしたかったのでしょうと感じました。ですが、それにしても、誰(特に物語のキーパーソンになるはずのサリクとシュカ)が何をどこまで把握しての発言かが分かりにくかったなと思いました。例えば、後半でいえば、トートの負傷や、スカルドの死、ポックス・セラ夫妻への暴行や刺傷、ハクロの裏切りにも取れるような行為、これらの要因を誰が、(伝聞含め)どこまで知っていて、どこまで憎悪に影響されているのか、それが分かりにくくてモヤモヤしながら見ていました。
    また、シュカが人間らしくなっていく過程を元にするなら、彼女を人間として認めるからこそ、憎しみでネスリムを倒すなという印象を強く持たせるのかなって公演中に思ったんですが、最後まで魔女vs魔女の人間であらざるものの戦いで終わってしまったのも惜しかったなと思いました。
    あと、最後なんですが、シュカがキスしてサリクが命を引き継ぐみたいな。あんな説明も何もなしにやって、拍子抜けさせられない人っているんでしょうか。
    ダークファンタジーならダークファンタジーらしく、人の命は取り戻せないことを痛感した方が不条理でしたし、現実は上手くいかないことをさらに思わせれましたし、サリクの死が、シュカを魔女ではなく人間にさせたという構図なら、なぜ命を渡した?(しかも説明なし)と思ってしまいました。
    そんな御都合主義な展開に思わずダークファンタジーって?という気分です。
    またこれは解釈なんですが「言葉だけでは、世界は少しも変わらないが、人の意思は変わる。そしてそれがやがて世界を変える力になる」みたいなことを観客に伝えたいのかなって思ったんですが、そうなんですかね?
    難しい話でした。
  • 満足度★★★★

    ぐっ!!ときた~
    ダークファンタジーといいながらもフライヤー見る限りではやっぱファンタジーなんでしょと思ってたの。ごめんなさいです。よく出来た大人の寓話に引き込まれました。ネスリムのむかむかするほどの悪役っぷりが秀逸。魔女といいながらも悲しみの瞳のシュカもまた良し。アンダリテに至ってはもはや宝ジェンヌの様にも見え、殺陣がとても格好良かったですよ。初めての劇団に❤を打ち抜かれた気分です。次回公演が楽しみ!!

  • 満足度★★★★

    ブレない世界観
    劇団名通りの迫力の2時間を堪能しました。
    悪役がなかなか憎たらしくて、ステージをこれでもかって盛り上げてました。
    衣装やセットもグー。

  • 満足度★★★★

    世界観の好みが分かれそう
    ファンタジー的要素が強く、RPG風の全般的に悲しい物語でした。登場人物の設定も細かく、殺陣が音響とのバランスが良い印象で、どこか映画的な要素も感じました。
    公演中なので、ネタバレで。

    ネタバレBOX

    剣と魔法(二人だけですが)の世界に、人の恨みや妬みが絡まるダークファンタジー。個人的には好きな設定ですが好みは分かれそうです。
    殺陣も多く、アンダリテ役の深月さんの殺陣が特に目を惹きました。シュカ役の青柳みさとさんとネスリム役の井家久美子さんをはじめ、特に女性陣に魅力的な役者さんが多かったです。
    ストーリー的には、ダークな部分も多かったですが、もうひと捻りあっても良かったのではとも思いました。
    薬師さんには何か秘密があるのではと思ってましたが、普通の薬師さんでした、最後は変わりましたが(笑)
  • 満足度★★

    う~ん設定を生かしきれてないなぁと・・
    かなり強く思えた作品でした
    ファンタジー好きですので
    まぁいろいろと思い浮かべる設定や話は
    オリジナリティは感じられなかった
    (こんだけファンタジー作品が世に多くでてればしょうがないが)
    それでもと思って見てても
    インパクトの強いエピソードとか
    設定の強引なつなぎ合わせとしか感じ取れなかったと
    思えた115分の作品

    ネタバレBOX

    基本
    全体悲劇っす

    平和な世になった今
    今では老人のホラ話と受け取られかねない
    けど実際にあって自身が見てきたと語る老作家の回想がメインです

    マガイモノと呼称される人外の魔物を退治した剣士は
    なんで賢者と呼ばれるのか謎でした・・・・・
    (普通の剣戟でも人外に効く技があるとか~
    持ってる剣が普通でなくて~とか
    自身のもつ特殊能力があるとか設定無いと
    かなり苦しく思えた剣士の設定=作中は賢者やね)
    (昔の出来事引きずってアル中化してる描写あったが
    そんで後半はふたつ名ほど強くなかったのかなぁ・・)
    後年国の復興に尽力して剣聖の呼称が賢者になったとかの方が
    スッキリ納得できたし~

    炎の魔女の誕生とか覚醒のトリガーとして
    薬師の設定するとか
    紅蓮の魔女 炎の魔女というなら
    開き直って「炎髪灼眼」使ったら?とか思えたなぁ
    その魔女の対とも云える存在の願望が自身の消失とか死とした方が
    なんか負の感情の集大成という存在的にはあってそうだよな
    と違和感持ちつつ観てた

    野卑た兵士の妊婦への暴行は
    まぁ封神演義での妲己の行った男女の賭けの方が
    インパクト強いわな・・・と感じたが
    まぁそこはソフトにしたのかなぁと思ってたら

    現女王と亡くなった父王の関係が
    亡くなった妻=后とそっくりになった娘と関係を持つって
    うん昔話であったなコレって これ表現するんかい!
    だったら上記の暴行も・・・とか思えた・・・

    悪役の心情と目的行動がボケてた・・
    キャラ的には出来よかったが
    人外と自身を納得してるなら
    自身の出自は明確だと思えたが・・知らんようで
    としても
    人を駒として動かして世の中に沈むのか
    同等の存在として紅蓮の魔女が誕生したと知ったら
    同格にまで育てて
    共に対として存在続けるか
    自身の消滅を願うのとかが
    わかりやすく思えたけどね~

    なんかもう
    突っ込みどころ満載で
    眠気こそ起きなかったが
    とっても残念に思えた舞台でした

    女王陛下が黒いスカート翻しての
    回転する殺陣は見ごたえあったけど

    自分的には
    炎の魔女でしょ
    戦火で残った魔女の灯火(残り火とかかな)を回想する作家が
    自身のランプで持ち続けてるとかの設定が
    ロマンチックでよいかなぁとか思ったですじゃ
    (で町明かりのうんぬんとかで設定したほうがねぇとか)

    回想でしか出てこない賢者さんの友人・・・
    剣聖と刀王とか呼称してたりとかすればよいのにねぇとも思った

    あぁいろいろ盛り込む設定が残念で
    書き込んでても書ききれない感じですわ
  • 満足度★★★★★

    素晴らしい
    バリバリ日本人なのに洋風の名前となると名前とのイメージ付けが大変ではありますがそれを補って余りある名作でした。
    演出脚本演者の演技のみならず照明音楽も素晴らしいの一言です。

  • 満足度★★★★

    見応えありました
    背景を理解するのが少し難解な印象はありましたが、残酷だけど切なく美しい、見応えのある舞台でした。照明や音楽もストーリーにマッチしていて、ドラマチックに感じました。そして、役者さん達の一生懸命さを感じ、剣闘シーンは迫力があり、演出も素敵でした!見応えのある満足の舞台でした。

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