其処馬鹿と泣く 公演情報 其処馬鹿と泣く」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
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  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2016/08/27 (土)

    残暑厳しい中、初日の公演を観て来ました。初日はチケット完売。出来るだけいい席で観たかったので、受付を開始してすぐに到着したが番号は30番台後半。風通りの悪い地下へと続く階段に並び、汗をかきながら開場を待つ。オールナイトニッポンのテーマが流れる中、開演。内容は文句なしのエンターテインメント。ここまで純粋に楽しめたのって久しぶりな気がする。演出の上手さもあるだろうが、役者さんの個性が溢れていて、あっという間の時間だった。終演後、みんな笑顔で会場を後にしていた気がする。こういうのって素晴らしい。今後の公演も期待してます。

  • 満足度★★★★

    そこはかとなくニッポン放送
    オールナイトニッポンのテーマ曲(Bittersweet samba?)が幽かに流れる開演前。正面の横広ガラスの向こうを歩く通行人、下手壁側の白色照明、上手どん詰まりの防音扉(恐らく)からの出ハケなど、ニッポン放送内のイマジンスタジオを使って芝居をしているが、「黒」をあしらっていないせいか、別用途の場所を借景したかのよう。だが、大いに活用していた印象だ。
     二人の客演者の一人、宮崎吐夢が終演後一人残って喋り芸披露、「お詫びの印にせめて芸能人を見て帰ってネ」と締めていた。
     一方、退場する客の反応は、卑下する程かな、というもの。役者たちとの雑談の輪がそこここに出来て流れが悪いが、劇団員の外仕事が続くなか久々に「劇団公演」をやれば駆けつける人たちがいる。劇団の歩んだ長さだけ築いた人脈を見た気がした(勝手な推測だが・・)。
     「趣向」の数々にノゾエ氏の才が窺えるが、急ごしらえな感も。シーンとその繋ぎ合せのアイデアを連ね、何らかの落ち着きどころを見出した。・・ロードムービーならぬロードシアターの味は、役者個人の技量に比重あり。演劇は何と言っても時間をかけた分だけ濃密さが生まれ、つまり舞台上にもう一つの世界が(よりリアルな空気感をもって)生み出される、その快楽は演劇の大きな要素でもある、と思う。今回のはえぎわ公演も、より濃密さを醸成する余地が残っていたと感じた。

     飛びぬけたイケメンも美女も居ない(失礼)はえぎわの、公演観劇は過去1度のみ、川上友里を客演で三度ばかり、他の俳優も客演で何度か拝見した。
     が、劇団はえぎわの正体、輪郭、未だ知らず。

    ネタバレBOX

    芝居の中身だが、白痴を連想させるあどけなさを宿す女(川上友里)が、「無力」ゆえの力を発揮する。「まるでロミオとジュリエットのような」恋の相手(清水優)を見出した彼女の危うさと痛快さが良い。男との出会いのアイテムである自転車は他人の物であり、これを「返す」という行動に出たことで、その家族に負い目を負ってしまう。愛を貫こうとする意志と、負い目との葛藤の中で、彼女が通俗的な次元の悩みに絡めとられて行くあたり、残念な感じが漂い始める。
     自分が関わった事である人が死に、その義理で恋を諦めねばならない、と一度はなるが、次のシーンでは「諦めない」に重心を移し、あとはどう(精神的にでなく物理的に)脱出するか、という展開になる。
     彼女の「心」の障害がなくなった時点でこの話は解決に向かう訳だが、これでは終われない・・と作者はサイドストーリー(というかメインストーリーをメタ化する筋)を加え、さらに「これだけはやっちゃいけない」と自ら認める(台詞でも言う)オチで、話は終わる。
     後半の詰め切れなさに残念さがあり、恐らく「時間切れ」だったのだろうと想像された。
     しかし、にもかかわらず一応の形に仕上げた才をこそ、評価すべきか・・・
  • 満足度★★★★

    約95分
    混沌として取り留めなさげな話を上手くまとめていた。

    ネタバレBOX

    カーテンコール後に設けられた、宮崎吐夢による後日譚的ひとり寸劇と後説(あとせつ)は蛇足。余韻ぶち壊し。
    そもそも、ここまでして宮崎吐夢を立てる必要があるのか?
    宮崎吐夢的なアクの強さは、どこか淡いはえぎわ世界には馴染まないと感じた。

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