耳を澄ますべき声
かなり辺鄙な場所にある、困窮者を対象としたホスピス、そこで働く人々。
今回、型としての動き、にこだわったとシアタートークで言っていたが、わたしはずっと聞こえている音の方が気になった。4の隣室から漏れ聞こえてくるようなピアノ、5の何かを砕く音や練習用のお神楽。それは、聞き流す耳には単調な雑音と聞こえるかもしれない、けれど、耳を澄まして聴けばいろいろのことが見えてくる音。耳を澄ませ目を凝らしていれば、やがて登場人物たちの抱えているいろいろが見えてくる舞台。
集団制作というめったにない手法が、この肌理の細かい舞台を織りあげているのだろか。