満足度★★★★
鑑賞日2016/07/09 (土) 19:00
架空の戦争が起こる国へ向かった、ジャーナリスト。美しい男娼を巡って冒険し流転していくのですが、寺嶋しのぶさん演じる女優の奥さんが出番少な目な割に酷い目にあい、何でもやる寺嶋さんの素敵だけど、結末も良かった。絶対に幸せな結末はないと思う恐怖で終わる所が、昔の松尾作品みたいで◎
満足度★★★★
「キレイ」を彷彿。
日本が3つに分断され、恒常的に戦争状態・・・そんな設定を観客に否応なく、美味しくも奇想な常識をもって飲ませた「キレイ」(2000年)に匹敵する、飛躍した設定が今回も見事に一つの世界を作っていた。ゴーゴーボーイズに入る者はまず「ケツに注入」の儀式を経ねばならない・・「大豆兵の手を食う」を想起させる。ドライな夫婦関係も、知的を通り越したフェティッシュなこだわりを介して迷走する様も傑作であった。
時事芸能ネタの小刻みな挿入もやり方がうまいので「戯曲」に堅実に組み込まれている印象で、これはよく書かれた戯曲なのかそうでないのか・・といった評価はどうでもよくなる。いきなり吐かれる詩的な台詞が通ってしまうのに、人物のリアルな影は見えているという、不思議なモードは、冒頭の「ケツの注入」が観客の感覚にも作用したせいだろうか?
舞台上段のオケピ?に黒和服が並び、和楽を演奏する。これも悪くなかった。
結局全体の印象は・・完成度は高い、と感じた。が、松尾スズキの振れ幅の大きい飛躍した「示唆」を期待した者には、もっと鋭くていい・・というのが正直な感想。
「声」だけ聞き覚えのある俳優が二名、岩井秀人と、吹越満の演技は、判った上で見たかった(相変わらずノーチェックで観てしまった)。
特に岩井氏の「俳優力」はハイバイで暗黙の事実だったりしたが、他流試合では「俳優」だけをやっているわけなので。。
満足度★★★★★
闇
舞台の2階部分に邦楽集団「綾音」の皆さんが整列、その中央にはおなじみの伊藤ヨタロウさんが正座して長唄を吟じる。これがまぁ、お上手なこと!その歌詞に合わせて物語りは進行するが、口では助けますよ、という割には案外無責任な日本とその世界情勢が垣間見えるような、複雑夫婦な間柄で他人にはわからない残酷模様かと思いきや。登場人物たちの運命が苦しく辛く、グロくて、でも笑えて、取り巻く環境はかなり辛辣だけど、各々の愛情がジワジワと胸の内に浸出してくるような(松尾さんご自身で戯曲本のあらすじで書かれていた単語の)エレジー舞台でした。
役者さん達もみんな素晴らしかったし、おもしろかったです。
満足度★★★★★
はちゃめちゃ冒険活劇
現在の国際情勢やエンタメ業界の裏側、禁断のエロス♡、猟奇趣味がミックスされた毒々しいステージを3時間た〜っぷり堪能。コクーンは座席がいいので、長時間座っててもお尻があまり痛くなりませんね。