満足度★★★★★
肉弾
重苦しい描写が続くのではなく、時には可笑しさも見える戦時中の市井の人々の生活…。その人々との出会いを経ながら、突然「神」になったことを自分なりになんとか受け入れようとするアイツ…。
それらがかえってリアルな感じを受けました。
こういう作品はもっと若い人たちこそ観るべき、我が子にも観せたかった、と思いました。再演を期待しています。
満足度★★★★★
映画同様、本公演も胸を打つ
映画「肉弾」(岡本喜八 監督)が製作公開されたのが1968年、当時は大手映画会社から相手にされずATG製作になっている。それから47年(戦後70年にあたる2015年)、同じように自主製作で戦争末期のレイテ島を描いた「野火」(塚本晋也 監督)が話題になった。時代を経ても、大手映画会社が見向きもしないテーマ、それでも映画作家の強固な拘り(スタイル)がある。そこには、どうしてもこれを作りたいという意志が伝わる。
本公演は作家・監督の意志よりも当時の映画市場の好みが優先し、自主製作(それだけ気骨あるもの)にするしかなかった映画が原作である。それを舞台化することに大変興味があった。今も昔(50年近く前)も、市場の好みにあわせて作られた作品がスクリーンを席巻するが、そこに映画状況の不毛が垣間見える。そのマイナーイメージのある映画の舞台化...岡本喜八監督の思い、体験が愚直なまでにシンプルに描かれ...舞台は映画と違った意味で素晴らしかった。
戦時下における人間讃歌がしっかり描かれる。映像における情景こそ迫力不足であるが、人間の深奥はうかがい知ることが出来る。
(上演時間1時間45分)
満足度★★★★★
熱演で見応えありました。
以前、岡本監督の追悼番組でCATVで映画を観たことがあります。ATG独特の深みのある作品でした。今回、演劇を観て、熱演もあり迫ってくるものがありました。最後まで見応えのある期待通りのお芝居でした。
満足度★★★★★
映画も観てみたい
市井の人々が経験した戦争の過酷さと無意味さを胸に、
戦う為の意味付け見出したアイツ。
戦争の馬鹿さ加減を静かに見せてゆく重くも滑稽な物語。
舞台美術、装置のも面白く見ごたえのある作品でした。
当日パンフレットに作演出の言葉がさらっと書かれていましたが、
社会的なメッセージを持つ作品だからこそ
少々の時間でもアフタートークで、演出や役者の言葉を聞きたかった。
お知り合いとの交流も大切ですが、物語の背景や演出の想いなど、
そんなトークが聞けるのも小劇場の良いところの一つだと思う。
満足度★★★★
牛になれ!
戦争は生活なんだ。いつ終わるとも知れぬやせ我慢が全編を貫く滑稽さの正体か。そのドラム缶の中に首まで漬かりながら、気が付きもせず、気が付いても封殺される怖ろしさ。反芻せよ!反数(学)に眩むことなく、反生(((活)に陥ることなく、反面と心して'もぐもぐ'すること。さもなくば、またぞろ'解凍'されるぞ、アイツが。
満足度★★★★★
無題1782(16-072)
18:30の回(曇)。
17:48受付(整理番号あり)、18:00開場。
入って左と奥に客席(L字)、最前列はベンチシート。奥に座ります。
3つのエリア。中央、ドラム缶にロープで固定された先端が赤、胴体が白の魚雷が鎮座、周囲は焼け残ったような壁、小便器、今にも壊れそうな小さな木のベンチ、石、毛皮(?)、畳に座布団。
波の音が聴こえてきます。18:28前説(100分)。
6作目になりました。前回ここで観た「穴の中~(2014/8)」は会場の造りを活かした演出と(個人的に)好みの楽曲という構成でしたが、本作ではどうなるのかな、SFではなさそうだし、と思いながら観に来ました。
チラシをみると「一寸法師」の(突撃の)ような印象。
滑稽さ、紙芝居風の進行、秘め事、終戦~現在。人情味あるナレーション(福田さん)が人物の心情や背景の理解を深めてくれました。
毎年夏になると太平洋戦争についての本(新刊がでるので)を読みます。大和、原爆、特攻、海軍、東京裁判...軍人、市井の人々、声なき人々、影になってしまった人々...等々。
お馴染みの方と初めての方。その初めて観る豊田さん(少年)は希望のようにみえました。6月に公演があるようで時間があえば。
◆余談:本作ではアルバムMeddle(1971)から「Echoes」。何度も聴いた曲、最初の音でわかる。73年(ヤング・ミュージック・ショウ)Pink Floyd Live at Pompeiで聴いたのが初めて(だと思います)。そのあと、LPを買ったのは「おせっかい」が先か「狂気」が先だったかはもう覚えていません。公式ライブ音源は持っていませんが高音質ブート盤はたまに聴きます。1988年のギルモア/フロイドの来日公演は4回観に行き、ロジャーのソロは2002年。
満足度★★★★
肉弾
戦争さなかの上官との対話はもっと激しく厳しく感じで表現されてもいいのにと感じがしましたが、お芝居を観ていくうちに、笑わせるところが多々あり、柔らかく表現されたお芝居でとても心地よく観させていただきました。
満足度★★★
演技は素晴らしい。
序盤は楽しかったが、古めかしい表現に徐々に退屈の大波に飲み込まれてしまった。味わいのある俳優さんばかり集めた贅沢な舞台ではある。
満足度★★★★
見事に映画を舞台化していたなぁと感心
人間賛歌で噤む異色の戦争舞台がよく表現されていました
観客は結構年配の方が多いかなぁと
(高齢&若年の2極化していたように見受けられました)
面白いと悲しいとが何か絶妙に混ざった感がユニークだった約1時間50分
満足度★★★★★
観てきました!
今回は、受付 案内のかたがとても良い方で初めていってどきどきしていたのですが安心して観劇できました。
舞台が本当に近くて、男女ちゃんと見て大丈夫でしょうかな肉体シーンもありますが楽しく観ることができました。
岡本作品の舞台化良かったです♪
満足度★★★★★
笑えるから、さらに悲しい
今回も、SPACE 雑遊をフルに使った舞台。
岡本喜八監督の「肉弾」舞台化するのは難しいと思ったので、楽しみでした。まさに「肉弾」でした!
見ごたえありの芝居でした。
満足度★★★★
役者たちの熱演が光る 花四つ星
岡本 喜八がメガホンをとった映画の舞台化である。戦争というものの持つグロテスクな余りの滑稽をアイロニカルに描いた作品としてあとを引く作品だ。(追記後送)
満足度★★★★★
“岡本喜八”が描く戦争
“演劇ユニットG.com”は本作が初見。
奇才“岡本喜八”氏の戦争映画を舞台化した本作。
“悲劇”であるはずの戦争を“喜劇”に仕立てることで、
恐ろしさ、危機感を改めて考えさせられ、戦争体験者である“氏”ならではの境地を感じた。
脚本・演出、そして役者さん達の好演を以って素晴らしい舞台となった。
“岡本映画”どんどん舞台化してほしい。。。
満足度★★★★
いい
戦争物というとどうしても暗い話になりがちで敬遠してしまうことも多いのですがこの作品は現代人感覚に近い主人公のおかげで観やすい芝居でした。
かと言って戦争そのものの悲惨さや愚かさは伝わってきます。
楽しく切ないお話でした。