「 肉弾 」ご来場ありがとうございました。 公演情報 「 肉弾 」ご来場ありがとうございました。」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-16件 / 16件中
  • 満足度★★★★★

    肉弾
    重苦しい描写が続くのではなく、時には可笑しさも見える戦時中の市井の人々の生活…。その人々との出会いを経ながら、突然「神」になったことを自分なりになんとか受け入れようとするアイツ…。
    それらがかえってリアルな感じを受けました。

    こういう作品はもっと若い人たちこそ観るべき、我が子にも観せたかった、と思いました。再演を期待しています。

  • 満足度★★★★★

    映画同様、本公演も胸を打つ
    映画「肉弾」(岡本喜八 監督)が製作公開されたのが1968年、当時は大手映画会社から相手にされずATG製作になっている。それから47年(戦後70年にあたる2015年)、同じように自主製作で戦争末期のレイテ島を描いた「野火」(塚本晋也 監督)が話題になった。時代を経ても、大手映画会社が見向きもしないテーマ、それでも映画作家の強固な拘り(スタイル)がある。そこには、どうしてもこれを作りたいという意志が伝わる。

    本公演は作家・監督の意志よりも当時の映画市場の好みが優先し、自主製作(それだけ気骨あるもの)にするしかなかった映画が原作である。それを舞台化することに大変興味があった。今も昔(50年近く前)も、市場の好みにあわせて作られた作品がスクリーンを席巻するが、そこに映画状況の不毛が垣間見える。そのマイナーイメージのある映画の舞台化...岡本喜八監督の思い、体験が愚直なまでにシンプルに描かれ...舞台は映画と違った意味で素晴らしかった。

    戦時下における人間讃歌がしっかり描かれる。映像における情景こそ迫力不足であるが、人間の深奥はうかがい知ることが出来る。
    (上演時間1時間45分)

    ネタバレBOX

    舞台は、太平洋戦争末期...ドラム缶に魚雷を括り付けて、敵艦に特攻することを命ぜられた あいつ(志村史人サン)の生きる様と彼に関わり合う人々(古本屋の老夫婦、遊郭の前掛けおばさん、砂丘で知り合った少年、軍曹と教師)、因幡の白ウサギ(佐藤晃子サン)との交流を通して観えてくる人間の姿。そこには面白く、哀しい人の世の無常がそこはかとなく浮かび上がる。

    それを実写するような舞台セット…客席はL字型に配置され、最前列はベンチシート。ドラム缶に魚雷(先端部は赤、胴体部は白)をロープで括り付けてある。その右奥に小便器が2個並ぶ。また周囲は、焼け残ったトタンまたは土壁か。この空間が各シーンにおける状況をしっかりイメージさせる。

    戦争という究極の不条理が観えてくる。しかし(戦争)状況は、あくまで軽妙かつ哀歓が感じられるもので、決して悲壮感・絶望感が見える訳ではない。だからこそ、その人間模様は個々人の主義主張を超え、力強い説得力を持っていたと思う。救いはあるのか...神道(教科書)やキリスト教(聖書)の描き方も斜に構えたもの。”あいつ”が感じたことは何であったのか、それを間接的に見せる人間賛歌は見事!心に「寂寞」を抱え、体には「積爆」を抱えるという混乱思考が悲しいまでの人間、いや日本人の当時の状況下を現している。
    それを体現した役者の演技力はもちろん、舞台美術や照明・音響・音楽という技術も素晴らしかった。

    このマイナーとも言える戦争映画を舞台化する。構想20年にしてやっと実現させる。その時期が昨今のきな臭い日本の情勢に敏感に反応する、そこに演劇人としての気概を見たようだ。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★★

    熱演で見応えありました。
    以前、岡本監督の追悼番組でCATVで映画を観たことがあります。ATG独特の深みのある作品でした。今回、演劇を観て、熱演もあり迫ってくるものがありました。最後まで見応えのある期待通りのお芝居でした。

  • 満足度★★★★★

    映画も観てみたい
    市井の人々が経験した戦争の過酷さと無意味さを胸に、
    戦う為の意味付け見出したアイツ。
    戦争の馬鹿さ加減を静かに見せてゆく重くも滑稽な物語。
    舞台美術、装置のも面白く見ごたえのある作品でした。
    当日パンフレットに作演出の言葉がさらっと書かれていましたが、
    社会的なメッセージを持つ作品だからこそ
    少々の時間でもアフタートークで、演出や役者の言葉を聞きたかった。
    お知り合いとの交流も大切ですが、物語の背景や演出の想いなど、
    そんなトークが聞けるのも小劇場の良いところの一つだと思う。

    ネタバレBOX

    アイツと少女が全裸になる場面は、
    映画やテレビと違い息遣いも伝わる演劇だからこそ、
    本当に必要だったのか?また逆に少なくて目立ちすぎたのか?
    ただの笑いと好奇心だけに流れてしまった様にも思われた。
  • 満足度★★★★

    牛になれ!
    戦争は生活なんだ。いつ終わるとも知れぬやせ我慢が全編を貫く滑稽さの正体か。そのドラム缶の中に首まで漬かりながら、気が付きもせず、気が付いても封殺される怖ろしさ。反芻せよ!反数(学)に眩むことなく、反生(((活)に陥ることなく、反面と心して'もぐもぐ'すること。さもなくば、またぞろ'解凍'されるぞ、アイツが。

  • 満足度★★★★

    観てきました
    戦争中の悲惨さより、前向きな感じが、重苦しい雰囲気を中和させてくれて、よかったです。

  • 満足度★★★★★

    無題1782(16-072)
    18:30の回(曇)。

    17:48受付(整理番号あり)、18:00開場。

    入って左と奥に客席(L字)、最前列はベンチシート。奥に座ります。

    3つのエリア。中央、ドラム缶にロープで固定された先端が赤、胴体が白の魚雷が鎮座、周囲は焼け残ったような壁、小便器、今にも壊れそうな小さな木のベンチ、石、毛皮(?)、畳に座布団。

    波の音が聴こえてきます。18:28前説(100分)。

    6作目になりました。前回ここで観た「穴の中~(2014/8)」は会場の造りを活かした演出と(個人的に)好みの楽曲という構成でしたが、本作ではどうなるのかな、SFではなさそうだし、と思いながら観に来ました。

    チラシをみると「一寸法師」の(突撃の)ような印象。

    滑稽さ、紙芝居風の進行、秘め事、終戦~現在。人情味あるナレーション(福田さん)が人物の心情や背景の理解を深めてくれました。

    毎年夏になると太平洋戦争についての本(新刊がでるので)を読みます。大和、原爆、特攻、海軍、東京裁判...軍人、市井の人々、声なき人々、影になってしまった人々...等々。

    お馴染みの方と初めての方。その初めて観る豊田さん(少年)は希望のようにみえました。6月に公演があるようで時間があえば。


    ◆余談:本作ではアルバムMeddle(1971)から「Echoes」。何度も聴いた曲、最初の音でわかる。73年(ヤング・ミュージック・ショウ)Pink Floyd Live at Pompeiで聴いたのが初めて(だと思います)。そのあと、LPを買ったのは「おせっかい」が先か「狂気」が先だったかはもう覚えていません。公式ライブ音源は持っていませんが高音質ブート盤はたまに聴きます。1988年のギルモア/フロイドの来日公演は4回観に行き、ロジャーのソロは2002年。


  • 満足度★★★★

    肉弾
    戦争さなかの上官との対話はもっと激しく厳しく感じで表現されてもいいのにと感じがしましたが、お芝居を観ていくうちに、笑わせるところが多々あり、柔らかく表現されたお芝居でとても心地よく観させていただきました。

    ネタバレBOX

    男性だけではなく、女性のスッポポンになるシーンにはおどろかされました。ただ、フライヤーにその辺については記載されていなかったように思います。何らかの注意書きは必要ではないでしょうか、
  • 満足度★★★

    演技は素晴らしい。
    序盤は楽しかったが、古めかしい表現に徐々に退屈の大波に飲み込まれてしまった。味わいのある俳優さんばかり集めた贅沢な舞台ではある。

  • 満足度★★★★

    見事に映画を舞台化していたなぁと感心
    人間賛歌で噤む異色の戦争舞台がよく表現されていました

    観客は結構年配の方が多いかなぁと
    (高齢&若年の2極化していたように見受けられました)

    面白いと悲しいとが何か絶妙に混ざった感がユニークだった約1時間50分

    ネタバレBOX

    舞台セットとして既にラストのドラム缶=銀色の新品に括りつけられた魚雷が配置されていました。 そして最後の特攻シーン後の漂流現場から回想風に物語が語られてゆきます・・・。(開演前からのBGMは波音のみ・・)

    昭和二十年の盛夏。魚雷を脇に括りつけたドラム岳が、太平洋に漂流していた。この乗組員、工兵特別甲種幹部候補生の”あいつ”は、まだ終戦を知らなかった。あいつが、ここまで来るには可笑しくも悲しい青春があった。演習場のあいつ。候補生たちは、みな飢えていた。あいつは、めしと死以外を考える余裕はなかった。乾パンを盗んで裸にむかれたこともあった(反芻の小芝居がけっこうインパクトあったさぁ)。それから、広島に原爆が落ち、ソ連が参戦した。そして予備士は解散され、あいつら候補生は特攻隊員にされた。一日だけの外出を許されたあいつは、無性に活字が恋しくなって古本屋へ行った。だが、活字で埋った本は、電話帳だけだった。。そこには、B29に両腕をもがれた爺さんと観音さまのような婆さんがわびしく暮していた。店主に薦められた本は「聖書」で、あいつは気に入って代金を払おうとするが、店主はションベンを手伝ってくれればタダでよいと・・・。手伝うあいつ。 あいつは、やりきれなくて焼跡の中の女郎屋に飛込んだ。けばけばしい女たちの中で、因数分解の勉強をしているおさげ髪の少女(=ウサギ)が、あいつに清々しく映った。だが、あいつの前に現われたのは、前掛けのおばさんだった。再び雨の中へ飛出したあいつは、参考書を待った少女に出会った。なぜか少女はついて来た。やがて二人は防空壕の中で結ばれた(なかなかにインパクトあるシーンでした)。翌日のあいつは、対戦車地雷(明日本物の火薬が届くまで砂で代用しての予行演習)を抱えて砂丘にいた。少女、古本屋の老夫婦、前掛けのおばさん、そして砂丘で知りあった少年。あいつが死を賭けて守る祖国ができた。そして、その夜の空襲で少女が死んだ。それから、作戦が変更されあいつは魚雷と共に太平洋に出た。あいつは、ドラム缶の中で少女を殺した敵をじっと待ったが、敵機の機銃掃射を受けて、彼のメガネは飛び散ってしまった。日本は敗けた。だがあいつはある朝、大型空母を発見した。あいつは執念をこめて九三式魚雷を発射したが、魚雷は泡をたてて沈んでしまった。それから間もなくあいつは、空母と錯覚したし尿処理船に助けられ、終戦を聞かされた。し尿処理船に曳航されながら港に向かったあいつだが、腐ったロープが切れてしまい取り残されてしまった。しかしあいつはそれに気づかずに怒号していた。それから二十年余、海水浴客で賑わう同じ海に、ドラム缶が浮いていた。その中で、北極を回って冷凍されたあいつが発見される・・・・。(映画ではドラム缶内で白骨化してましたが) ・・・・・その後、解凍・・・蘇生したのか・・・・”あいつ”はドラム缶から出て劇場の隅のエレベーターに乗り退場して終劇です。

    可笑しみありインパクトあり
    こんな反戦の表現もあるんだなぁと感心しました

    勝手な想像ながら”あいつ”は敵兵を殺したいのではなく
    敵の使う武器の破壊=無力化がしたかったんだろうなぁと解釈しました
  • 満足度★★★★

    肉弾
    体を張った全力投球の演技は見応えがありました。

    ネタバレBOX

    体当たりの演技は素晴らしかったです。重苦しくなくコメディぽい面があってよかったです。
  • 満足度★★★★★

    観てきました!
    今回は、受付 案内のかたがとても良い方で初めていってどきどきしていたのですが安心して観劇できました。

    舞台が本当に近くて、男女ちゃんと見て大丈夫でしょうかな肉体シーンもありますが楽しく観ることができました。

    岡本作品の舞台化良かったです♪

  • 満足度★★★★★

    笑えるから、さらに悲しい
    今回も、SPACE 雑遊をフルに使った舞台。
    岡本喜八監督の「肉弾」舞台化するのは難しいと思ったので、楽しみでした。まさに「肉弾」でした!
    見ごたえありの芝居でした。

  • 満足度★★★★

    役者たちの熱演が光る 花四つ星
     岡本 喜八がメガホンをとった映画の舞台化である。戦争というものの持つグロテスクな余りの滑稽をアイロニカルに描いた作品としてあとを引く作品だ。(追記後送)

  • 満足度★★★★★

    “岡本喜八”が描く戦争
    “演劇ユニットG.com”は本作が初見。

    奇才“岡本喜八”氏の戦争映画を舞台化した本作。

    “悲劇”であるはずの戦争を“喜劇”に仕立てることで、
    恐ろしさ、危機感を改めて考えさせられ、戦争体験者である“氏”ならではの境地を感じた。

    脚本・演出、そして役者さん達の好演を以って素晴らしい舞台となった。

    “岡本映画”どんどん舞台化してほしい。。。

  • 満足度★★★★

    いい
    戦争物というとどうしても暗い話になりがちで敬遠してしまうことも多いのですがこの作品は現代人感覚に近い主人公のおかげで観やすい芝居でした。
    かと言って戦争そのものの悲惨さや愚かさは伝わってきます。
    楽しく切ないお話でした。

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