タルタロスの契り 公演情報 タルタロスの契り」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★

    迫力のある作品とは思うが・・・
    しっかりした演技力を感じる舞台ではありましたが・・・大変失礼な事を書きますが、メインの二人(後日談から想像しても)話の中心となっている時代は男盛りではないかと・・・とすると、年齢的に無理を感じます。役者は舞台で歳を取らないとは言いますが、小さい劇場でしかも声に艶もなくなってきている方が演じるには少々苦しいものを感じました。

  • 博打
    博打の醍醐味、勝負とは何かについてはなんとなくわかったかな。
    勝者(強者)の演技はとても迫力があってよかったが、敗者(弱者)の演技はいまひとつといった感じ。
    昭和の古いよき時代の雰囲気がみどとに再現されていました。

  • 満足度★★★★

    時代背景
    任侠とは違いますが、まだ戦いが身近でアイヌは別国扱いの世の中に、憎しみもある時代背景を踏まえれば、弱さと芯の強さをそれぞれ描いていて、久しく感じていなかった昭和の戦後を感じられる作品でした。

  • 満足度★★★★

    ふくろうの声が聞こえる
    単純なルールほど理の分け入る間はわずか、何故面白いのかと訝しく思ってきたが、“博奕は財布の範囲内”など自己矛盾、破綻の必然こそ本質、そして度胸とは'信仰'の程度であったか、と得心した積りになる。死に損なった者同志、シャモとアイヌも同志、負い目を振り払う刺激を求めて臨死の拷問を自らに課し続ける同志。常在戦場、勝負のための勝負こそ生きることそのもの、という感触が気持ちを高ぶらす、それだけの迫力ある舞台。

  • 満足度★★★★

    丁寧な作りと確かな演技
    北海道新幹線が3月26日に新函館北斗駅まで開通した。この公演では「碧血の碑」の前で、アイヌ人(フクロウ)と内地人(ラバ)がタルタロス(奈落)...勝負からおりないことを誓う。それが70年ほど前の話であるが、今後は陸(鉄道)と空(飛行機)の競争となる。また新聞記事に、この地に漫画「北斗の拳」の主人公・ケンシロウの銅像が建ったとあったが、戦いはマンガの中で...。時代、隔世の感といったところ。

    ネタバレBOX

    公演は、戦後間もない頃(1947年)から大阪万博前年(1969年)までの北海道函館の雀荘兼売春宿(死語?)の「五稜邸」が舞台になっている。アイヌと内地人の争い、しかし第二次世界大戦の前では、いつの間にか同胞的に戦地に行かされ、死地をさまようことになる。その後、終戦になり生きる気力を失う男たち。一方、色々な事情があるにしても逞しく生きている女たち、その対比も垣間見える。

    この函館という寒地を背景に、奈落という深淵に魅せられた(勝負)男たちの戦い(賭け)が熱く語られる。しかし、自分は、「碧血の碑」やイコン画の「山下りん」の名前などが出てくるが、この物語における関係性(土方歳三の血筋の話はあった)が判然としなかった。主題はそちらにあるのか、物語の背景を表現しただけのものか。

    舞台セットは、中央に雀卓、上手に”だるま”ストーブ、下手にミニカウンターが置かれている。そのつくりは重厚感があり、物語の見せ所である勝負シーンの緊迫感と相まっていた。時代という大きなうねりの中で虚無的になっている男たち、しかし目先の卓は、遣る瀬ない心を奮い立たせる場でもある。生きがいとは何か、そこに命を懸ける値打ちがあれば、親兄弟まで犠牲にして金策に走る。

    一方、女衒の元締め、その悲しいまでの生い立ちが、同性をも食いものにする銭ゲバに成長し逞しさを見せる(「だるま」は俗語で売春婦を意味していたような)。

    戦後の混乱期における自我・自立の「虚無」と勝負・賭事への「情熱」というアンバランスな精神構造が当時の人間性を象徴するのか。全体的に丁寧な描きで演技も上手いが、その”勝負事(奈落)”という表層は見えるが、自分にはその現実感と切迫感が分からない。それゆえ感情移入という点においては、今一つという印象であった。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★

    演技力
    賭博に命をかけた男達のストーリーでしたが、自分が賭博とは無縁のせいか、共感出来ませんでした。何だか、賭博をする理由を美談にしたように感じてしまいました・・。ベテランの役者さん揃いで、演技は見応えあり良かったです。

  • 満足度★★★

    よかった
    骨太のしっかりした感動的な物語だった。舞台美術もよかった。役者たちもよかった。

  • 満足度★★★

    残念
    こちらでの評に興味をもって、初めて観劇。
    やはり旺なつきさんの存在感に圧倒される。

    ストーリーも起伏に富んでいて、思わず引き込まれる、と書きたいところだが、その手前でどうしても入り込めなかった。
    台詞が話し言葉の体をなしていないのだ。
    自分が書きたいことを、それっぽく話し言葉に替えているだけで、説明台詞に至っては、どこかの本からコピペしたかと疑うほど、ただの文章でしかない。
    こんな血の通っていない台詞を喋らされる俳優たちに同情した。
    スト-リー自体は面白いだけに残念。

  • 満足度★★★★

    手堅いなぁ
    俳小らしい上手な芝居で手堅い作品。戦後の時代と博打に生きる男たちと人間模様を描ききっている。博打をテーマにしている分だけ,自分にとっては理解しづらく感情移入も出来なかったが,芝居としては立派な作品と思う。とにかく演技は良かった。

  • 満足度★★★

    タルタロス
    副題に、=「命より大切なものがあるんだ」=、とあるのですが、
    この作品の云いたいこと(テーマ)が、あまり伝わってきませんでした。

    “奈落”を経験したことがないからかもしれませんが、
    ≪博打好きの人間が集まって、何~か盛り上がっているな~。≫と・・・。

    上手な芝居をする役者さん達でしたので、勿体無いと思いました。

  • 満足度★★★★

    まじめなつくり
     碧血碑というものがあるという。義に殉じた士の血は、死後三年を経て碧玉に変わるとの言が荘子にあるとか。(

    ネタバレBOX

    荘子外物篇「萇弘は蜀に死す。其の血を蔵すること三年にして化して碧と為る」ウィキペディアより)函館五稜郭で榎本武揚に従った土方らが最後を遂げたことは周知の事実だが、彼らを顕彰して建てられた碑にこの名がつけられたという。だが、今作は幕末の話でもなければ、武士の話でもない。時代設定は第二次大戦後のどさくさから大阪万博辺り迄だ。
    明日は閉めるというかつての賭場、五稜郭で、伝説となった一騎打ちがあった。卓の上に置かれた牌はその時用いた牌であるとの振りで、戦争中、左翼であった為に特高に捕まり拷問を受けたが口を割らなかったガミが、20年前の話を語りだすという設定だ。
    話の中心は敗戦直後、米兵にレイプされ、パンパンになった女性が100万人とも言われた時代の博打打ちの話である。
    敗戦を終戦と呼び換え、その真実に向き合おうとしない日本人は圧倒的に多かろう(その証拠に終戦は9月2日であるにも関わらず、それが敗戦なのを誤魔化す為に8月15日を終戦記念日と言っているではないか)が、戦中、特攻隊として徴用され死の恐怖を逃れさせる為にシャブを使われ死だけを目的として強要され続けたにも関わらず、エンジントラブル等の事情で死に損なった元特攻隊員、死線を掻い潜って漸く生き残ったものの、裕仁の一言で今度は敗戦の屈辱を舐めねばならなくなった兵士達は、完全に生きる実感を失い虚脱状態に陥ってしまった。
    そんな彼らにも生きる実感を掴ませてくれたのが、博打であった。負ければ自分の姉・妹迄売り飛ばしてでも金を作って博打に賭ける。切羽詰ればヤクザに殺されることは目に見えているのだが、本当に彼らの賭けているものは、無論金などではない。己の命である。そんな博打打の中でも殊更に強い四人の勝負と各々の打ち方、性格を、勝負の様子を演じるのが、今作の見どころだ。この勝負、最後は差しで張り合う、アイヌのふくろうとシャモのらば伝説の名勝負である。
    真面目な作りかたの作品だが、どちらかというとコンセプチュアルな作りで、唯一の主権者天皇と天皇制、軍部の跳梁跋扈に振り回された民衆の、苦しみと傷みの意味する所を掘り下げその視座からこの鵺社会を捌いていない点が気になった。
  • 満足度★★★★

    時代背景の用語などを詳しく知らなくとも・・・・
    賭博の凄さは伝わってきたなぁと感じた約2時間強の舞台

    世の中にはギャンブラーとギャンブラーでない奴しかいないという言葉を思い出し=自分はギャンブラーではないなぁと再確認させてくれた話でした

    ネタバレBOX

    原作:さいふうめい氏の台本でしたのね・・・漫画は読んでないですけど

    戦後・昭和22年の北海道・函館を舞台に、麻雀牌を使った手本引「牌(ハイ)ホンビキ」(親の出す数当て)によるギャンブルで、玄人(バイニン。- 博打打ち。)たちの命を懸けた駆け引きを描いていく物語。舞台は賭場である”五稜郭”という雀荘内。中央に1卓だけある雀卓で命の駆け引きである博打が繰り広げられてゆきます。

    函館中の賭場を荒らしまわる1人の玄人(バイニン)がいた。その名は「フクロウ」と呼ばれ、「牌ホンビキ」で幾多もの賭場を潰していった。女郎屋・開陽楼の主人・ミィは雀荘・五稜郭のマネージャー・ガミに、フクロウに対抗すべく強い玄人を探させ、集めたコゲ沼、ヒー坊、そしてガミのかつての親友・ラバと呼ばれる打ち手を雇いフクロウを迎え撃つ…。

    フクロウ=函館中の賭場を荒らしまわる玄人。牌ホンビキでは百発百中出目を当てる凄腕。長髪とアイヌ民族風の衣裳を纏っている。実はレイテ島に一兵卒として出兵し、本土の兵の盾とされたアイヌのたった1人の生き残りであり、本土の人間を憎んでいる。
    ガミ=雀荘・五稜郭のマネージャー。本名「三上(みかみ)」。ミィに依頼され、フクロウに対抗すべく玄人を探す。また勝負の解説もしてくれて話が分かりやすかった(^^) 冒頭では来年が万博で明日には五稜郭を閉店するという話。
    ミィ姉さん=女郎屋・開陽楼の女主人で五稜郭を仕切る責任者。ガミをこき使う策士でもある。ため込んだ金を狙った悪党に刺され死亡・・・。持ち金の半分を女郎の墓にと、もう半分は教会の鐘の再建の寄付にと遺言する。
    ラバ=ガミの幼馴染で親友。本名「桜庭浩一朗(さくらば こういちろう)」。ステッドラーの6Bの鉛筆を持っている。戦時中は特攻に出兵して生還した強運の持ち主。しかし、それ以来博打の話ししかせず、不貞腐れた風貌となっていたが、ガミに「賭場が立つ」話を持ちかけられそれに乗り、勝つことを前提にフクロウに挑む。ガミ曰く「昔から喧嘩は滅法強い」。話の冒頭は20年ぶりにガミと五稜郭で再会するシーンからです。フランスで画家として有名になっての凱旋なのですが本当はフクロウとの約束の絵を渡しにきたのでした。
    コゲ沼(コゲぬま)=室蘭の玄人。2年前の室蘭大空襲で「真っ黒コゲ」になっても生き残った強者。牌ホンビキでは、胴(親)においては子が何人いようがその出目をかわす「かわしの天才」の異名を持つ。右頬に火傷の跡がある。1番勝負で狙い撃ちされ100万の借金を負うも、2番勝負で起死回生し妹の女郎屋流しも免れて博打にコリて足を洗った。
    ヒー坊=長万部の玄人。医者の息子で医大生・・・・・のふりをしていた貧乏な家の出であり、ヒモやってた・・。大量のタネ銭を背景にフクロウに挑むも2番勝負で大敗し自刃する。
    碧(みどり)=フクロウの女。空襲で家族を失い失語症となっていた。記憶力が良く、牛骨竹背の麻雀パイの竹の目を覚えてフクロウに伝えてイカサマして勝たせていた。
    チヨ=コゲ沼の妹。絵を描くことが好きで東京へ絵の勉強しに行くために5千円を貯めていた。
    仁美(ひとみ)=ヒー坊の女。ストリッパー。何とかヒモであるヒー坊を博打から・・せめてレートの低い博打へと変えて欲しく言うも伝わらず・・・。

    パンパンとかヒロポンとかの時代用語説明とかは販売パンフに載ってたのかしら・・?
  • 満足度★★★★

    賭博は怖い!
    賭博の迫力というか、私にとっては賭博の怖さを感じました。そのため梟の神の自ら歌つた謡「銀の滴降る降るまはりに」や戊辰戦争の土方歳三など背景となる話が脇に追いやられた感があります。俳優陣の上手さを感じましたが、終わってみれば、「博打の話だったのか」の印象がもったいない気がしました。良い舞台だったことは確かですが。。。

  • 満足度★★★★

    戦後を生きる人間模様
    戦後の混乱期に生きる底辺に位置する人間たち。
    生の実感を感じる為に、賭博にかける賭博師達。
    そして、振り回される女たち・・・。
    そんな、人間達の根底にある欲望と優しさが混在する物語でした。

    ただ、男女関係の描写をもう少し深く表現してほしかったという我侭があります。

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