需要と供給について考えさせられる一作
CoRichで2月13日東京で公演中の舞台を探すと103本。
明らかに需要よりも供給が多すぎるというのが現在の舞台の現状なのでしょう。
はたしてこの103本の中で幾つの公演が同じ仲間内でグルグルとチケットを回したり知人・縁者に頼らずに成立し得るのだろう。
志は高くても才能や資格に欠ける方がやる気だけで演じていける。
淘汰の仕組みに欠けた優しい世界。
演劇はそれほど頻繁に観る訳ではないが、貴重な時間とチケット代を割いてもそれに見合った満足感を与えてくれる舞台には殆ど出会えないという経験を重ねるうちに、そんなシニカルな視点を持たざるを得なくなってしまった。
この舞台も、そんな気持ちを持ち帰ることになった一本。
一人ひとりの役者の方のパッションは狭い小屋で目の前で演じられることもあり十分に堪能できるものであったが、どこかで読んだことのある話が継ぎ接ぎされた様な脚本と他者目線での推敲が成されていないであろう雰囲気重視で見通しの悪い台詞。
小屋が狭いがために、明らかに退屈している他の観劇者が視線に入る。
演者を含めた脚本家以外のスタッフの方々や観客の皆さんは、このストーリーを1回で理解できたのだろうか。恐らく理解出来なかったのではないか。
例え瞬時に理解できないテーマを持たせたかったとしても、初見で楽しめない物語はエンターテイメント足りえず、世代を超えることは出来ない。