満足度★★★★★
人間なんてララ〜ラ〜ララララ〜ラ〜。
人間て、やっぱり愚かで愛しい。悪気はないのに、寧ろ愛をもって人を傷つける。そして自分も傷を負う。作演出の田上さんには、ぜひリアル岡田先生にご連絡して戴きたい…と、トークの質疑で言えなかったリアル中学教師は願う。●統廃合、いじめ、不登校、体罰…学校が抱える難題がゴロゴロ。前半のわちゃわちゃしたバカバカしさが、後半に効いてくる。彼等はきっと学校が大嫌いだったけど、これからずっと繋がっていけるのだろうなぁ。教師が(特に中学)報われるのは、卒業式と成人式くらいだよ。●岡田先生は、失敗を児童にきちんと謝罪できていいね。能島瑞穂さんが好演。岡田先生は苦しい3年を過ごしたね。解放されてよかった。●長野海さんが素敵。じゃりン子チエばりの小学生から、ませた女子中学生、究極はナース服のお母さん。その振り幅の広さに爆笑と感服。スクール水着もナマ着替えも天晴れだけど、白衣の美しさが眩しすぎる。洗練されたよそ者への、お母さん連合の反発が生々しかった。●中学デビューした平田さん。学級委員の優等生のやさぐれ方が痛々しい。何が彼女をそうさせたのかを考えると苦しくなる。真っ直ぐな気持ちの持ち主だからこそ、消化できなかったのだろう。純粋な彼女を、江花明里さんが好演。●この中学校がまっとうなのは、やさぐれた平田さんをチヤホヤすることなく、「不良!」と切り捨てる純粋さ。本当にダメな学校は易きに流れる。大道のような、ヤンチャだけど真っ直ぐなヤツがクラスや学校を救う。いま、子どもたちの中に大道がいない。日高啓介さんが好演。●長野海さんの「苛立ち」「ジレンマ」から発する地団太が最高級品。あの地団太を観るだけでも足を運ぶ価値がある。人生はままならないことだらけだ。この作品に流れる本質を、あの地団太がすべて内包している。暴れまくってる。そうだ、人生はジッとなんてしてられない。●ジゴクという名の中学校。宣言通りに戻った岡田先生。月出では軍曹だったけど、出水での表情は菩薩だった。大道との対決は涙無しでは見られない。「率直さに救われた」と言える大人の度量と率直さ。見習ってほしいドアホが職場に多すぎる。そこに絶望、ここに希望があった。●とにかく彼らが心配だ。卒業(千秋楽)したらどうなっちゃうんだろう。あんなにもしっかりと生きたら、あんなにも級友と繋がったら、あんなにも時間に足跡を残したなら、そこを離れる時に失うものの大きさに耐えうるのか心配。観ている人間がそう思うほどの作品。
満足度★★★★
あの日見た花の名前を僕達は生涯知りえない/約120分
喜怒哀楽に満ち満ちて騒々しい子供たちの日常を、学校を舞台に描く。
いろんなことが畳みかけるように次々起きて、爆笑したり、ニンマリしたり、しみじみしたり。。
もう二度と戻らないあの頃が、舐め回したくなるほど愛おしくなった。
満足度★★★★★
ちょっとギャグっぽいつるの恩返し
二部構成ながらも、前半は、児童劇仕立ての内容でコントも織りまぜて。後半は、田上バル風にアレンジした、劇中劇「つるの恩返し」は、けっこうギャグっぽくて、一時は、ぶちこわしになるのではという心配しましたが、こういう構成も田上バル作品では、異色の内容的だった、2時間でした。