わかば 公演情報 わかば」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-14件 / 14件中
  • 満足度★★★★

    観劇三昧で拝見。
    亀山浩史さん(185cm)、菊池佳南さん(キクチ・カナミ、154cm)の一見「チッチとサリー」な疑似夫婦の生活をスケッチした70分強のブラックユーモアあふれる二人芝居。
    起承転結がハッキリしていないと満足できない方もおられるようだが、ベッドの下に眠っている〇〇〇の事などなど、伏線を敢えて(かなぁ?)回収しないエンディングは個人的には好み。
    うさぎストライプさん、ナマでは「空想科学II」しか観ていないのだが、本作も初見は是非ライブで観たかった!と4年後に臍を噛む思いがしたw

  • 満足度★★★★

    ウェディング
    二回見たけど面白かった。

    ネタバレBOX

    男は、束縛され(それを受け入れ)つつも「ここから出してくれ」と叫び(OP)、いざ出るとなると臆してしまう(ED)…そんな子供っぽい男を温かく見守るような作品かな。そう考えるとあんまりキモくもないかな。むしろ愛らしい作品なのかもと思い始めた。

    自分を受け入れてほしいと思うから相手の要求を受け入れ、こっちも要求したりして、そこに安定した関係が生まれる。ちょっとした不満を感じつつも、なんだかんだ、それが日常なんだなと。こう書くと面白味がないような感じもするけど、細かなとこで妙な質感のある作品だからか、面白いと感じたんだと思う。
  • 満足度★★★★★

    妖しの閉回路/75分弱
    ココお得意の抽象表現を駆使することで描きえた、どこか観念的にして怪しい閉鎖世界。怪しさは妖しさにも通じて、否応無しに釣り込まれた。
    舞台はいちおう現代日本だけど、世界中にあまねく伝わる神話みたいな普遍性を感じたなぁ。

    ネタバレBOX

    サディストで束縛魔だった愛妻がいなくなり、就活のため上京してきた妻の妹と暮らしている男の話。
    変態だった妻にどんどん似てきた妹と関係し、やがて身ごもった妹に「妻は男の子が出来たら僕みたいに苛めるつもりだったんだ」と訴える男。
    その男が妹の胎内の男児と同化し産道へ向かうラストにも戦慄したが、それ以上にブルッときたのが、男が蓋を開けてベッドの下の物言わぬ誰かさんに一方的に話しかけるシーン。
    話の内容から察するに、どうやら相手はいなくなった奥さん。
    男は妻を殺してベッドの下に隠したということ??
    ここが謎のままで終わるところが本作の一番の醍醐味になっている。
  • 満足度★★

    ネタばれ
    女性作家が愛を描くと妄想以上に歪んでしまうのは何故だろうか?

  • 満足度★★★★

    キーワードはハイヒール
    大胆な男性とわかままだけど、理解できる女性との二人芝居。劇中のキーワードに、ダンス用のハイヒールが登場し、二人で社交ダンスや、ちょっと暴力っぽい場面もあって、「幸せ」らしい二人芝居だった、75分でした。

  • 満足度★★★★★

    説明文にドキドキして
    わたしの子どもは、きっと男の子だと思う。その子が歩き始めたら、ヒールのついた靴を履かせて、遠くに行けないようにしよう。大きくなったわたしの子どもが、わたしの頭をヒールで叩いて、わたしのことをすっかり忘れて、生きていってくれればいい。死ぬほどに幸せだった、バラ色の人生。

    ワカル。ワカラナイ。分かる。いややっぱり分からない。
    そんな不思議な感覚と独特の美しい雰囲気に惹かれ、二度目の小竹向原へ。

    ネタバレBOX


    舞台に足を踏み入れる。「セブンスター」のセットの、普遍的な幻想性のようなものは感じない。ありふれた生活空間の情景。と、横たわる男性ーーーの足には人目をひく赤いハイ・ヒール。奇妙さはあれ、心惹かれるかと訊かれるとこれまたわからない。あれこれ考えているうちに劇が始まる。
    だしてぇーーーーからの激しいミュージック、そして何事もなかったかのように始まる日常の一場面。何とも演劇的。イイ。
    ドアから入ってくる女性、菊地さんが「フツウ」に映るのは亀山さんのいでたちがあまりにも強烈で美的で、物語性を持っていたからに違いない。そして女性が「フツウ」であればあるほど状況の異常性は真に迫って伝わってくる。銀の食器の上にはけばけばしい色の縫いぐるみ、これは何かの象徴だろうか。生々しさ…?弱肉強食、動物的な営み、そうとって差し支えないのであれば、この作品の肖像も自然と浮かんでくるのではないか。
    ーー愛に束縛され、愛を束縛する、それがマンションのワンルームで繰り返される、それもまた運命に束縛されていること。マンションのワンルームとはまさしく胎内である。
    男はおそらく二度とは部屋には戻らない。そしてふたばは、子どもにわかばと名付けるのだろう。愛する男の約束に縛られて。
    この何とも言えぬ肉迫感は噛めば噛むほど味が出て楽しいものだ。

    けれど、そこに至るまでの流れが長かったようにも感じられる。
    一向に動かない場面。男の感情はラストに近づくまで掴み難い。
    説明文を台詞の中でほぼそのまま読み上げていたように感じてしまったのも少し残念。

    とはいえ説明文の(わかばでありふたばの)思いのようなものはちゃんと垣間見えたような気がするし、ふたばちゃんの痛々しいまでの可愛らしい愛情にキュンときたので、今回の劇は大満足である。

    個人的にはふたばちゃんのウエディング・ドレス姿が大好きだ。
  • 満足度★★★★

    不思議感覚
    からのなるほど

    ネタバレBOX

    束縛されることを受け入れマゾ的生活を送っている夫が、殺害した妻をベッドの下に隠しながら暮らしている中に、妻の妹が就活のため居候するというサイコ話。

    かと思っていたら、へその緒が絡んで暴れたりする胎児がそれでもそのへその緒から栄養を受け取り、束縛されつつも母親に守られている様を表象する内容の話でした。

    不条理劇風不思議感覚を味わいました。種明かしでスッキリしましたが、種明かしが無かったらもっと不思議感覚のままでいられたかもしれません。その代わり、蹴とばしたりして暴れていたかもしれませんが。

    ポマードで固めたような頭、真っ赤なハイヒールはとても印象的でした。
  • 満足度★★★★

    それでいて面白い!
    異様な状況を呑み込んで暮らす様子が気味が悪い。ふーん、そういう世界なのね、と油断すると、生々しい嫌悪が込み上げてくる。2人の高ぶらないトーン怖かった。身長差に萌えた。

  • 満足度★★★★★

    面白い。今までのうさストじゃない
    観る前にこりっちの書き込み(しかもネタバレ)を読んだ事をめっちゃ後悔しました。事前情報無しで素の状態で観て欲しい。うさストの演劇を知っている人は驚くはず。多くは語りません。小竹向原に急げ。

  • 満足度★★★★

    偏った人達の偏った愛情
    アトリエ春風舎にて75分。
    うさぎストライプは何度目かの観劇となるが良作にめぐり合えるのは幸せな経験である。

    ネタバレBOX



    縛られている男。
    舞台が明けて目に飛び込んでくるのは部屋の中、縄で縛られている男だ。
    そして男は器用に靴のかかとでPCのキーボードを叩く。だが履いている靴も赤のハイヒールである。
    だがそこに悲壮感や特殊な性癖を感じさせるものはなく、何かの事件性があるものではないことがわかる。

    帰宅する女。
    就職活動中であると思われる女が帰ってくるが縄はそれでも縛られたままだ。女が食事の準備を始めるが出てくる食事もなぜかぬいぐるみ。そしてそれをなにごともなく食べ始める二人。何かを意図しているようにも見えて意図していないようにも見える。そこに観客は意味を見出そうとし、自然と集中力が上がる。

    話が進むにつれて二人の関係が義理の兄妹であることがわかる。
    いなくなった、妻である女を自分の家で待ち続ける男、そして妻の代わりとして居続けようとする妹。安っぽいドラマであればそこから愛情に発展して物語が・・・となりそうなものではあるがこの物語はそうではない。
    男はいなくなった妻を愛し待ち続け、妹はそんな兄に好意を持ち、姉の代わりでもいいからと居続けようとする、そんな二人の日常が少しずつ変わっていく。
    ある種の歪んだ愛情と歪んだ関係性でつながる二人の物語は幸せなようにも見えて悲しいようにも見える。この話の中でも大池の演出は光る。
    独特の身体性を持たせつつ日常の会話を繰り広げる二人のやりとりは、見ている観客に疑問を投げかけるとともに、やりきれない、内に秘めた感情に抗おうとする人間のあがきのようなものが見えるのだ。

    うさぎストライプの新作は、繊細な心理描写の中でそれでも無意識にあがこうとする愛おしい人間達の物語だ。
  • 満足度★★

    ほぼ何も感じず、ただぼんやり見ていた
    75分ぐらいを……。

    ネタバレBOX

    「わかば」と言う名のゴトーを待っているような作品なのかと思ったら、そうではなかった。「待つ」ことにはあまり意味がないようだ。

    ロープと赤いハイヒールの男という設定で、板付きで舞台の上にいる様子が、いかにも「つくりました」という感じで、最初から「あ〜あ」な印象だった。
    まあ、徐々にその理由が明らかになるだろうな、と思っていたらその通りだったし、それほど「へぇ」とも思わなかった。

    「それで……」としか思えず、なんとも薄っすい印象で、75分ぐらいをぼんやりと見るだけだった。

    男が妹・ふたばをいきなり蹴り、ハイヒールで殴るシーンには、狂気を感じてこれから面白くなるぞ、と期待したが、それもあまりにも意味がありすぎてつまらなかった。殴られて倒れたふたばが、マイクを持って歌い出すところでは、「おっ! 面白くなってきたぞ」と思っていたのだが。

    いきなりのこの暴力シーンは、実は男のほうから妹・ふたばを求めていたのではないか、とあとからわかるのだが、それとのちの男の行動が結びついていかない。
    「ベッドの下に…」という展開は悪くなかったのだが。

    男は1日中後ろ手に縛られているわけだから、「トイレはどうするの?」の観客に思われた時点で、舞台上の世界観が作り込まれていないのではないか。
    少なくとも私は「トイレはどうしてるのか?」と思った。ずっと縛られて食事も取らせてもらえずにいたときも。

    そんなことは関係ないぐらいの不条理感が舞台の上にあれば、そんな余計なことは思わないし、思っても納得できる。また、ある程度、(観客側との)現実と地続きとして舞台の上を成立させたいのであれば、そんなどうでもいいころを含め不都合なこともうまく適当にかわしてほしい。

    女に対して従順な男が、(前の)妻・わかぱに求められたことを素直に実行して、また、その妹・ふたばに求められれば、その通りに実行しただけにしか思えなかった。
    「従う」こと、「縛られる」ことにそれ以上の意味を見出せなかったからだ。

    もちろん、男女の関係以上に、人間の関係や、拘束についてなど、いろいろと深読みすることも可能だが、深読みしたいと思うほどの面白さが感じられなかった。

    縫いぐるみを使った食事も、最初は「!」と思ったが、2回目からすでに飽きていた。
    例えば、こういうところを徹底的に面白くするか、あるいは徹底的にうんざりさせるかのどっちかにしてほしい。乾いた笑いでも起きればなあ、と。

    いろんなところで変な間があって、それがなんか気持ち悪く、気持ち悪さを意図して、変な間を設計してあるようには思えないところが、また気持ち悪くって、どうも楽しめなかった。
    役者の出し入れとか、位置とか、まあそんなところが微妙すぎたのではないか、舞台の上に変な緊張感が欲しかったので、そのあたりは精緻に設計すべきではなかったのか、と。照明も含め。

    せっかくの役者の身長差も、なんかもったいない。
  • 満足度★★★★★

    渇きと乾き
     独特の乾いた感覚処理が良い。

    ネタバレBOX

    また、ここで描かれている登場人物たちの背景に広がる世界が、実にグロテスクなものであるらしいことを感じさせる点も良い。実際、我らの生きている状況はグロテスクそのものである。文部科学大臣が大学の自治を否定したりhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016031502000125.html、環境省が、核の塵を一般塵として処理する法律を作ったりhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016042802000267.html、自由を否定し、民衆の為の報道を力でねじ伏せるべく総務相がメディアを恫喝しまくる。http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201602/CK2016021002000126.html。要は、地球上の総ての生命に対する冒涜である行為、即ち放射性核種をばらまく愚か極まる下司が支配者であるという現実。これがグロテスク以外の何だと言うのだ!! 社畜と言われてへらへらし、血税を宗主国であるアメリカに収奪されながら、喜んで尻尾を振る奴隷根性の塊、それが日本人(・・・)だろう。
     とはいえ、今作で以上のことが直接描かれている訳ではない。ただ、歪んだ人間関係の発露が、極めて効果的に描かれているだけである。登場人物は2人。タイトルの“わかば”は登場しない。実際にわかばが(居る・居た)のかどうかさえ定かでないように組み立てられた作品だ。自分は、既に彼女は死んでいると解釈した。というのも、登場する人物の1人である男は、わかばの主人、そしてもう1人はわかばの妹と名乗る女であり、彼女は戻らない(・・・・)姉の代わりに、姉との約束(・・)を守り続ける義兄と、終には子作りの行為をし妊娠するのだが、男は生まれるのは娘だと言い張り、その名を“わかば”と命名する。
    先代わかばは、子作り行為の前にDVを揮われることを要求し、その後行為に及んでいたのだが、恐らくはその暴力が、先代わかばを死に追いやったのである。無論、殺意があった訳ではなく、過失致死だろう。だが、殺してしまったからこそ、代理である妹(・)の妊娠した胎児に姉と同じ名を付けることによって再生を図った訳だ。一方、先代わかばにも奇妙な傾向があった。夫が外出して仕事をすることを禁じ、上半身をぐるぐる巻きに縛って食事の時さえ腕の自由を奪うと共に、真っ赤なハイヒールを寝る時さえ履かせて、2人で始めていた社交ダンスの練習を強制したりもしていた。夫は、部屋に居ても受注できる仕事しかさせて貰えず、1日中、閉じ込められている訳である。だから、真っ赤なハイヒールを履いた状態で足を使ってパソコンを操作している。で、子作り行為の前には必ず、暴力を揮うよう強制されていたのである。このような歪の生まれる背景として自分が想像したのが、上に書いた事柄と言う訳だ。観客の想像力を信じた、面白い作りである。そして恐らくこの作品の成功は、この登場人物たちが抱えている心の・魂の叫びとしての渇きの切実な苦悩すらも、作家によって砂漠の砂のように太陽に灼かれる物として描かれている点にある。その視座の適確、乾きの距離とでも言うべき隔たりによって、対象化されている痛さこそが挙げられよう。
  • 満足度★★★★

    幸せ真空パック
    ひとりきりではダンスはうまく踊れない。Shall we ダンス?(あの人の代わりに)

  • 満足度★★★★

    かわいくてキモい
    面白い。75分。

    ネタバレBOX

    妻わかばがいない部屋でわかばとの約束のため縛られ赤いヒールを履いて過ごす浩司(亀山浩史)とわかばの妹で居候中のふたば(菊池佳南)。わかばと社交ダンスで知り合った浩司は、社交ダンスの練習中だけ縄を解くという生活。かいがいしく世話するふたばは、浩司と同じ会社(ブライダル)にバイトとして働くこととなり、家を出ると浩司の顔色を伺うも浩司はドコ吹く風。わかばの代わりになりたいと、ふたばは思い切って告白し新たな生活が始まる。そしてふたばは妊娠し、わかばと名づけようとする浩司に、絶対男の子を生むと固く誓う。そうして、ふたばに見送られながら、浩司は恐れながら家を出る…。

    序盤の妙な立ち上がりにうーんとなるも、しっかりした話の中にユニークさとおどろおどろしさが内包されてて、終盤いい作品だなと感心した。笑いをとってた食事(ぬいぐるみ)も生々しさの象徴にように見えたし、ベッドの下(のわかば?)に話かける浩司とか子作りを迫るふたばとか、舞台のファンシーな色調とはウラハラにドロっとしてていい感じ。
    わかばとの約束(呪縛)に絡められつつもふたばと「普通」の生活を得ていく浩司と、ふたばのお腹の子がリンクするラスト。母の愛情(出産の構造上母体)に包まれた人間が世に出て、晴れて普通になっていく。本作だと、わかばの浩司に対する愛情は異常性をもって表されるけど、母と子の愛情ってドロっとしたものなのかなとちょっと思った。

    亀山のわかばに縛られていることに鈍感な様も、いつしかノーマルなように見えて、独特な雰囲気が出せてたと思う。菊池のニコニコしたスマイルと浩司にボコされ焦るリアクション(笑顔のまま)が上手いなと。作品のかわいさ部分をしっかり担えてた。それでいて、わかばの代わりになりたいという、陰な感じも両立できてたと思う。

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