メガネ温泉 公演情報 メガネ温泉」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    行ってみたくなる温泉
    未見の劇団であり、温泉での会話劇というシチュエーションに興味を持った。その話は面白いしテンポも良い。温泉に浸かっているような心地よさを感じる。このメガネ温泉の効能が舞台正面に掲げられているが、本当にあったら行ってみたい。このステージカフェ下北沢亭という小さな空間が、本当に温泉宿の一空間を醸し出している。簡素な作りであるが、そのイメージ作りは見事である。

    また、制作サイドの対応も気持ちよい。宿のおもてなしを受けるようだ。このカフェのトイレは出入り口の反対側の奥まった所にある。トイレに行く際、舞台上を1~2歩 歩くことになるが、その面にはバスマットを敷くなど違和感のない工夫が施されている。また上演時間は60分という案内であり、その通りであった。時間を守るということは前提にしつつ、自分は多少の開演・終演時間の誤差は気にならなかった。せっかく温泉に来て、のんびりとした時間を過ごすのだから。
    良い点が多いが、自分の拘りとして気になるところが...。

    ネタバレBOX

    梗概は説明抜粋...「温泉効能を知ってか知らずか訪れた一人の女。彼女は どうしても譲れない事情を抱えていた。そこに居合わせた3人の男。 メガネ温泉の湯上り処で、複雑な事情が交錯する。」というもの。登場人物は4人(女1人、男3人)で、女がニット帽を被った男が脱衣所から出てきたことに興味を持ったことが始まりである。その後に現れる男との会話...恍け、誤解、思い込みなど、会話のズレが面白く描かれる。その組み合わせは「男・女」「男・男」「男3人」「全員」という全てのパターンを観せる。

    舞台セットは、中央に腰高さの畳縁台1つ、上手は男女浴場暖簾、下手は渡り廊下のイメージである。正面壁にはメガネ温泉の効能が掲げられているが、普通の「腰痛」などの他に「失敗」「失恋」「ストレス」などの文字がある。そして小物はメガネ温泉の名入り手拭、団扇、牛乳瓶のラベルなど細かいところにも配慮している。

    脚本や演出、演技も恍けイラッを感じつつも温かく見守ることができる。全体を通じて好印象であるが、自分の拘りとして冒頭シーンのキッカケが不自然過ぎる。違和感がある姿で脱衣所から出てきても、あそこまで興味を示すだろうか。そしてニット帽の意味するところが終盤近くになって明らかになる。この伏線への工夫があってもよかったと思う。
    この温泉の近くに霊験あらたかな神社があり、それに対するフェティシズムのようなものらしい。効能と同じように、この近辺の観光案内を貼るなど神社の存在を示めせると思う。

    先にも記したが、公演(制作サイド含め)は丁寧で、内容的にも面白い。
    次回公演を楽しみにしております。

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