えのもとぐりむ作品集 第7部 人の類い、十二の亜種(卯・未・酉 編) 公演情報 えのもとぐりむ作品集 第7部 人の類い、十二の亜種(卯・未・酉 編)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    R指定
    R指定の舞台は観たことがあっただろうか?過激な設定も思想も、エロティックなシーンも、舞台作品にはよくあるけれどR指定は記憶にない。だから逆に興味をそそられる。まんまと罠にかけられたかな?でも、こんな罠なら喜んでかかろう。大好きな藍澤慶子さんは、その魅力通りの役柄で美しくいじらしかった。キャストが皆、魅力的だったのは、キャスティングと演出のお手柄。舞台の上も、客席も、さまざまな覗きが仕組まれていた。でもそれは果たして、オトコの文化だろうか?頷ける部分は確かに多くあるけど、作品中にもしっかり、オンナが覗いている。イケナイことって甘美なこと。そっか、だからR指定か。

    ネタバレBOX

    オトナの作品だった。その照れ隠しのように笑いも散りばめられていた。何よりも、エンディングに瓜生明希葉さんの『フォークロア』に痺れた。🎵月夜の水面には…🎶うまいこと使うもんだなぁ。アレを通して存在を確認する隣人と囚われた女。アレの中に入れた指を舐める女の行為のなんとイヤラシイことか。ヘソの下の奥底が疼く。自分の中のオトコが疼く。男の目の前にいる純粋で健気で美しい女性を藍澤慶子さんが好演。彼女を手放す理由が見当たらないのが逆にリアル。売り言葉に買い言葉。言ってしまった罪悪感にマイは苛まれたのだろう。勿論、そこには嫉妬もすれ違った時間が作ってしまった溝も影響している。でも、あまりにも当然のことのように行われたFBやPC内の原稿の盗み見。イケナイことと自覚していても、感情が昂れば制御不能。客観視的オトコ目線で言えば、あんなに可愛くて愛してくれるマイを手放すなんてあり得ない。でも、マイにとっては、別の場所の風に吹かれた方がよかったのだと思う。過ごした時間と年齢が固執させていたものを振り払うためには、必要な痛みではなかろうか。彼女の幸せを願う。それにしても、なんでこうダメンズに美女は惹かれてしまうのか。マイを失っても佐藤さんが来るのだから、世の中理不尽だなぁ。確かに思わせぶりな佐藤さんだったけれど、どれほどの覚悟があっただろうか。彼は自棄になっていたけれど、結果、最も生きやすいカタチに身を委ねたように見える。未来への微かな希望を小指から得た二人には、容易そうに見えながらも超えることの出来なかった薄い壁。盗み見聞きしていたSEXを拒絶した時に、視線を失ったウサギは孤独の淵に沈み、自らオトコを求める。壁を挟んで、孤独からの救い主を求める二人…いや、四人。切ない。作品中では語られないけれど、佐藤さんが纏う憂いを長谷川葉生さんが好演。彼女の影にドラマを予感させる佇まいが妙に心をザワつかせる。ラストシーンの彼女の甲斐甲斐しさが希望を感じさせる。あの佐藤さんの姿が、作品の心臓に思えた。蛇から、禁断の果実と知った上で欲したウサギ。でもそれは鎖を首に巻く行為とは違うはず。ノアの方舟に乗せては貰えないと呟いた彼女が自ら漕ぎたした舟が泥舟でないことを願う。ここでしか生きられないと思ったエデンの園に「ここにワタシはいない」と言えた兎に幸あれ。★エロかったシーンベスト3★No.1は指舐め。そりゃそうでしょう。No.2は佐藤さんが望月に迫られ抵抗するも荷物を落とす場面。受け入れてしまう瞬間を見せられてゾワゾワした。No.3はマイの横顔を至近距離で見つめるオサムの視線。髪の匂いを嗅ぐのも含む。

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