満足度★★★★★
コラー
ふざけるなー! 面白すぎるだろー! えっ? 終わり? マジで? となる。箍が外れてしまった関係性が、ねじれて歪んで繋がっていく。こんな話、なんで閃くんだろう。続きが気になって仕方ない。展開の面白さだけで充分なご馳走。確立されたイキウメワールドに酔いしれた。
満足度★★★★
『語る室』
登場人物それぞれの短いエピソードが交わって、伏線がきれいに回収されていくSFです。しんみり、涙しました…。カーテンコールが終わってしばらくは客席に座ったままでいました。静かに、これまでの約5年間の自分の生活を振り返り、これからの未来を想像しました。
満足度★★★★
軽いタッチ
イキウメの舞台との「違い」があるとすれば、やや軽いタッチである。中嶋朋子が凡庸な一庶民を演じる所(イキウメならもっとセンセーショナルでスタイリッシュになりそう)。板垣雄亮が一人、観客との接点を持ち、要は語り手となる部分があるが、そのドラマ進行上の役割が重要になっている所。
謎を含む場面が、登場人物との接点を洗い直す事で、その場所の磁場が「失踪」と「出現」を生んでいる事に気づく人物を出現させる。同じ場面を別角度から再現する事で、最終的には謎解きに至る模様だが、観客にはよく見直さなければすっきりと理解に至らない。が、その位がちょうど良いようである。
イキウメならば、「なぜそこに磁場が生まれているのか」という問いにまで触手を伸ばすだろう。それには、複数の人間がその事実に気づき、疑問を突きつけ合う事が必要だ。が、この「語る室」では、気づくのは板垣氏演じる占い師のみであり、人物らが体験した「謎」の解明をした時点で、身を引く。「なぜ身を引くのか」という疑問を封じるため、占い師は観客に語りかける。一つのミステリーが解決を見た事を共有し、劇は終わる。
こうした特色が、「軽い」テイストと言わしめる所以だろう。私もそれ以上の感想はないが、悪い後味ではなかった。「もっと深い問いを、あなた自身が見出す事も可能です」・・そんな風に言われてる気がしないでもない。
満足度★★★★★
2回目。
反対方向からの観劇・・・もっと俯瞰してみる感じでした。
それがまた良くて、舞台の上の世界を見守る彼らには見えない存在になったようで、ちょっと面白い感覚でした。
そんな風に現実の世界にも、見守る存在が入るのかもしれない・・・・・。
一人、一人の心の描き方がとても良かったです。
満足度★★★★★
心が洗われるファンタジー仕立て
たぶん、現実社会があまりにも、不条理の連続だから、今回の前川作品には、救いが用意されていたのかもしれないと、観ながら、作者の姿勢に感銘を受けました。
いつもの得体の知れない、不気味さはなく、久々に、誰にも、悪意のない、爽やかな劇後感の残るファンタジーでした。
不条理な運命に抗うことはできなくても、与えられた運命の中で、人間同士、できる限り、お互いに傷つけ合わずに、相手の気持ちに想いを馳せ、支え合いながら、生きて行こうよと、作者の前川さんが、今の世に、そっとメッセージを込めた作品なのではないかと感じました。
安倍政権のせいで、最近、心労が絶えず、体調不良でしたが、前川さんの静かなメッセージに、久しぶりに、舞台のマジックに、癒された帰路でした。
同じ国に生まれた、人間同士、できる限り、相手の想いを尊重して、他者の心に、土足で踏み込む生き方はしないで済むようにと、この芝居に癒されながら、痛切に願った観劇タイムでした。
満足度★★★
静かなイキウメカタルシツ
滋味舞台だった。決して地味ではない。いつもよりも落ち着いた雰囲気だった。
奇しくもキーワードの日付が誕生日なのだが、これまで通り変わるようで変わらない日常をこの話のように過ごしていくんだろうとどこか他人事ののように見てしまった。
イキウメ女優陣不在の中、中嶋さん登場時そこはかとなく錯覚もあったが、その後の違和感なく馴染んでいたのも良。繰り返して見るとまた一味違う思いを抱きそうな不思議と温もりのある舞台だった。
満足度★★★★
地空間を彷徨う
いろいろな糸を手繰り寄せ繋がってるが見つかったらどうなるのだろう。そんな疑問を残しつつ想像させてくれる作品でした!イキウメ面白いです!!
満足度★★★★
用意周到のミステリー
個人的には、イキウメの舞台は「関数ドミノ」「聖地X」に続いて3作目。今回も周到に用意されたシュールな舞台が待っていた。
一幕の中で、現在と過去がうまく回転する演出もいい。安井順平、中嶋朋子が期待通り舞台を彩った。そして何よりも、このシュールな原作がいい。映像でなく、リアルな舞台だからこそよりシュールに感じられる仕掛けがあちこちにあった。
時空を自由に飛び越えて想像を楽しみたい人には、お勧めの舞台です。