Mother 公演情報 Mother」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    重いテーマ
    テーマがはっきり見えてくる公演である。今、日本で大きな問題になっている独居老人の話が絡んでくる。
    脚本のテーマの重さに対し、演出はコミカルである。その絶妙なバランス感覚は見事であるが、そこには笑えない喜劇がある。

    ネタバレBOX

    舞台は末期医療の病院...梗概は、余命1年を宣告された母。 自分の生きた証として日記を書くことしか出来ない。 そして連絡の取れなかった息子がやってくるが、目の前の青年が息子かも分からない。 記憶が曖昧になっていく。 しかし、目の前の息子に励まされ残りの日々を大切に生きている実感を得てきた。 息子は何を思い、 母は最後に息子になにを残すのか。
    実はこの青年は行政から派遣された職員。病院の医師、看護師も息子の友人、恋人を演じる模擬家族・仲間である。それを承知で母も感謝の気持を日記に記す。さらに実の息子は東日本大震災で亡くなっており...。惚けた振りをした母の感謝の言葉が胸を打つ。

    舞台セットは、中央にベッド、上手に机、その奥にテーブルワゴン、下手には来客用の丸椅子が置いてある。時期は桜咲く春...。

    この主人公(母)が亡くなってからの日記の朗読シーンが感動的である。この場面を描くために積み上げてきた、という渾身の観(魅)せ場である。場内にはすすり泣きが...。
    考えさせる脚本、観せる演出、そして魅せる演技であった。このテーマであれば重く沈みがちであるが、逆に明るく楽しい描き方が救いとなる。そしてラストシーンとのギャップ効果が大きく、印象を強くすると同時に余韻が...その手腕は見事であった。

    最後は自宅で死にたい...そういう希望が多いと聞く。色々な事情で自宅に帰ることが叶わない、それは家族形態...核家族が影響しているかもしれない。三世代が同居し、介護看病は自宅で出来たという時代は遠くなったということだろう。それは、人の生活様式、住宅事情など色々な状況や環境の変化が影響している。それら周りの変化があったとしても、この母(人間)の持つ優しさ、それは変わりようがない。
    一方、この擬似家族を仕事にしている行政の職員の気持は複雑であろう。本公演でもその苦悩が描かれている。今回は亡くなった母の日記に救われた思いがするが、毎回このような展開にはならないだろう。そう考えた時、生きている人の優しさに甘えているのでは(否定的ではないが)、という天の邪鬼的な思いを抱くのは自分だけだろうか。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★★

    考えさせられました
    内容は深刻ですが、楽しく笑える場面が沢山あったので、暗くならずに観易い舞台だと思いました。そして、終盤の意外な展開には、目が釘付けでした。許されないと思う人もいるかもしれない内容ですが、個人的には許せるなぁ・・と思いました(多少の気持ちの葛藤はありますが)。役者さん達の演技も良かったです。特に主人公のショウタを演じた役者さんが印象的で、優しいが故に苦しむ姿が、観ていて胸が苦しくなりました。考えさせられ、優しさの溢れる良い舞台でした。

  • 満足度★★★

    言葉にならない何かある
    チケットプレゼントありがとうございました☆
    他の方も書かれてるように 余命1年の母って エグられる悲しい感じだったらどうしようと 心中ドギマギでしたが 
    悲しみはあるものの 楽しい場面も沢山あって 良かったです。 
    続きはネタばれにて

    ネタバレBOX

    笑うわ泣くわ すごく作品に入り込めるタイプと
    入り込めず 寝落ちするタイプと 見事に2層に分かれた作品と感じます。
    (ごめんなさい、私はどちらかといえば後者でした、でも入り込んでる方も 多々いらっしゃいました)。


    笑う場面もしっかり作ってあるし 見所もあると思うのですが
    何かわからないけど 何か噛み合わないところがあって ついていけないのです・・・。


    主催の方とか 雰囲気とか好きなのですが・・・なんでしょう うーん。


    でもラストの意外な展開とかひねりがあって  内容がギュッと詰まって充実作品でした☆
  • 満足度★★★★

    起こりうる現実
    余命一年の母。病気の為か、久しぶりに会う息子の顔も良く分からない。それでも最後の時を迎えるまで思い出を増やしながら生きていく。そしてラストの衝撃と役者さん達の熱演で身につまされる舞台でした。
    以下、公演中なのでネタバレで。

    ネタバレBOX

    あらすじだけ見ると重苦しい内容ではあるが、余命宣告されている母親が、悲観的になりすぎず明るくふるまうのが良く、笑えるシーンも多く配してある。久しぶりに帰ってきた息子の影響でもあるが、息子の友人、息子の彼女と誕生日や昔の思い出話を軸に余命を過ごしていく。だが、最初に息子の顔が分からなかったのは、病気のせいでは無く、本当の息子ではないから。そして息子の友人や彼女もそう。
    (息子は4年前に震災で亡くなっているが、母親はそれを受け入れられておらず、何度も携帯に電話している。)
    息子は福祉課の人間であり、友人は医師、彼女は看護師だ。孤独死を迎える老人が多く、新しい福祉政策として導入されたモデルケースだという。
    いわゆる衝撃のラストという展開だが、母親が残した日記にはそれが分かっており、その仕事だけではない優しさに付き合い騙されていたフリをしていたという二段オチ。
    近未来には起こり得るかもしれない話ではあるが、最後母親が気づいていたという結末が個人的には非常に良かった。賛否両論あるとは思うが、気づかずに息子達と信じたまま亡くなったのではやはり寂しい気がするので。
    正直いうと序盤のテレビのシーンで、ある程度の予測はしていたのですが、それでも魅せられたのは役者たちの熱演があればこそでした。

    終演後に購入させて頂いたパンフレット(すいません、最初本公演に関するパンフレットかと思ってました。)に、本劇団の歴史等が書かれており、また応援したい劇団が一つ増えました。



  • 満足度★★★★★

    ハンカチなくしては見られません!
    チケットプレゼント当選にて観劇させていただきました♪
    クライマックスでは堰を切ったかのように
    とめどなく涙が溢れて出てきました。
    泣きたい人必見です!

  • 満足度★★★★★

    涙が止まりません
    余命一年を宣告された母。その言葉だけで胸に込み上げてくる、しかしそれだけではない展開に、現在の大きな問題がかくされていて、とてもよかったです。考えさせられました。

このページのQRコードです。

拡大