ただいま 公演情報 ただいま」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.1
1-8件 / 8件中
  • 満足度★★★★★

    様々な表現のこなれた使い方
    様々な表現がさりげなく使われて、でも気取ることなく、登場人物の日常が描かれていくことがとても興味深かった。

    その日常がとてもよくこなれていて、だからこそ、人生の非日常が大上段に振りかぶることなく、その歩みの一歩として訪れるような感触もあって。

    やんわりと深くとりこまれてしまいました。

    ネタバレBOX

    開演後すぐに板張りの舞台に、足袋を履いた役者が能の所作で膝を曲げて歩み出してきたときには、何が描かれるのかと身構えてしまいましたが、その印象がすっと人々のリアルな日々に解けていくことに、拍子抜けしつつ感心したりも。

    ひとつずつのエピソードとその歩み出しが、とてもこなれた様々な表現とともに、大仰になることなく、でも確実にそこにあるものとして伝わってきました
  • 満足度★★★★

    幽玄
    っぽく

    ネタバレBOX

    南方の島で戦死した人、生き延びた人、妻が失踪した男、その男に憧れているものの姉が戻ってくるかもしれず何もできない義理の妹、等々、上は白、下は黒、手には小さな枯れ枝のようなものを持ち、足袋をはき、能狂言のような所作で出会いと別れを幽玄っぽく描いた話。

    白いシャツには緑のシミを付けた人と茶色のシミを付けた一人の妄想上の人がいましたが、足袋には全員茶色のシミが付いていて、地面から生えた樹木のようでした。

    遺体を弔ってこそが本当の別れだとは決して思いません。義妹が一番哀れでした。
  • 満足度★★★★★

    最初地点ぽいなと思ったけど・・
    観てるうちにのめりこんでいったら気にならなくなってきた。

    全編女性目線の物語の作り方なのが面白いなと思った。

    宮崎弁と言うけれど凄く聞き取りやすい。

    最初2時間と聞いてええ、と思ったけど最後は悪くないなと思った。

    宮崎というと自分のイメージでは九州のなかでダントツの田舎なんだけど・・(鹿児島なんかは距離的には遠いけど島に行くため東京の人間がいっぱい行くんで宮崎のほうが田舎っぽい気が・・)そこをうまく生かしてるんじゃないかと思った。

    ちょっと長いけどがんばって見に行ってもいいんじゃないかと思う。

    ネタバレBOX

    石垣を作る石工の話がすばらしいと思った。

    なかなか若い人の芝居なんかではこういう話が出てこない。

    地味でもしっかり的なストーリーも、若い人がただ感じたというだけでは駄目で、歴史とか過去の人がつくった石垣とか、そういった実例がないとなかなか老人を納得させるのは難しいと思う。

    そういった意味では若い観客向けだけに作られていないし、あと地点とかの発声を組み合わせているという意味でも東京の劇団でまったく見られないオリジナリティがあって素晴らしい。

    どちらか片方だけというのは良く見かけるけど・・

    面白い物語というのは良く見かけるけど、作り手をしてこういう作り方で現在これだけ出来るのか、と思わせてくれる作品は非常に少ない、しりすぼみ気味の現在からするとなかなかいいな、と思った。

    あと勢いのある作品というのはたぶん公演直前集中して稽古したりと、普通に仕事していると厳しそうだけど、こういう作品なら30分程度の作品なら普通に仕事しながらでもできそうな・・そういう意味ではいい例になりそうな気が。

    誰と結婚しても同じというおばぁちゃんの話は含蓄があると思う。

    物語の最後にこう来るかと思った。

    でも、よく考えて見ると・・男性なら60代でも再婚できるかもしれない。
    女性はそういう意味ではよほど条件が良くない限り再婚というのは難しく、特に昔の場合。
    おばぁちゃんくらいになると、死んだおじいちゃんじゃなくってあの人と結婚していたら、と思うことも一度や二度じゃないだろう。
    後悔したことが皆無というのはありえないと、自分は(男性ながらに)想像する。

    だからこそのこの台詞。
    同じ女性に対しての優しさなんじゃないかと思う。
    いや、厳しい現実というべきなのか。

    男性に対しては決してどの女性と結婚しても同じとは言わないと思う。
    いや、言うかもしれない。
    でもその場合は結局あんた次第だと付け加えることを忘れないんじゃないのかな・・
  • 満足度★★★

    ネタばれなし
    宮崎の演劇人の表現幅の広さに驚きを隠せません。
    必見です。

  • 満足度★★★★

    声楽的
    宮崎の言葉が耳に心地よい。

  • 満足度★★★

    ただいま
    劇団こふく劇場の作品は2010年「水をめぐる2」以来。

    「ただいま」は約2時間弱。全編柔らかな宮崎弁のお芝居。庶民の日常を語りと会話で見せる。些細な出来事を可笑しく、物悲しく。それぞれのエピソードがとても面白かった。

    各俳優が持つ短い木の棒は扇子なのか様々な道具に見立てて使われ、基本的に客席を向いて演技する。移動は摺り足。

    ネタバレBOX

    摺り足は時間の経ち方も見え方も面白いけれど、場面転換に必ず使う、という風にルール化しなくていいのではないかと思った。「水をめぐる2」もそうだったが、やや冗長に感じることがある。
  • ただいま
    面白い。120分。

    ネタバレBOX

    誰と結婚しても同じだというおばあちゃん(あべゆう)のセリフか気に入った。
  • 満足度★★★★★

    劇団初見。素晴らしい。/約110分
    宮崎弁芝居なぞという狭小な枠の中には収まりきらない、固有の演劇美学に貫かれた舞台世界を堪能。
    ある職人の突然の不幸、二十八歳地味め女子のお見合いといった浮き世の小さな出来事をユーモアにくるみながら細やかに描く一方、幽玄ささえ醸し出す女声合唱や和楽器演奏で大自然や悠久の時間といった大いなる世界をも表現し、“大きなものに抱かれて生きるちっぽけな人間”をあたたかく描き出す作品世界に心奪われました!

    なお、一男性客として最も魅力を感じた女性登場人物は、言うまでもなくニーナさん。
    母性と女性性を体現したかのような、やさしくもたくましいあの女性にある男性登場人物が夢中になってしまうのも無理はない。

    ネタバレBOX

    ニーナさんが実在する女性なのか、ヨメに去られた豆腐職人の不安な心が生み出した幻影なのか、そんなことはこの際どうでもいい。

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