満足度★★★★
岸田理生『恋』三部作の弐
寺山修司との共作戯曲があるから寺山の弟子くらいに思っていたが、未だ謎である。今回は「吉野翼企画」への興味が第一で観劇した。昨年のリオフェスで服部吉次をキャスティングしていた(「眠る男」)。今年は服部さんは出ていないが‥ちょっと面白そうである。音楽、舞踊その他を融合させた「総合げーじつ」を構成し得る人が、今は<勝ち>ではないかと最近感ずる所であるが、今回アゴラ劇場でのパフォーマンスはその事を実感した。開演前から立つ能面を付けた8人の女。体のラインも出てないし顔も見えないのに何故か引きつける、その理由を考えたりする。ひな壇式の客席だが段差が小さく、足が辛い人も居ただろう。髪の毛で若さが悟れる。それなりのスリムさが手の先で判る。目を引く理由はあるのだなと一応納得。垂直に立った棒と戯れる女(ポールダンサーだった)の太腿が白いのは、よく見ればラバーか何かで、なるほど「棒」を挟むためか。「男はいらんかえ。男のない人おらんかえ」と、やはり開演前に売り声を上げる狂言回しを演じる男の、この言葉が「女」に向けられた言葉である事を噛みしめる。女目線。作家も女性だが、これは女が語る「恋」の話。当時はそれだけで斬新だったのかも知れぬ。この芝居での恋は、生きる事にひとしい。生きる意味を求める女の、恋に敗れ、恋のカラクリに裏切られ、なお恋を求めて行く女の、話であった。
音楽はギター弾きが上手奥で終始音を奏で、心地良い。舞台は黒色を基調に紅が浮かぶ(血の色)。衣裳との統一感があり、俳優も幻想奇譚のような世界に貢献していた。
満足度★★★★
演出と内容が好相性/約110分
妖しさを強調した演出によりこの世ならざる雰囲気をたたえた舞台に、アイデンティティを求めてさまよう亡霊のような男女の話が見事になじんで、実に見応えがありました。
満足度★★★★★
震えました!!(注!室温低めです)
心も身体も研ぎ澄まされていく緊迫感。その言葉のひとつひとつの繰り返しや響きが美しく、何かが呼びさまされていくような感覚。美術、照明
、パフォーマンス、サウンド そして独特の演出などなど、この世界観!たまりません!!やっぱり好きです!