あられもない貴婦人 公演情報 あられもない貴婦人」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 満足度★★★★★

    混沌
    そんな時代もあったのねと。

    ネタバレBOX

    赤線、青線時代の後半、売春を伴った戦争未亡人サロン「貴婦人」を舞台にした話。

    どさくさに紛れて殺人が行われることもあったであろう朝鮮戦争が始まる直前の頃のいかがわしさや混沌さが表現されていました。片桐はづきさんのヒロポン中毒の演技は真に迫っていて見事でした。

    そして、彼女たちのように時代の変化とともにクラブのママになった人もいて、それは事実なのでしょうが、そんな印象を今も強く抱き続けている人が存在して、判決や就活に影響を及ぼしているのだなと思いました。
  • 満足度★★★★

    役者たちの美味なるを堪能。
    「サロン貴婦人」のダンサー兼女給‥女優冥利に尽きる(演じ甲斐有る)役どころではなかろうか。彼女達の生き生きとした演技が、1950年という時代の一場面を舞台に立ち上げていた。「民主主義」を標榜する日本と、下辺の現実。朝鮮動乱、ヒロポン。‥ドラマに登場するアイテムがうまく絡み、解消されて行くうまい戯曲だった。現在的な問題も各所に忍ばせてある。作家の気合いが感じられる本。その土台の上で役者らが躍り演じ走っていた。

    ネタバレBOX

    惜しむらくは‥最後に虚を突くような言葉上の結語がある。ここをしつこく追いかけず、さらりと流して後は観客に投げてくれれば。
    いずれにしても、役者を躍動させる人物設定・台詞に、特に印象の残る洪明花、稲葉能敬はその動く様を見るのでも気持ち良い。他の俳優も負けじと好演。
    主人公(的)役の桂ゆめは(演出の問題かも知れないが)弱さを見せないキャラとは言え、最後の最後にそれが仇となってすっきりしない。片桐はづきは最後まで笑みを見せぬまま心情の変化を表わす良い線を保っていたが、「大団円」的な雰囲気に飲まれそうになり、リアリティ路線がガチャガチャと崩れそうになる中を耐えている感じ(「そうだ最後まで笑みを出すな」と願っていた)。そう、この大団円的な結末が、要らないと感じた部分だった。少しの加減のようで、惜しい所だ。
    ※朝鮮戦争は当時、朝鮮動乱と言ったらしい。

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