満足度★★★★★
誰も救えない、救われない物語
舞台「フェイク」見て来た。学生時代に小劇場巡りをした以来、観劇って行為がまず久しぶりで新鮮でした。
重いテーマで幸せになれる人が少ない話、終盤に謎が解けるにつれ涙が止まらなかった。弱く力のない者がころげ堕ちる運命を、正攻法で救えない世の中、復讐だけを支えに生きることを誰が止められよう。
そんな世間から取りこぼされた存在を救えるのが、いわく付きながら権力のある闇組織、寄り添う疑似家族達。しかし「誰も人の気持ちをコントロールできない」の台詞が暗示したかのように、どんなに上手く采配したつもりでも、暴走により再生物語はまた閉ざされてしまった。
生き地獄を終らせたい女と、やり直したい男が出会い、ニセモノで生き延びてきた人生をリセットするため、ホンモノを求め合う。でも結末はあまりに悲しすぎて。
あの「何もかも失われた故郷」に立ち尽くした者の気持はわからないと、続く言葉を失うリアルに、それでも手を差し伸べた睦美。その心情・行動はフェイクじゃない。なのに彼女を持ってしても救えない運命。悲しすぎた。目的を遂げ新たな人生を生きるはずだったのに救われない香奈、悲惨すぎた。
今目に見えているものは、かろうじて形を保ってるだけの幸せなのかも、と振り返る。漁協も香奈も、人生が詰んだ理由は誰にも起こりうるトラブルで、なぜそちらを選んだ!と揶揄できるのは傍観者だから。当事者にはなるまいと意識高くいても、飲み込まれてしまうことはあるだろう。
舞台「フェイク」、誰も救えない、救われない物語だったけれど、それでもまた睦美はタフに生きて、彼女達は役目を果たしていくのだろうと、不思議な繋がりで裏社会に生きる疑似家族の今後に想いをはせる良作だった。
満足度★★★★★
芸人さん?役者さん?
フェイク観劇いたしました
内容としては情報が多く時折、当日パンフレットを読み返しながら観させていただきました。
サスペンスは元々好きなので良かったです。
ポンポンペインの湯口さんは期待を上回る白熱の演技に思わず涙がこぼれました
宿敵?である鏑木とのシーンから、ラスト二シーン新崎、雅子そして漁協さん殺害にかけて素晴らしかったです。
個人としては湯口さん、中山さん、飯塚さんが良かったように思います。
今後のご活躍に期待しております。
満足度★★★
登場人物が魅力的
一癖ある登場人物達が魅力的でした!
久々に庇いようもない悪役がでてきて、もー、心底腐った嫌らしい役を好演してらして、素敵!
各々抱えたものがあるのに、そして伏線も随所に張りめぐらせてあるのだけれど、 時間の関係かあまり深く踏み込めていなかったのが残念でしたので、☆は3つに致しました。
シリーズ化できそう。
それで主人公の家族関係や、登場人物の過去のしがらみやらが、もっと細やかに描かれていたら、はまっちゃいそうです。
香奈の目力と色気に、新崎の熱さ、一途さ。
漁協さんの朴訥さと鋭さの二面性。
このへんが印象的でした。
満足度★★★★
物語の中の役者紹介?
オープニングで役名を紹介する事はよくあるが、役者の名前まで。ちょっと変わった趣向で、つまらない芝居を見に来てしまったと後悔の念が頭を過ったが、本編が始まると心地よい良いテンポで話が進んでいくので、ドキドキ・ワクワクしながら、あっという間に100分が経ってしまった。
ただ、5分前に始まるという前説(初めて見る劇団だったので、どんな前説をするのか興味があった。)が悲しいかなカットされ、開演時間を過ぎた頃に劇団の都合で開演が遅れると、謝罪の言葉を言いながら演出家だと称する人が出てきて、テレビメディアにも関わっていると自慢話ともとれる詰まらない話をしていたのには残念だった。