屋根裏 公演情報 屋根裏」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
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  • 満足度★★★★

    普遍的
    初演時から既に10年以上の時が経過しているにもかかわらず、物語が照らす闇は未だ奥深くその洞察は鋭い。一過性の特殊な世代に限られると思われた“引きこもり”は、最早世代を超えた病と言える程に社会に定着していて、この作品の普遍性に先ず感動。

    ネタバレBOX

    舞台美術が恐ろしく斬新且つコンパクト。何処にでも持っていけるポータブルな仕様で海外公演までこなせるところが秀逸。劇空間を極端に制限することで逆に表現の幅が増えていて観客は箱の外側に想いを馳せるのだが、それを最後に解体してみせるところに驚嘆。
  • 満足度★★★★

    空間の使い方が凄い!
     あのスペースで、実に多様な人間(関係)を描いた。それぞれの場面の面白さに加えて、結末に収斂していく構成も見事だった。役者の身体にも拍手!ただ、燐光群の芝居としては若干批評性に物足りなさも……。
     しかし、観客にとってあのスペースでの2時間20分はつらいものがあった。

  • 満足度★★★★★

    屋根裏
    と聞いて最初にイメージするのは、パリに出て来た貧乏な
    アーティストの卵達が、希望と夢と幾許かの生意気な論理を武器に社会に殴り込みを掛ける姿だろうか。天に最も近い所が。最も貧しく寒い。おまけに極小の空間である。だからこそ、冒険のベースに最も似つかわしい。

    ネタバレBOX


     今作は、23の小話を、このベースで連結えうることによって、究極の目標である世界の実相・真の周辺で走馬灯のように真を乱反射しながら揺れ動く憂き世の有り様を描く。
     初演は13年前に遡るが、燐光群のスタジオ、梅ヶ丘Boxで初の本公演作品として書かれた作品で、今回の上演でも固有名詞を多少変えただけで、他にシナリオの変更はしていない。然し、古さを感じさせないどころか新鮮さを感じさせる所に、今作が、現在も世界各地で上演されるだけの普遍性と鮮度の良さを保つ作品固有の魅力があるのだろう。加えて無論、役者の演技レベルの高さ、自分達の小屋だから、好きな演出が大胆にできるという強みもある。
     坂手氏のシナリオの特徴の一つに人工的な作りを感じる向きもあろう。それは、大抵、引用に対する感性から来ているのだろう。今作でも「日本は滅びるね」など「三四郎」からの引用には照れてしまった。

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