わたし 公演情報 わたし」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★

    むー
    作品が悪い訳ではなく、役者さんが悪い訳でもなく、
    登場人物に不快感が満載。

    でも、こう言う人達も、居るんだろうなぁとは思う。

    ネタバレBOX

    円形劇場っぽい空間や、セリをもっとうまく使った演出をすれば
    ;全然違った作品になるんではないかと思った。

    かなり勿体ない感じ
  • 満足度★★★★


    80分。ダメ側目線で能天気に楽しんだ。

  • 満足度★★★★★

    弱いのだよ、男は
    みんなダメ男だな、思っていたら、それは自分のことだった。
    くすくす笑いしながら観た。

    玉田さんと野田さんのシーンが素晴らしくって、久々にいいものを見た。

    ネタバレBOX

    仕事をクビになった山田、引き籠もっていたらしいその弟、山田家に転がり込んでいるバイトのダメ男・井上、元犯罪者だったらしい教会から来た男、井上のバイト仲間でオレオレ詐欺をしていた田中、そしてホームレスらしい男が、男性の登場人物のすべて。

    どの男も非常に不安定な立ち位置にいる。
    もちろんそれらは、すべて彼ら自身の「身から出たサビ」。
    そして、何かにすがろうとしている。
    セミナーだったり、宗教だったり、元カノだったり、疑似母だったり。

    ただし、単に「不安定だからすがる」ではない次元に物語は向かっていくように思う。
    あくまでも個人的な感覚なのだが、それは「男だから」「すがってしまう」ということではないか。
    弱いのだよ、男は。弱すぎるのだ。


    冒頭から自分の都合のいい妄想で彼女との会話が続く。
    ダメ男らしい、いい感じの妄想だ。
    身に覚えがある人も多いだろう(男性限定ね)。

    何かに触れて、守られてないと不安なのだ。
    女性の登場人物たちは違う。
    現実の世界に生きている。

    井上の元カノは、井上の気持ちを察して制するし、山田の彼女は、まるで当然のことのように山田兄弟たちのセミナーへの想いを全否定する。

    ラストは教会から来た男以外の男性全員が、「母」に、いだかれることを最上の喜びと感じる。
    (教会から来た男も、最初はある宗教を信じ、今は別の宗教を信じているのだから、誘われれば「タカシ」になったのは間違いない)

    「母」なる女性は、田中のオレオレ詐欺の被害者で、田中の声を聞いて自分の息子だと言う。そして彼女は目が見えないと言うのだ。
    しかし、どう考えても彼女は「目が見える」し、田中「たち」を息子だとは思っていないだろう。

    彼女の動きがまそうであるし、「息子たち」という台詞もあったような気もするし。
    もちろん「タカシたち」はそんなことはどうだっていいのだけど。

    彼女の本当の狙いはわからないが、「タカシたち」にとっては、「母」だ。
    彼らは胎内回帰することを望んでいるのだ。

    田中の家にある階下への階段は何なのだろうか。母の胎内なのだろう。
    「母」はラストに純白のドレスで現れて、ウエストから出た帯のようなものが階下につながっている。
    まさに「へその緒」を彷彿とさせる。

    「タカシたち」は熱に浮かされたように、階下へ歩みを進める。
    1つに溶け合って。

    彼女がいる山田も、あっさりとそれに従う。
    「彼女」よりも「母」をとったのだ。

    男はすべてマザコンだとよく言われるが、まさにそんなシーンである。

    山田の彼女も「母」に誘われ、少しだけ興味を示すが、捨て台詞でそこを去る。

    井上のように後を引いていつまでもウジウジしているのが男ならば、山田の彼女ように、「バカじゃないの」という捨て台詞を吐いて、山田をすっぱりと切り捨てるのが、女性なのではないかと思うのだ。

    恋愛で言えば、男はみんなそうな風に感じることが多いんじゃないのかな、とも思う。
    正確には、「“ダメ”な“男”はみんな」なのだろうけど。

    「なんだ、みんなダメ男ばっかりだなあ」って見ていたけれども、結局のところ、自分もその中にいることに気づかされるわけなのだ。

    男は母の胎内から抜け出ることができず、女は彼らを胎内にとどめる。
    そんな哀れな男たちの姿が舞台の上にあったように思えた。

    「バッカじゃないの」の捨て台詞は、世界中の男に向けられた、女性の声なのだろう。

    「えっ、終わりなの?と」という、そのラストに唖然としつつも、「バカだけどしょうがないんだよなー」と思う自分がいる。

    非常にあっさりした印象の作品だったが、その根底には「男と女」の違い、「男の弱さ」があったように思えた。
    ただ、作品自体が「物語の序章」のような印象も拭えなかったのだが。

    冒頭の井上を演じた野田慈伸さんの演技は、いかにも小劇場の口語演劇でごさいな反応と身のこなしだったのだが、登場人物が入れ替わっていくことで、とても良くなっているように感じた。相手との相性なのか。

    特に田中役の玉田真也さんとの絡みは、見事だった。
    テンポや間が抜群。
    玉田さんの、野田慈伸さんの台詞に挟む間合いが素晴らしいのだ。
    玉田さんも、ほかの人と絡むときよりも、野田さんとの絡みがいいので、2人の演技の相性が見事にマッチしたのではないだろうか。

    教会から来た男を演じた近藤強さんは、本当に恐い。静かな張り詰めた恐さがうまい。
    この人から「本もらってくれ」と言われたら、「はい」と2つ返事で受け取ってしまうだろう。
    「金貸してくれ」と言われたら、すぐに財布を差し出すかもしれない(笑)。

    山田の彼女を演じた黒木絵美花さんの、上からのすっぱりした感じが、1つの女性像を見せてくれた。
    母の兵藤公美さんもさすが。

    男たちの衣装の、なんだかなぁ、感がいい。
  • 満足度★★★★

    太宰
    面白い。80分。太宰作品はほとんど読んでない。

    ネタバレBOX

    井上(野田慈伸)…金無し、フラレタ女に未練あり。
    繭子(橘花梨)…井上の元彼女。会いにきた井上から逃げ出す。
    鈴木(近藤強)…宗教に目覚めた元ヤクザ。その宗教に騙されたと、教会をのっとる。
    山田(用松亮)…井上の友達。金盗った井上を家から追い出す。
    浩次(前原瑞樹)…山田の弟。引きこもりなとこをセミナーに通い持ち直し、兄にも勧める。体臭が気になる。
    田中(玉田真也)…井上のバイト仲間。振り込め詐欺の片棒を担ぐ。敏江と同棲。
    敏江(兵藤公美)…田中が拉致った女。盲目。タカシを従える母なる存在。
    直美(黒木絵美花)…山田の彼女。浩次のセミナーとかを毛嫌いする。
    佐藤(善積元)…体臭の酷い男。

    他人よりも自分優先な人物の話は毎度のことなんだろうけど、不思議と安定している関係性。そんなキャラたちだから、ストレートな言葉を投げ合える舞台になるのかなと。

    敏江から「タカシ」とされた、井上、浩次、田中、佐藤らに呼ばれ、戸惑いつつもタカシであることを受け入れる山田のシーンが面白い。私の中で眠りなさい的な敏江の存在感もいい。混ざり合って個がなくなるという。
    ラストの直美のばっかじゃないは、そんな個がなくなることへの反発なのかなと。
  • 満足度★★★★★

    汗かく価値あり!
    実に面白かった。個人主義に息切れした者たちの“甘え合い”と“押し付け合い”の息苦しさの中、突如として不謹慎な笑いがこみあげて抑えるのが苦しい。逃げ場を探してひとりに溶け合い、水のように低きに流れ落ちていくナチュラルさに妙に納得。

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