期間 |
2015/02/28 (土) ~ 2015/03/01 (日)
|
劇場 |
神奈川県立音楽堂
|
出演 |
マグヌス・スタヴラン、マリアンヌ・キーランド、ヴィヴィカ・ジュノー、マリーナ・デ・リソ、ユリア・レージネヴァ、フランツィスカ・ゴッドヴァルト、マルティナ・べッリ |
作曲 |
|
演出 |
彌勒忠史 |
料金(1枚あたり) |
8,000円 ~ 12,000円
【発売日】2015/10/14
S席12,000円、A席11,000円、B席10,000円、学生席(24歳以下)8,000円 ※学生席は、チケットかながわのみで取り扱います。数に限りがあります。 ※B席は売り切れました。
|
公式/劇場サイト |
http://www.kanagawa-ongakudo.com/messenia/
※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。
|
タイムテーブル |
15:00開演(14:00開場) 両日とも14:15〜ビオンディによるプレトークを予定。 |
説明 |
21世紀のヨコハマに蘇る、ヴィヴァルディの幻のオペラ
那須田務(音楽評論)
ファビオ・ビオンディとエウローパ・ガランテが2006年に音楽堂で本邦初演した《バヤゼット》は、私たちにヴィヴァルディのオペラの醍醐味を教えてくれた。そのビオンディが、再びやってくる。1738年(異説あり)にヴェネツィアで初演されたパスティッチョ・オペラ《メッセニアの神託》を携えて。ヴィヴァルディがウィーンでの再演を願いつつも、数奇な運命に翻弄され、貧困のうちに客死、その数か月後にケルントナートーア劇場で上演されたというエピソードがある。パスティッチョとは自作他作の楽曲を寄せ集めた作品のこと。本作はジャコメッリの《メローペ》を下地に、ジャコメッリやヴィヴァルディらの曲で構成される、王国乗っ取りの謀略と敵討ちと愛の人間ドラマである。楽譜が失われているので「幻のオペラ」とされてきたが、ビオンディは台本をもとに見事に復元してみせた。2年前、ウィーンでのビオンディ再構成版上演以来、何度か上演されてきたが、今回は演出付きとしては「世界初」になるという。
演出は、カウンターテナー歌手で演出家の彌勒忠史。これまで数々のバロック・オペラの演出で、時空を超えた驚きの舞台を生み出してきた。彌勒さんいわく、「『メッセニア』は当時のヒット曲がちりばめられた最高のエンターテインメント」。欧州の一流歌手たちによるアリアも聴き逃せない。ヴィヴァルディの幻のオペラが、ビオンディや彌勒らによって21世紀のヨコハマに蘇る。末永く語り継がれる、歴史的な公演となることだろう。
<ものがたり>
【第1幕】
メローペが反逆者ポリフォンテと婚約してからちょうど10年後。成長したエピーティデは、父の王国を奪還するため、「クレオン」という偽名でメッセニアへ帰還。おりしも、メッセニアのヘラクレス神殿では、王国を恐怖に陥れてきたイノシシからの救いを求め、人々が祈っている。神殿から出てきたポリフォンテは、トラシメーデに神託を読み上げさせる。「メッセニアは二匹の怪物から解放されるであろう。勇敢な行為と怒りにより、その怪物は殺されるであろう。そしてその勝者は王家の血を引く捕われ人と結婚するであろう」。
ポリフォンテはエトリアに逃れたエピーティデと交換しようと、王女エルミーラを誘拐し人質としていた。エルミーラを取り戻したいリチスコは、ポリフォンテに、エピーティデはすでに死んだと告げる。
ポリフォンテは「神々は、もし見知らぬ者がイノシシを仕留めたら、その者にお前を与えると約束した」とエルミーラに告げる。しかし彼女はエピーティデが忘れられない。
メローペは、前王に反逆した真犯人を突き止めようと、トラシメーデにアナッサンドロを追跡させ、またポリフォンテとの結婚に呪いがふりかかるよう祈る。一方ポリフォンテはアナッサンドロを隠れ家から呼び出し、メローペを反逆者として告発するよう指示。
そんな中、「クレオン」を名乗るエピーティデはイノシシとの戦いへと出発する。
【第2幕】
イノシシをみごと仕留めて帰還した「クレオン」は、メローペの右手にキスをし、死に瀕したエピーティデからそうするように言われた、と伝える。しかしメローペはその話を疑い、息子を殺したのはお前だと非難する。
ポリフォンテがイノシシ討伐の褒美とした花嫁が、実は最愛のエルミーラだと知ったエピーティデは歓喜し、エルミーラもエピーティデ死亡説が謀略だと知る。二人は再会するが、エピーティデの正体を隠し続けようと申し合わせる。
メローペの尋問を受けたアナッサンドロが、虐殺を命じた真犯人を公けの裁判で明らかにすると言うので、メッセニアの人々が召集される。しかしアナッサンドロは、メローペが殺人を扇動したと告発したため、逆にメローペが窮地に立たされる。一方、アナッサンドロから「クレオン」がエピーティデに違いないと聞いたポリフォンテは激怒。
【第3幕】
ポリフォンテは「クレオン」の正体をエルミーラに伝え、「殺人犯」メローペがエピーティデを殺さないよう、このことを彼女には言うなと口止めする一方、アナッサンドロの口を封じようと彼の処刑を命じる。主人に裏切られたと知ったアナッサンドロは、真実をリチスコに明かす。リチスコはアナッサンドロを解放、秘密裏に宮殿へと連れて行く。
メローペはポリフォンテから、「クレオン」こそエピーティデを殺した犯人、という手紙を受け取る。復讐心を掻き立てられたメローペは、「クレオン」を殺すようトラシメーデに命じる。「クレオン」は、メローペの部屋に呼ばれ、もうすぐお前は殺されるだろうと脅される。彼は「我こそがあなたの実の息子」と言っても信じてもらえず、そばにいたエルミーラも恋人の秘密を守ろうと知らぬふりをするので、絶望し、部屋を出ていく。しかし、残されたメローペはエルミーラと話すうち真実に気づく。そこに入ってきたポリフォンテに、エピーティデの命乞いをするが、聞き入れられず、メローペは自分も死ぬ運命と知り、絶望する。
オペラの最後、舞台の一部はカーテンで仕切られている。ポリフォンテはメローペに、このカーテンの裏にはエピーティデの遺体があり、お前もその遺体に鎖で繋がれて死ぬのだと告げる。ポリフォンテが勝ち誇ったようにカーテンを引くと、そこにいたのは生きているエピーティデだった。アナッサンドロからエピーティデ殺害の企てを知らされたリチスコが、トラシメーデを止めたのだった。
こうして王権を奪回したエピーティデはポリフォンテを処刑し、アナッサンドロを国外へ追放。そして、母親と花嫁と共に、神託の成就を祝うのだった。 |
その他注意事項 |
※当初予定のクサヴィエール・サバタはマルティナ・ベッリに変更になりました。 |
スタッフ |
音楽監督・ヴァイオリン:ファビオ・ビオンディ 演奏:エウローパ・ガランテ 美術:松岡泉 衣装:萩野緑 照明:稲葉直人 ヘア・メイク:篠田薫 演出助手:家田淳 舞台監督: 幸泉浩司 プロダクション・マネージャー:船引悦雄 |
那須田務(音楽評論)
ファビオ・ビオンディとエウローパ・ガランテが2006年に音楽堂で本邦初演した《バヤゼット》は、私たちにヴィヴァルディのオペラの醍醐味を教えてくれた...
もっと読む