現代能楽集 クイズ・ショウ 公演情報 現代能楽集 クイズ・ショウ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    マチネ観劇
    この劇団が得意とする、問題に対する哲学というか印象性というか、モヤッとしたものをベシッと表現しグッとかますのは十八番といったところか。

    とはいえ、ただ、2時間オーバーにするまでの必要性は感じられず・・
    オスイ。

  • 満足度★★★★★

     知の鏡
    我らの時代の不安を、その拠って来る所を、質疑という形を通して問う作品と捉えて良かろう。

    ネタバレBOX

     我らの時代の不安を、その拠って来る所を、質疑という形を通して問う作品と捉えて良かろう。例えば、アメリカナイゼーションでしか無いものに、グローバリゼーションと言う名を意図的に間違って与え、アメリカ一国の利益を最大限追求する為に、あくせく働きまわるサラリーマンや正答し続けなければヘブンと名付けられた居場所から奈落へ落ちる他無いかのような設定は、我らの現在のシチュエーションのカリカチュアである。また、イスラエル、欧米露中の国家テロの犠牲となり続けるイスラム世界の本来の姿を提示したシーン、この植民地で現在、アメリカの犬どもによって行われている教育の右傾化などを描いたシーンなど、見るべき所をキチンと見、作品にさりげなく取り込んでいる点は、流石である。
     我々が体験してきたように、実際に多くのクイズ番組が組まれ、視聴率という点でも、面白さという点でも、そこで出される質問や賞品にも、時代や人々の暮らしを反映してきたという事実のみならず、質問と答えという形式は、知の基本的な形を示している。このことから、こうした様式が持つ普遍性に迄考察範囲を広げ、TV・ラジオなどのメディア以外の知の形として普遍化した上で、複式夢幻能との類似を挙げて、演劇にはそれほど馴染みのない観客にも、それとなく諭しながら物語を展開してゆくシナリオの上手さ、クイズ形式に仕込まれた設問と答えを通して、一般の日本人が、洗脳されている諸問題、しつこいようであるが、もう一度挙げておくと、教育の右傾化(ナショナリズム、集団的価値感の強制など)イスラム誤認(例えばイスラム教徒とテロリズムのリンク。正しくは、常にキリスト教徒がイスラム教徒に攻撃を仕掛け、イスラム教徒は自衛の為に闘ってきた。現在でも、自爆攻撃の根底にあるものは、占領と植民地化への止むに止まれぬ抵抗という運動である。
     ただ分かり難いのは、殊に1989年以降、大きく変化した世界情勢の中1991年にソ連が崩壊、唯一の超大国となったアメリカによるユニラテラルな強権支配によって、国連、世銀、IMF、アラブ連盟、EUなどが更に変質させられ、アメリカの情宣の道具やアメリカ一国の国益を実現する為の機関と成り下がり、結果、世界の正義、公正などの最後の片鱗さえも失われたことにより、また9.11をホロコーストと並ぶ人類最大の虐殺事件と喧伝することによって、他の多くの虐殺事件を隠蔽し恰もアシュケナジーとアメリカのみが、大事件の被害者ででもあるかのような演出を施して、既に行き詰まっていたパレスチナ問題を梃子にイスラムフォビアを蔓延させた上で、自分達が育てたビンラディンらを匿ったとして、タリバーンが実効支配していたアフガニスタンを攻撃、その後はイラク戦争を起こして、サイクス・ピコ協定によって英仏ロによって分断された不自然極まる国境を持つ中東のかさぶたのような均衡を破ったわけだ。一応言っておくと、イスラム国となった組織は、英米を中心としたイラク侵略が齎した結果であるのは、キチンと情況を観ている者にとっては常識であろう。シリアにしても、イスラエルの脅威となり得るという判断の下にアンチアラウィー派を支援した結果、現在大きく分けただけでも三つ巴の内戦状態になっているわけだ。無論、イランの“核”問題も同根である。自民党の馬鹿共、少しは世界情勢を研究せい!!)書きだすと、まだまだ問題が山積しているので、これぐらいにしておくが、こういった仕掛けが、作られることで、イスラム教徒の印象が悪くされていることは、実際に彼らと付き合ってみれば間違いであるということが分かる。まあ、イスラエルと付き合いのあるイスラム諸国の為政者は、国民の意識と随分乖離があるが。それは、日本も同じだろう。アメリカの犬に成り下がった国民ばかりではない、ということだ。

     
  • 満足度★★★★

    来たっ!!
    当たりである。燐光群の真骨頂。
    『屋根裏』がお好みだった向きには、久々にこの系統の作品です。公演は終っても薦めたいこのもどかしさ。<クイズ>という様式を問いながらあらゆるものをぶち込んでエッジが鋭い。意味のよく分らない哲学的な問いも詩のように響くのは「クイズ」という一本の軸があるからだろう。現代能楽集とあり、複式能の説明も出てくるが、劇全体としては、人類の営みへの後の世からの追悼の目線が、ほんのりと浮かび上がるのがそれか。新参の役者の割合も多く新鮮だった。

  • 満足度★★★★

    ケレンのゲーム
    また、世界中のどこにもない芝居を見た。

    ネタバレBOX

    舞台上から問いかけられ続ける。

    役者たちは芝居していると見せかけて「?」を突然観客にぶつける。芝居において観客は当事者である事を何度も何度も確認させられる、いや。観客が自発的に発見する。

    いつの間にか私が答え合わせを請う当事者になっている。舞台上の俳優たちがクールに私たちを見ている。不思議な時間。それから、不意に知る。ここで投げかけられる問い、ここじゃないところで投げかけられている問いにはすべてに「答えない」という選択肢はないのだと。この客席と舞台の一体感は何だろうか?

    終演後、もう問いかけられない事が淋しくなっていた。私たちは三々五々延々とクイズを出し合いながら帰った。
  • 満足度★★★★★

    問いかける舞台
    見応えがあった。見ているうちに、次第に、参加者になった気持ちに。自分は今、どこにいるのか、どういう社会に生きているのか、舞台から問われているような感覚に。実験的な攻めている芝居。新鮮な舞台体験で最後まで楽しめた。ラストに向かう流れは圧巻。

  • 満足度★★


    上演時間2時間10分。作りが冗長な印象。クイズの緊張感が出るようにもっと畳みかけるテンポにしてほしいところ。出演者の鍛錬が必要に思われた。現代能楽と名乗る理由がわからなかった。

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