満足度★★★★★
小野絢子vs米沢唯!
小野絢子と米沢唯、新国立劇場が誇る二大プリンシパルによる、昼ドラよろしく女と女の火花散る圧巻のステージ。面白かった!
社会制度による抑圧・束縛を見事に体現する一~二幕の小野ニキヤ。対するすべてを当然のように自らの手に収めているかのような生れついたクイーン気質を体現する米沢ガムザ。
台詞もないなか確かに伝わってくるそれぞれ二人の女傑っぷり、見ごたえ十分だったです。
奪い合われる優柔不断なイケメンことソロルを演じたワディム・ムンタギロフの超絶技巧な馬鹿男っぷり、マイレン・トレウバエフ演じる煩悩まみれの金ピカ坊主も最高でした。
にしても牧阿佐美演出の白鳥の湖が合わず、今までスルーしてきた新国立の牧版バヤデール、こんなに面白かったなんて。
芝居の進行自体はあっさり感が強いんだけども、「デキる」ダンサーたちがそれぞれキャラクターに息を吹き込む余地があって、他のダンサーによる上演も観てみたくなる気分に。
「顔がカッコいいだけの優柔不断オトコ」ことソロルが単純に救われはしないラスト、粋で素敵。
東京交響楽団のオケも、音楽それ自体のなんとも言えない艶さが気持ちよかった!
満足度★★★★
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4幕構成。主役、その他、オケのいずれかが吐出せず、バランスがよかった。できれば2階席正面で観たかった。バレエ・ブランがよく似合うカンパニーで安心して観ることができると思う一方で、古典依存体質を脱却することも願う。