トップノート ミドルノート ラストノート 公演情報 トップノート ミドルノート ラストノート」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    厳しいご意見もあるようですが...
    小劇場で、大受けするので有名な某観客さんが来てたので、うるさいかなあ~と思ってましたら、そうでもなかった。ということは、あまり笑うところがなかったことになる?いろいろ盛りだくさんを目指されて、ちょっとポイントがつかみにくかったかも?団体としての実力は言うまでもなく十分と思いますので、「これを見ろ!」とストレートに切り込まれては?前作は、なかなか好みでした!次作に期待大!!!

  • 満足度★★★

    期待しすぎた・・・
    初観劇の劇団ながら、公開されているあらすじと、
    何よりも「トップノートミドルノートラストノート」という
    タイトルに魅惑的なミステリ、謎解き物語を想像し
    (香水の世界での意味はともかく
    「トップノート」はウィスキーの味をみる時も
    「ファーストインプレッション」的な意味合いで使うので)
    ちょっと期待度が高かったです。

    その分だけ、観劇後の今思う事は、
    脚本/演出家は
    「観客に何を観せてどういう感情を抱かせたかったのか?」
    それが全く見えない作品だ、という事です。

    セット演出面での上手さ(映像や音響など)、
    少数でのダンスの上手さ、
    お芝居中の芸の上手さ、
    などいい所もありましたが、
    本筋となる物語が始まってからその展開のさせ方が
    あまりにも感情に響かないものばかり・・・

    観客がなんの感情も抱かないうちに、
    それを放置して物語が勝手に展開してしまっている、
    という感じ。

    そして、本筋をないがしろにした上での
    無駄な設定/回収されない伏線の多さ。

    多分この脚本/演出家は「観客」の事を考えてないし、
    自分の作る劇を客観視出来ていない。

    また演じてる側もほとんどの人は、
    「どの方向に演じていいのか」
    (感情をのせた方がいいのか、のせない方がいいのか、
    真面目にいった方がいいのか、おちゃらけてみせた方がいいのか、など)
    迷ったまま演技をしているように見えました。


    残念・・・

    ネタバレBOX

    サンモールスタジオのかなり狭い舞台の上で

    ・ 湾曲した壁面に対して様々な映像を動かしながら投影したのは
      演出的にかなり「上手い!」と感じました。
      (水族館?の魚が泳ぐ様子、宗教団体の洗脳?、ヒロインの狂人化、など)

    ・ 音響もいろいろな方向へ場面転換するのに合わせて
      「あの狭さが活きる」ように効果的かつ大音量で
      使われていて、ここにも上手さを感じました。

    ・ ラップも役者の芸としては「上手」と言えるレベルだったかと。
      そして少人数でのダンスも非常に良かったです。


    ただし、良さはそこまで。
    本筋(物語)が全く良くない。


    情報公開された時点での

    ・ タイトル
      「トップノートミドルノートラストノート」には、
      調香師だけあって、香水の香りに使う方の意味と、
      盗まれたノートとその両方にかかる意味があるのだろうな、と想像。

    ・ あらすじ
      調香師の殺人事件、ノートの盗難事件を決して善人ではない刑事が追う
      (ミステリー、トリックストーリーとしての興味)。

    と、この2つに期待させられるものがありました。


    でも、蓋を開けてみれば、


    物語を展開させる上で、
    ・ 各役の観せ方の基礎がなってない。
    ・ そのくせ、勝手に物語だけは妙に技工にこだわった形で展開してしまう。
    =観ている側を完全に置いてけぼりにする形で
    お話だけ勝手に進むというなんともつまらないお芝居。


    時間を費やして1本2時間弱のお芝居を観るんですよ?
    心に何も響かない、まったく感情が揺さぶられない、
    これほどつまらないものはありません。


    ・ 3人視点でのループ展開(物語に組み込まれた技工)がまったく活きていない。

      1.背景に「トップノート」と表示し、最初の1人
        調香師に惚れて極道を辞めた男の視点で
        調香師殺人事件の容疑者として捕まり釈放されてからの数日を描く。

        ここまでは期待して観ていました。

      2.「ミドルノート」と表示し、悪徳刑事の視点で
        同じ時間軸を観直す。
        ? 1と2逆だったっけ?

        ループ演出の割にあまり「隠された真実」が示されないなあ、
        と(??)な気持ちに。

      3.「ラストノート」と表示し、
        自称ルポライターの女性の視点で同じ時間軸を観直す。

        1、2で観た内容をひっくり返すにしても、
        ここまでがあまりにも「浅く」「薄っぺらく」描かれているので、
        何もひっくり返されていない。

      同じ時間軸を別役の視点から観る度に、
      色々な隠された事実が見えてくる、
      それに「驚き」「騙された!」と思う事を楽しむ為に
      組み込んだ技工だと思うのですが、

      各役が全然「立ってない」し観客に「理解されていない」状態、
      かつ場面についてもそれほど深堀りされない形で表現されていて
      観客が「物語に全く共感していない」状態で、

      勝手に「実はこいつは宗教団体の手先でした!」とか
      「同じ時間裏ではこんな事が起きていました!」とか観せられても、
      「ふーん、そうなんだ」以上の感慨も何も浮かびません。

      トップノート、ミドルノート、ラストノート、の3つの言葉に合わせて、
      3回視点を変えて同じ時間軸を回したわりに、
      その効果が全くない。
      お芝居の構成上、時間の無駄でしかない。


      普通に考えて、
      1.この役はこういう人です、と役の背景をしっかり観客に見せる。
        ※ 感情面や精神性(正義感、情熱的、など)の特徴をしっかり示す。
        ⇒観客「この人はこういう人なんだな」と理解する(心に刻み込まれる)。

      2.どんでん返しして見せる。
        ⇒観客「えっ!まさかこの人がこんな人だったなんて!騙された!」と
        感情を揺さぶられる。

      のように、1.でちゃんと役の「人間」としての個性
      ※ ネタ的な個性、キャラ付け(「フランス語好き」とか)ではないです。
      をちゃんと観客に理解させた上で、
      物語を展開させるから「驚き」その他の感情が観客側に生まれます。

      そういった基礎であり基板(ベース)となる部分を無視して、
      ※ 本劇の場合、各役の「人間」としての説明的な部分がかなり薄い
        (笑いのネタとしてのキャラばかり立てようとしている)
      いきなり物語を展開させてしまうので、
      観客は「驚き」その他感情を動かす事はなく、
      単に「ふーん、そうなんだ」と理解するだけです。
      
      ※ 同様に物語の展開についても、
        1.で見せた場面の展開と2.で初めて知る場面とに
        差異があればあるほど、
        「まさか裏でこんな事が起きているとは!」
        と観客は驚きます。
        同じような展開をただ視点変えただけでは何も伝わってきません。


    ・ 意味ありげな設定、伏線に(ほぼ)全く意味がない。
      ・ 元極道が香水の香りを嗅ぐ度に現れる殺された調香師の幻影(その理由は?そしてその結末は?)。

      ・ 公安女性の意味ありげな行動。
        公安上司を裏切って見せ、更に悪徳刑事も裏切って見せ。

      ・ 教団を抜けた元調香師(殺された調香師の師匠でもあった)が
        何故ルポライターになったのか?

      ・ ルポライター女子に対してだけ使えるという癒やしの能力(超能力)。

      ・ 悪徳刑事と教祖は異母兄弟だった。

      などなど。

      なんとなく「面白そう」とでも思ったのか、
      色々なネタをどんどん出してきますが
      ちゃんと
      ・ 伏線回収されない
      ・ 観客の心に響く「効果的」な「意味」がない
      ものははっきりいって無駄設定です。

      ※ 物語と全くつながりのない「単発笑いネタ」ならぬ「単発捨て設定」。


      はっきりいって、本筋である殺人事件の方を「安易?」に
      完結させちゃった上で、
      悪徳刑事と教祖が異母兄弟だった話(サイドストーリー)の方を
      いきなり展開させたりとか「時間の無駄」でしかなかったと思います。
      あれを観せる事で「観客はどういう感情を持つ」と思ったのでしょうか?

      「胸毛のもじゃもじゃ度合いが一緒だから兄弟」とか
      はっきりいってそういうネタが分かる内輪ウケ狙いですよね。
      くだらなすぎる。


    ・ タイトル、フライヤーでの観せ方は、
      ミステリなどの雰囲気を感じさせていましたが、
      実際お芝居を観ると

      ・ 中途半端に笑いを取りに行くコメディ要素多々
        ※ 単発の笑いネタ、もそうですが物語自体の展開も

      ・ 「犯人探し」の方がまったく深みのない展開

      など、結局まず脚本/演出家は、

      ・ 観客に何を観せたかったのか?

      ・ どういう感情を抱かせたかったのか?

      + 何か持論的な「テーマ」はあったのか?

      などの面で、観ていて?が沢山になってしまいました。
      「どの方向にも中途半端だなあ」と。

      また演じている側も同様で、
      (何名か、ですが)
      「演技の方向性に迷っている」のか、
      まったく熱量を感じない、感情ののってない、薄っぺらい
      「棒」と呼ばれても仕方のないような演技をしていました。

      観ていて「この人やる気あるのかな?自分の役について、
      それを1人の”人間”である、と認識した上でちゃんと深堀りした事あるのかな?」と
      思いました。


    ・ 結局、「トップノートミドルノートラストノート」という魅力あるキーワードは、
      単なる3冊のノートで世界征服を狙っている、
      というだけのオチだったのでしょうか?

      あるいは自分が見落とした何かでちゃんと「意味」を表現されていたのでしょうか?


    某劇団に、
    観ている自分の気持ちが「こっちに動いた(この人はいい人だ!)」と思えば、
    いきなり「別の方向へ引っ張られる(えっ!いい人じゃないの!)」というように、
    観客の「感情、思考の誘導」が非常に上手い脚本/演出家がいます。

    その人には多分「観劇側」が観てみるものに対して「どう思うか?」が
    ちゃんと見えている、だからこそ
    ・ その裏をかいて「だまし」たり
    ・ 心の芯に直球を投げて「泣かせ」に来たり
    ・ 同様にシリアス展開の中でいきなり「笑わせ」たり
    そういう事が出来るんだな、と思いました。


    そういう意味で、本劇団はもうちょっと
    ・ 「観る側」の視点/感じ方について考えた方がいい。

    ・ 思いつきだけで物語を「完成」させてしまうのはやめた方がいい。
      ちゃんと観客の「感情、思考の誘導」までを考えて欲しい。

    ・ 技工に凝る前に、シンプルに物語としての方向性、骨子を固めてほしい。
      (観客に対して「笑わせたい」「泣かせたい」「驚かせたい」「幻惑したい」など、
      目指すものをちゃんと示して欲しいです。)

      ※ 最初、映像が幻惑的だったので、「幻惑する」事を目指した舞台かと思ったのですが、
        すぐに路線変更してしまっていました。

    ・ 演じる側も、自分の演じる役に対して、
      ちゃんと「気持ちを定めて」演じて欲しい。

    と思いました。


    PS.2015/03/07(土)
      少し補足を
      笑いのネタが入ってくるから悪いとかじゃなくて。
      物語の根幹としてのベースをちゃんと決めて作って欲しかったな、と。
      「シリアス調でいく」と決めた物語の中に
      アクセントとしての笑いがあったり、
      「コメディとしていく」と決めた物語の中に
      楽しませる要素としての謎解きがあったり、
      そういうのはいいんです。

      ただ、本劇って役者は真面目に演じながらも
      物語が「じゃあ、新木場スタジオコーストでラップバトルだ!」(なんで?)とか、
      ラップの対戦中に
      「あたしの番を待っていた!」といきなりルポライターが襲いかかったり
      ※ 本物語は意識を「別の何か」に持ってかれたルポライター(狂人)が
        起こす殺人、でしょ?
        自分の意識でモノ語ってる時点で破綻してるじゃない・・・
      という、真面目なんだか笑わせたいんだか分からない物語のつくりと
      展開のさせ方が「どっちつかず」っていう。

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