たぶん世界を救えない 公演情報 たぶん世界を救えない」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★★

    傷跡
    震災と原発。違う視点で作られていた。人間の愚かさ、醜さ、逞しさ、優しさ…。そして、生きる。電力会社員演じる工藤潤矢さんの激昂が作品を高めた。山口芙未子さんの美しさが悪女をリアルにした。山口さんをメインにした作品を熱望する。

  • 満足度★★★★

    一体どうしたらいいのだろう!
    芝居の内容自体は、これまでにも観てきた芝居に重なる部分あるが、
    その演出と役者の演技が目を見張る。
    舞台セットも照明も見事であった。
    どうしたら、町に将来的な夢をもたらすことができるのだろうかを訴える。

    ネタバレBOX

    3・11から1年後の被災地の住民たちの出来事。
    住民の考え方や被災補償もまちまちでそれも諍いのもと。
    原発を”あれ”と代名詞で貫くことによって、得体のしれない必要のものなのか、不必要なものなのかを示唆する。
    そして住民たちの思いを冒頭とラストの2回、ひとりひとり問いかけるのが印象的であった。
  • 満足度★★★★

    目を覚ませ
    結構まともな筋立てでした。

    ネタバレBOX

    原発とともに生きた町で、事故後の今は中間処理施設誘致で繋いで、将来は再度原発誘致をしようと考えている田所水道店の潤二郎を中心に、家族、兄弟の家族、さらに地域の人々のそれぞれの思いを描いた話。

    神棚にこだわったり、家に入るときに塩を振りかけたりと、嫌いな迷信に溢れていましたが、東京マハロとしては初めてではないかと思える程のまっとうな筋立てでした。ただ、働きもしない弟に水道店の社員として給料を払い続けているというのは、最近の税務署が気がつかないはずがないのではないかとも思い、悪質な脱税行為をしている会社に対しては嫌悪感を抱きました。

    兄弟と家族が独白する同じシーンが二回ありましたが、最初のときは潤二郎夫婦は手をつないでいたのに終盤のシーンでは手を離していて離婚することが窺えました。その後、妻は家を出ていきましたが、逆にしつこく感じました。

    それにしても、町の発展に原発が必要と考えている人たちの目を覚まさせるにはもう一つの事故が必要とすれば非常に悲しいことです。
  • 満足度★★★★

    惹き込まれた!役者陣の力量が凄い!
    1時間50分の公演時間が1時間ほどに感じた。
    あっという間に感じられるほど、惹きこまれた。
    綺麗ごとではすまされないシナリオも良かった。
    役者陣の力量も凄く、良い時間を過ごせた!

    ネタバレBOX

    あれ(原発という表現は使用せず)のおかげで町が潤っていたのに、いったん事故が起きると、危険というのは、あと出しジャンケンのようなもの。
    町の復興には再稼働が必要という考えを主演(永井大さん)は持っていた。

    あれ(事故前までは空気のような存在と表現)のおかげで良い暮らしができた僕たちは幸せだったという脚本家の皮肉を込めた作品。

    ただストーリーの根底にあったのは、電力会社から多くの保障金をもらえ、人々のやる気がスポイルされてしまっているという点。
    (少なくとも私にはそういった印象に感じた。)

    「保障金に依存している」という考え。
    「そうではなく被害に対して保障してもらっている」という考え。
    事象は1つでも、考え方次第でどちらとも受け取れる。

    事故の影響を心配する人も描かれているが、主はそちらではなかった。

    「そんな時代もあったねと」と「時代」を永井大さんが歌って物語が終了するセンスもいいと思った(笑)。

    役者陣全員、熱のこもった演技だった。
    永井大さんはさすがといった感じであったが、それにも増して素晴らしいと感じたのが、百瀬朔さんだった。

    他の役者陣との一番の違いは、役になりきっているように感じた点。
    高校生の役柄だったが、大人たちへの不信感がひしひしと伝わってきた。
    演技が自然で、感情の込め方も良かった。
    ある意味、演じているという感じではなかった。

    スタッフの対応も良かった印象で満足した。

このページのQRコードです。

拡大