「葉桜/命を弄ぶ男ふたり/驟雨」 公演情報 「葉桜/命を弄ぶ男ふたり/驟雨」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    上野の街を30分歩いた...
    会場が見つからなくて困りましたが、こういう時は、断然の会場なことが多い。
    とっても素敵な会場でした。雰囲気抜群。今後も機会があれば、こんな作品をお願いします(競泳水着の上野さんの横で観劇)。

  • 満足度★★★★

    良い雰囲気でした
    古民家を会場に利用していてとても良い雰囲気でした

    内容は「葉桜/命を弄ぶ男ふたり/驟雨」の三作品オムニバス

    個人的には
    ①驟雨」
    ②命を弄ぶ男ふたり
    ③葉桜
    の順で好みです。

    ネタバレBOX

    若林・金子のスペシャルユニットにメロメロでした・・・
  • 満足度★★★★

    使われている言葉の美しさ
    縁談について話す母娘、自殺しようとする男二人、姉夫婦に新婚旅行での夫について愚痴る妹…な3編。
    岸田作品を観るのは10回目近くになるが、今回初めて「使われている言葉の美しさ」に気付く。
    カタいのとはまた別で、スクエアというか折目正しいというか、昨今はなかなか耳にしない会話が心地好い。
    7度(←ユニット名)の現代風にアレンジしても岸田は岸田、な公演を観た後だったことも関係していようか?(もちろん会場の雰囲気も)

  • 満足度★★★★

    ジワジワと盛り上がる
    静かに始まり、設定がコメディで、最後は爆笑?という感じで作品を楽しめました。
    東京公演の意見などを参考に煮詰めた形で石巻市で公演するということでしたので、観劇時の意見が少しでも役立てば良いかと思います。

    あと、金子さんの役(キャラクター)が面白く、皆爆笑!
    あやめ十八番の作品でも魅了的な演技をされていますが、今回の役は真逆な感じでしたが、ハマり役の予感がしたので、別の作品でもあんな金子さんをまた観てみたいです。

  • 満足度★★★★

    実直な演出に光る役者たちの冴え
    古民家ギャラリーで岸田作品を3遍、実直で戯曲の構造を生かした演出の中で、役者たちが切り出すロールの冴えがすっと観る側を巻き込んでいく。

    戯曲に描かれた時間を湛える落ち着いた雰囲気の空間に、血の通った岸田ワールドが常ならぬメリハリを持って紡がれておりました。

    ネタバレBOX

    ・葉桜

    初日の第一演目めということもあってか、最初はちょっとお芝居が硬い感じがしました。台詞が役者に十分抱かれることなく手放されて行くような部分もあり、戯曲の枠組み自体がやや強く場を満たしていくようにも感じました。
    しかし、後半に役者の感情が場に刻まれていくと、会話のリズムが風景を紡ぎはじめ、戯曲に紡がれた母と娘に訪れる時間に、地のふくらみを恣意的にすこしだけ減色して浮かび上がる日常のなかの非日常の感覚が生まれていたように思います。

    ・命を弄ぶ男ふたり

    男2人の会話劇、照明や音に加えて場が醸す時代が役者たちの醸す空気の張りにうまく織りこまれ、観る側を一瞬に古民家の一室から、夜の線路脇へと連れ出してくれる。
    舞台には役者たちが作りこむロールの異なる色や噛みあわないベクトルをすっと薄闇に溶かしてしまうような風景が浮かび、よしんば戯曲の顛末を熟知しているはずなのに、一つずつのセリフや所作に編まれるそれぞれの想いのベクトルや温度に取り込まれてしまう。

    この戯曲に編み込まれた、表層のタフさとは異なる想いの脆さや生きることの危さや強さが、徒に追い込まれる感じではなく人に裏打ちされた淡い影の如くに伝わってくる。
    そこには、ボーダーぎりぎりに仕込まれた可笑しさやペーソスと更に深淵に広がる闇が同居していて、互いに徒な重さを持つことなく、役者たちの作りこむ刹那に交互に照らされていくような感じもあって。

    かつて舞台で何度も観た舞台でありつつ、この戯曲のおもしろさが初めてわかったような気がしました。

    ・驟雨

    夫婦に新婚旅行から帰ったばかりの妻の妹が訪れる話。従前の2作で紡がれたキャラクターの色がそのまま持ち込まれ、場に既知感を感じつつ舞台の空気にすっと誘い込まれる。

    姉と妹の会話にとてもナチュラルな阿吽の呼吸があって、それゆえの妹の告白のぎこちなさやもどかしさにも違和感がなく、ほとんど無意識に妹が抱くも
    ののありようを追い求めてしまう。
    そうやって観る側を引きつけた上で妹が心情を解く演技はまさに圧巻でした。絶妙にバイアスがかかった台詞が、その時代の女性としての想いの抑圧を超えてあふれ出してくるものとなり場や観る側を凌駕していく。そこには逡巡があって、熱があって、強さがあって、押えられたものと押えきれないものの端境の揺らぎがあって。理をもちつつ若さゆえの料簡の狭さを垣間見せるその想いが混沌に陥ることなく、解像度を滅失させることなく、血の通ったロールの色や個性のありようとして納められていく。

    さらには、その出色の演技で綴られる妹のありように埋もれてしまうことなく、共演の役者たちが姉やその夫が貫く個性を紡ぎ、物語を描かれるものの懐を組み上げていくことにも目を瞠りました。

    そうして満ちた舞台の更なる踏み出しをすっと切り落とす、戯曲に仕掛けられた驟雨の幕切れが息を呑むほどに鮮やかに感じられたことでした。

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