満足度★★★★
興味深い試み
2.5トンの砂の上で繰り広げられる三作品は、どれも異なり個人によって贔
屓の作品も違ってくるが、私は『不眠普及」に吸い込まれた。
30分ほどの一人芝居は、芸術的で役者が凄まじいまでに饒舌に迫ってきてドキドキしながら観劇した。
蜂巣ももと綾門優季の作品をまた見たい。
満足度★★★★
下田彦太作・演出『Closet』を最も面白く鑑賞/約120分
砂漠を思わす、白くて乾いた砂の撒かれたアクトスペースで、3チームが競作。
3つの作品の中では、下田彦太作・演出によるブラックコメディ風の二人芝居『Closet』をいちばん面白く鑑賞。
奇抜な設定のもと、巧みに、そして面白おかしくストーリーを展開していて、引き込まれた。
こういう奇抜な設定の芝居というのは、設定倒れに終わってしまって途中で息切れすることが多いものだが、数十分という長い時間をよくぞ持ちこたえもの。
ただ、荒涼とした劇世界は砂漠を彷彿させはするものの、砂上で演じられる必然性をそこまでは感じなかった。
砂上での上演が最もしっくりきたのは“脚本・綾門優季×演出・蜂巣もも×出演・坂倉奈津子”による一人芝居『不眠普及』。
不眠のいつ終わるのか知れない感じは砂漠の果てしなさに通じるし、不眠の切り開く寄る辺なさ、不安感はやはり砂漠のそれに通じる。