満足度★★★★
To be or not to be, that is the question.
無論、ハムレットの有名な科白である。総て、この世に生を受けた者がハムレットのようである必要はないし、民衆には、そんなことに悩む暇も金もないのが実情、という事情もあろう。然し、思春期から、どんなに遅くとも青春期のある時期に、ハムレットである必要はある。即ち、人生が生きるに値するか否かを真剣に問うべき時期が、誰にでもある。この作品は、その古くて新たな問題を、自分自身の視点から問い直した作品である。ストーリー展開としては、ベタだし、決して器用ではない。然し、人間として、そして、これから、大人になって行く過程で、まともな人間なら避けては通れぬ問題を真正面から、取り上げ、取り組んでいる姿勢が爽やかである。ラストの一行は美しいぞ!!