満足度★★★★★
ミュージカル『葉っぱのフレディ』蒲郡公演を観劇。
ミュージカル『葉っぱのフレディ』蒲郡公演を観劇。
蒲郡に隣接する豊川は,私の出生地だ。蒲郡の市制記念行事は,病院関係者が,市長に直訴して実現したものらしい。台風が怪しくて,公演も吹っ飛んでしまうかもしれない,と不安もあって,現地にはお昼頃到着したら,偶然それらしい集団が歩いてきて,市民ホールに入っていった。ほどなく,発声練習も聴こえた。大ホールなので,有名な公演でも席が十分に埋まらないこともあるらしい。私は,イプセンを観にいって,四五人しかいなかった経験もあるので,スカスカの演劇もあっても驚かない。しかし,毎回好演しているルーク先生役の宝田さんには,いつも大ホールが満席であって欲しいという期待がある。それだけ,一生懸命なのだ。心配はされたが,二階席はともかく,一階は80-90%ほど。
さて,『葉っぱのフレディ』観劇は,東京公演の四回から一週間おいて,五回めとなった。回を重ね,観劇する席を変えると,いろいろと見える世界が違う。地方公演のホールであるからといって,特に舞台が見劣りするようなことはなかったと思う。お孫さんを連れての観劇か,結構おばあちゃんが目についた。彼女たちは,ひょっとすると,往年の銀幕スター「宝田明」を見に来ていたのかもしれない。
五回めともなると,気がついたのは,カミキリのモアに,葉っぱが襲撃されるまでが意外と長かったことだ。たぶん,挿入歌を一曲ずつじっくり聴き始めたのでそういう印象になったのだと思う。とても良い曲が多いと思う。歌詞もなんとなくイメージできる。『葉っぱのフレディ』の主役はもちろん「フレディ」であるが,とりわけ挿入歌を独唱しているのは,「フレディ」の周辺にいる,メアリーとか,クリス,あるいは,葉っぱのクレアだった。ルーク先生役の宝田さんもかなり目立っていると思う。
このあと,2014『葉っぱのフレディ』は,北上し,岩手県に飛ぶ。さらに,グランド・フィナーレは,神奈川県に戻り,芸術劇場で二公演が行われる。それが終了すると,葉っぱは解散するのであろう。そして,初春になると,オーデションの激戦を勝ち抜いて,2015年新メンバーの芽が出る。いずれにせよ,最後に,もう一度感動の名演技を期待したいものだ。子どもの演劇・ミュージカルも,たまには良いものだ。そればかりだと,なんだか自分の頭の中の,キャパシティが柔軟さを欠いていくような気もする。ひとつ子どものミュージカルを観たら,ひとつ大人の演劇を観るのがいいかもしれない。
秋になると,葉っぱたちはみんなきれいに色づいた。
同じ木にいるのに,どうして違った色になるのかな?
一人一人が,お日様へ違う向き方を体験したからだよ。
葉っぱの僕らがすみかを変えるときが来たんだ。
どんなものでも必ず死ぬんだよ。
怖くないのかな?
君は,春から夏,夏から秋になるとき怖かったかな。
季節が変わるのは,自然のなりゆきなのさ。
そう考えれば,いつかそのときが来ても怖がることはないのさ。