満足度★★★★
昔からある永遠のテーマ
「戦隊モノ」と言う事だったので、想像していたのが「ヒーローショーの舞台裏」的な内容なのかと思っていましたが、いい意味でガッツリ裏切られました。
「人は世界平和を願うのに、どうして戦争はなくならないの?」
という、昔から存在している永遠のテーマを謳いつつも、やはり解決しないのはどうしようもない人間のジレンマなのかも知れませんね。
ヒトミさんの葛藤が凄く良かった。一番好きな役でした。
一つ気になったのは、どうしてヒトミさんの恋人(と元恋人?)は、ヒトミさんを他の男に乱暴させたのか?って理由が判らなかった事。
これが判ればもっとヒトミさんの葛藤に深みが出たんじゃないかなぁ?と、少しだけ残念に思いました。
満足度★★★
善悪神学論争と人
正義などと矢鱈にノタマウ のは、子供を除けば、政治屋、アメリカの政治屋・プロパガンディスト、こういう輩に踊らされるアホ、そしてそれで金儲けをする連中と相場が決まっている。機巧ポストが、今回挑んだのは、こんなジャンルである。えっ!! という声を発したファンも多かろう。そこは、何である。
ちゃんと、神学的テーゼが提起されている。即ち、正義=善であるならば、それは、如何様に証明されうるのか? についてである。結論から言えば、悪無しに善は善足り得るのか? という疑問でもある。
今作では、人間を介して、混沌を見せ、混沌の中で喘ぐ者として悪を呈示しているようにも見える。そして、それは、人間的な悪であって、デモーニッシュな悪ではない。この辺りに今作の面白みがあろう。但し、これらに対して有効な物差しを持っている訳ではない点が、判断保留の原因だと考えられる。
因みにギリシャの知は、カオスを整除してクロノスが王に就き、クロノスを倒してゼウスが頂点に立ったが、ギリシャの神々は、浮気もすれば、嫉妬もし、その性格は、人間の映し鏡と捉える方が良いと考えられるから、こちらも、人間とそれを越える者とのいわばキメラなのだが、カオスに対して整除するものとしてのクロノスが介在している点、定規を持っていると言い得るようには思う。